気づかせてもらっています。
今じゃなきゃ分からないようなタイミングで。
ありがたいことです。
先日、東海市民病院の早川星朗先生が主催するPRISM研修の五期生の選考試験に受かりました。
うれしかった。
だが驚喜乱舞という感じではなかった。
落ちる気がしなかったから。
僕はかなり凡人ですが昔から運だけは良い。
色々な節目で色々な人に助けられてなんとかここまでやってきています。
今回もとある縁でこの研修のことを知り、試験を受けました。
試験は正直むずかしかったです。
でも合否よりも今の自分の気持ちを素直にぶつけてきました。
素直にぶつけたゆえにどうなろうが受け入れようという心境でした。
来年から僕は早川先生に自分の職種に必要な専門的スキルを基礎からみっちり教えてもらいます。
正直勉強嫌いなのでどうなるか分かりませんが、きっと最高の一年になると思います。
先日二次試験の時に出会った様々な方々と共に学べるのも楽しみです。
偶然のような縁の中色々な立場の方が同じ志をもって、同じ場で学ぶ。
教育界の視点しか持ち合わせていない僕に福祉界、医療界の研修生に様々な見方を教えていただける気がします。
やべ、なんかくそまじめになっちったwww
最近思うのは、僕は常に100%の力を出して生きていける人間ではないということ。
理想はかかげながらも肩の力を抜いてゆっくりと着実に進むタイプ。
そんな気づきを与えてくれたのはローディーの竹中さんであり、故忌野清志郎さんであり、本田健さんであり、人間交差点である。
竹中さんは僕がレースで上位を狙ってがむしゃらにトレーニングをしているときに目の前に現れた方。
そんなにがむしゃらにやってどうなるの?力抜いて順位にこだわらず楽しく走ろうよ。みたいな感じだった。
当時の僕はそのスタンスが許せなかった。
多分自分の存在価値が否定されてしまうかのような錯覚を覚えたからだと思う。
勝ちにこだわって走るからこそ見えてくる喜びがあるんだよ!
竹中!あんたにはそれがわからんのかこの野郎!
必死で噛みついた。
その後レースでそれなりに結果を出したり、竹中さんに勝ったりもした。
すごく嬉しかったが、正直自分のポテンシャルの限界も地味に感じ始めていた。
上には上がいる。
でも諦めたくはない!
自分が心の底から打ち込める自転車を極めなきゃ。
知らず知らずのうちに力んでいたのかもしれない。
そんな時、忌野清志郎さんのサイクリング・ブルースという本に出会う。
ブログでつながった人の知り合いがブログで紹介していた本だった。
『人それぞれ、生き方が違う分、自転車に対する想いだって違う。
1分1秒、タイムを競うことを目標に掲げている人もいれば、レースの勝ち負けに興味がなく、ただ、長く遠くまで走れるだけで満足できる、僕みたいな人間もいる。
僕にとって自転車で走ることは脱サラみたいなもん。
仕事を休んで、好きなことやって、とにかく自転車の上でイイ気分でいられれば、それでいい。
勝ち負けにこだわって、頑張りすぎると息切れする。どんな険しい坂道も長い道のりも、いつかは着くだろうと、ゆるい気持ちで走ることが大切だ。
これは、人生にもいえること。
いくら頑張っても、世間の評価とかはそう簡単にはついてこない。
そんな経験を僕なんかずっとしてきたから、そういう価値観にしばられたくない。
なによりも大事なことは、自己満足。
自分の走りに納得できれば、それでいい。』
自分の中で張りつめていたなにかがふっと緩んだ。
楽しく納得できる走りをしようと思えた。
もちろん勝ちを諦めた訳じゃないけど、あわてずゆっくり走ろうという気持ちになれた。
ちょうど同時期に読んだ本田健さんの20代にしておきたい17のことにはこんなことが書かれていた。
『人生には、いろんな生き方があります。
がんばって生きてもいいし、楽しんで生きてもいい。
自分のやりたいことを貫き通して尖って生きるのもありだし、まわりに遠慮しながら生きることもできます。
いずれにしろ、どの生き方をするかの選択権は、あなたが握っています。』
