できる新入社員は何が違うのか。若手活躍のチェックリスト | デキタン(できるヤツ探求アメブロ)

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ソヤマン(サイバーエージェント人事統括・曽山哲人)のブログです。

先日、新入社員のみんなに時間をもらって勉強会を実施しました。人事の新卒メンバーが運営してくれているオンラインならではの30分勉強会、「ソヤマン、あのね」の第二回目です。今回はエンジニアやクリエイターのみんなも参加してくれて、画面越しにみんなの元気そうな顔を見ることができてよかったです。

 

今回は質疑応答にくわえて、私からも情報提供しました。若手で成果を出している人を観察してまとめたチェックリストです。

 

 

たとえば新入社員で見ると、入社日が同じ4月1日でもスタートラインは違うのが現実です。インターンでの経験が武器になる人もいますし、まったく内定者としてインターンやアルバイトはせず、部活や研究を最後までやり切る人もいます。インターン経験があっても、全くなくても、それぞれ新入社員で大活躍する人がいます。若手や新入社員で活躍している人を思い浮かべながら、共通項をまとめてみました。

 

■成果からの逆算

このチェックリストの中では、これが一番大事。どの部署でもどの職種でも、活躍する人がやっているのがこれです。成果から逆算して、達成計画を考える。思いつきで行動することでも成果は出るのですが、成果からの逆算をやる人は「やればやるほど計画性が強くなる」というところが差になります。たとえば「3つのシナリオ」という考え方があります。これは目標達成に向けて、楽観・普通・悲観の3つでシナリオを考えるというもの。あらかじめ悲観した状況でも達成ができるように考えておくと、何かあったときの変化対応力が高まります。


■時流と社流

社会情勢やトレンドなどの時流、会社や部署の社流を知ると俯瞰力がアップするという考え方です。たとえば社内では一部の部署や同期どうしで新聞読み会をやってくれていますが、社会の潮流がわかっていると物事を概念化してみたり、俯瞰してみる思考の習慣を持てるようになります。時流がわかっていると自社のニュースもなぜ今このタイミングでこういう記事を出すのか、なぜ話題になるのかも自分の言葉で説明ができるようになります。また、記事を見て自分なりの意見を持つことで、自分なりの見立ての力を上げることもできるようになり、結果的に自分の仕事の意味づけや未来への流れを読むことができるようになります。
 

■意思表明

自分の意思を出すと学びが増えるというものです。自分の出した考えに対しては、肯定も否定も無反応も全て財産になります。何も表明しないと、すべての考えは独りよがり。これだけでもやらないよりは良いのですが、何より選択肢を増やすのが難しい。だからこそ自分の意思をどんどん表明して、先輩にぶつけてみる。「こういう考えはどうですか?」と投げかけてみると、何かの反応が返ってきます。自分の考えを他者にぶつけると、想像もしてなかった回答がくることもありますが、それが学びとなって積み重なります。

 

 

■受け止め力

相手の意見を素直に受け止めると、応援が増えるというものです。ダメなパターンは頑固に見えること。この人は何かを伝えても聞き入れようとしないと伝わると、伝えるほ側もその甲斐がなくなってしまいます。こだわりをきちんと持っている人でも、大事にしていることは受け止め力。まずは相手の意見を受け止める。「ありがとうございます」などの感謝のひとことでも、まずは受け止めになります。受け止めは、相手への敬意。それを踏まえたうえで自分の意見をぶつけると、議論も前向きに進めるようになって自分の意見もうけとめてくれるようになります。
 

■ポジティブが先

自分の振り返りをするときに、まずは良かったことを口にする。反省をするときにはできなかったことを先にだしがちですが、そればかりやると自信を減らしてしまいます。良かったことやできるようになったことをまずは書き出したり、口に出してみる。自分を肯定すると、精神的に余裕が生まれて学習能力も上がります。良い所は自分の武器にして、そのうえで課題を直視する。この繰り返しをしていると自信をつけながら改善ができるので、自然とセルフコントロール力もアップしてきます。モチベーションのコントロールに悩む人には特に有効です。
 

■信頼残高

信頼の積み重ねを残高と考えて、大事にしようという考え方です。信頼というのは期待を超えると残高が増え、下回ると残高が減るものです。特に気を付けるべきは、相手の自分に対する期待値は見えないというところ。たとえばこの期日で出してほしいと思っていた期待も、自分はもっと先でもいいと思っているなど、見えない期待値のズレから、残高というのも変化していきます。期限を守らない、遅刻するなどは残高が減るわかりやすい例なので、逆に小さくても良いので期待を想像して上回るアクションを取っていきましょう。
 

■同じものを見る

お客様、上司、先輩と同じものを意識的に見ると、会話についていけるようになります。たとえば新聞、雑誌、ニュースサイトなど、相手が何を見ているかを聞いてみたり観察したりしてみましょう。そのうえで見た記事について自分の考えを当ててみたり、意見を聞いてみたりすると同じ記事を見ているという目線で話しができるようになります。同じものを見ているというのは、話が通じる相手だと理解できる非常にわかりやすいチェックポイントなので、まずは何を見ているか真似をするところから始めるのがおすすめです。

 

■初動サプライズ

スキルがなくても、早さなら期待を超えることができます。初動でポジティブに驚かせることを狙うというものです。たとえばサイバーエージェントでは「2割報告」という言葉がありますが、依頼されたものが2割になった時点で一度当ててみることがおすすめされています。10割の状態だと思って報告したら全然違っていたとなると、自分も大変ですが、実はそれを否定する上司や先輩も言うのは辛いのです。だからこそ早めにあてて、「もうできたの?すごいね」と言われる状態を目指して成果物をつくる。私も入社直後はネット知識ありませんでしたが、この初動サプライズを意識して小さな成功体験を積み重ねるようにしていました。

 

■決断の再生産

上司や先輩から指示をもらったら、どういう意味があるのかを自分で考えるというものです。意味を自分で考え理解ができると、仕事の上流からの思考もできるようになります。事務作業でもあっても、この作業を通じてお客様の何かが改善するとか、組織の何かにプラスになるのか。先輩が依頼をする以上、何かしらの意味があるはずです。その意味を理解する仕事への意欲も高まりますし、のちのち自分が上司や先輩となったときに、部下に仕事を依頼することも上手になります。
 

■フィードバックサイクル

定期的に自分からフィードバックをもらいにいくというものです。定期的な面談がない場合には、自分から時々お願いしてみましょう。忙しい先輩なら、10分など短い時間や何かの隙間時間や移動時間でも構いません。すでに月イチ面談や1on1ミーティングなどがある場合、上司や先輩などと面談する際には、自分の良い点と課題点を書いてぶつけてみるのがおすすめです。フィードバックを受け身でもらうのではなく、自分はこう思うという考えを先に出してみる。上司や先輩の頭にあったことをもし自分が書いて出せば、先輩も話しやすくなります。フィードバックの良いサイクルをもって、どんどん成長のヒントをもらっていきましょう。

 

特に入社したばかりの人や、異動したばかりで活躍する人を整理してみました。このリストの満点をとる必要はなく、課題発見のヒントとして使ってもらえればと思います。先輩にこのリストを見せて自分が不足しているポイントを教えてもらったり、自分なりこのリストひとつひとつで自分ができているところと不足しているところを書き出してみたりすると、何かの気づきがあるかもしれません。

 

「ソヤマン、あのね。」勉強会のアンケートを見たら、このリストを使って自分なりに不足していた点に気づけたとコメントをくれた人もいました。今後も一人でも多くの新入社員や若手のみんなが、いち早く活躍できるような環境づくりを創ります。