『20代のときに、どんな人と出会うかで、その後の人生は大きく変わると私は思っています。
社会にでるといろいろな先輩たちに出会います。
・幸せで社会的に成功している人
・幸せだけど、社会的には成功していない人
・不幸だけど、社会的には成功している人
・不幸で惨めな人生を送っている人
・ただ楽しく生きている人
そういう人たちと出会う中で、自分はどんな人生にしたいのかを学び、選択するのです。
人生とは何なのか……誰にそれを教わるかで、答えは全然違ってきます。
「人生とは楽しいものだ」と教わるのか、「人生はつらいだけだ」と教わるのか、それによって人生観は、知らないうちに変わってくるのです。』
『20代のときには、できるだけたくさんの人生のサンプルを見ておくのがいいと思っています。
たとえば、お金持ちの人、お金のない人、心優しい人、厳しく冷たい人、人を押しのけてでも成功しようとする人、人に譲りすぎてひきこもっている人……いろんな生き方のサンプルを見て、自分はどの人生を送りたいのかを考えましょう。自分で見て、接してみることで初めて、「自分はこの生き方は嫌だ、こっちがいいな」ということが見えてくると思います。』
向上心に溢れ、人づきあいもうまく、友だちも沢山いる方々と付き合う中で自分もそうなりたい、ならなくちゃと肩肘張っていた。
確かにあこがれるが僕は人づきあいがどちらかといえば苦手な方で、友だちもあまりいない。なのに虚勢をはって背伸びしすぎていた。
自分にとってより生きやすい素敵な人生を歩むことをしていないということに気づいた。
気張らずに自然体で、ありのままで、でも人を思いやる気持ちは大切にした生き方がしたいなと思う。
沢山の手本となる人生の先輩方がいるが、すべてを真似するわけではなく、自分に合ういいところだけをを自分の人生の手本として取り入れていく。
そして一番最近出会ったのが人間交差点の日々という話。元売れっ子漫画家が社会的には落ちぶれたかのように見える立場になっているときに、編集者と交わした会話。
編集者「それにしても、先生の変身ぶりには驚きましたよ。
数年前まで月、三百ページを量産していた超売れっ子作家とは思えないなあ、
まるであの頃が嘘のようスね……」
漫画家「そう、あれは嘘。
当時は何を描いていたのかすっかり忘れてしまっている……
忘れてしまうようなものは、やっぱり嘘ですな。
その証拠に、あれだけ稼いだのにビタ一文残っていない。
ただ突っ走っていただけです。」
編「でもやはり小遣いには、不自由をしてるんじゃないですか、
酒と女はもちろんのこと、何と言ってもあれだけの美食家だった先生のことだからねぇ。」
漫「今日の昼、何を食べた?」
編「え?……あれッ何だっけな。
忙しかったもんで忘れちまったな、ハハハハ……」
漫「俺はね、サンマの塩焼きに冷奴、それと知人が送ってくれた千枚漬けです。
ちゃんと覚えているんですよ、ゆったり生きているからね。
一日一日のことをちゃんと覚えている、これが人生です。」
編「でも不思議ですね、先生。
あんなに売れっ子で豊かだったのに、
当時の先生の顔はいつも焦りと飢えが漂ってた……
今はまるで心が洗われるほど穏やかなんだもの……」
漫「生きるというのは、覚えていることが静かに積み重なっていくことなんですよ…」
携帯からだから打ち疲れてきた。
ゆったりしたいから打つのをやめよう。
打ちたくなっていた自分の小さい頃の夢とか、親とのこととか、ルーツのこととかはまた今度気が向いたときに打ちます。
あ、ロードバイクは基本毎日通勤で乗っています。二之瀬も必ず20分切ってみせます。
焦らずに、確実に、マイペースに。
『もし今度生まれ変わっても、僕はきっと、このオレンジ号に乗っているような気がする。その次も、またその次もそうあってほしいと思う。そしてもし今度生まれ変わったら、サラリーマンになって、毎日、決まった時間に通勤してみたい。もちろん毎日、毎日、自転車に乗って……。』忌野清志郎