水の中。 -24ページ目

水の中。

海外小説のレビューと、創作を。


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ももも戻りました!


嫁業を無事やりとげた(ような気がする)わたくしです。
お付き合いのあるブロガーの皆様のところへは携帯で読みに行っていましたが、
やはり読みにくいなーと、文字が頭に入ってきませんでした。

というわけで、これから読みに行くのを楽しみにしております。
……というだけの挨拶ですが、


新年明けましておめでとうございますー!!




(近況追記)


えーと私の正月ですが、
ダンナの実家で雑煮を食べながら、「これは白味噌仕立てのぜんざい! ぜんざいよ私!」と自分に魔法をかけながら過ごしました。


関東で育った人間には、みそしるにだいふくが入っているとしか思えない、ここんちの雑煮……。


刺身が嫌い、とか
納豆がダメ、とかいう外国からの客人に「了見の狭い味覚だよ」と内心イライラしたことがあるのですが、
食文化の違いとゆーのは、結局は幼児期からの深い刷り込みの結果であるようで、
「ここからここまでが食い物」
とゆー線引きは、自分では容易に変えられないものですね……。



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どうもこんばんは!
今年も残りわずかとなってまいりましたね~。



かなり忙しく頑張ったような気がする2007年ですが、
振り返ってみると、自分自身のプラスになるようなことは出来ていなかったなーという気がします。
それ以上に、ここでは何も出来ませんでしたね……。



が、まあ言っても仕方がない! ので来年また頑張ります。



1月1日から少し不在になりますが、
それまでに何か更新しておきたいと思います。



えーと、書庫で「水上奇譚」17話が間に合わなければ、「天蓋の花」という掌編をのせて去るかもしれませんが、
それあまりお見せしたくないので(←なぜ書く……)、
がんばって17話のほうをアップしたいなーと。



ではでは、また。




自分が余命いくばくもないと知ったリチャードは、あてもない旅へ出る。
サンディエゴで偶然立ち寄った歴史ある優雅なホテル、ホテル・デル・コロナード。


ギャラリーで見かけた古い女優の写真に、リチャードは心を奪われるのだったが――

リチャード マシスン, Richard Matheson, 尾之上 浩司
ある日どこかで (創元推理文庫)

およそ75年の時を超えたラブストーリー! です。


過去の女優に恋をしたリチャードが、思い込みだけで(このへん本来はツッコミどころかと……)過去へ飛び、ひとときの恋におちる、という物語。

舞台はホテル内に限られているのですが、それでも1896年という時代の空気を再現することに成功していて、読み手をリチャードとともに過去へと連れて行ってくれるのです。


わからない俗語や、使えない剃刀などに戸惑いながら、夢にまで見た女優エリーズと恋をする、という素敵なファンタジー。



ただですね、この物語のコンセプトからして、タイムトラベルものとしてのハッとするような展開がないのは仕方が無いと思うのですが、これがラブ・ストーリーとしてもですね……
「こんだけ?」
というくらいの、ささやかな出会いなのですよ。
リチャードは数日を過去ですごしただけで、すぐに現代へと引き戻されてしまう。
そして意気消沈したまま、お亡くなりになるのでした、完。なわけです。



えー、これだけ?
これでエリーズは彼の思い出を胸に生きていかなきゃならなかったの?
えー、そりゃないだろ……。



ふたりの恋が、あまりにささやかで、そして報われない。
これはつまり感情移入している「読み手である私が報われない」のですよ。

大問題です。


この作品が書かれた時代、リチャードが生きる作中時間の「現代」とは1971年という、今の我々からすればすでにかなりの過去であるわけなのですが。
そういった時代性もあるかとは思いますが。

これがこの時代の「ロマンティック」とゆーやつなのかもしれませんけど。



ええー、もう1回!
神様マシスン様、
もう1回奇跡をおこしてくださいよ!!



とお祈りしたくなるような物語でした。



実際にはリチャードとエリーズは、再会を果たしてはいるのですよね。
ただ一度だけ、リチャードがまだ少年のころに、年老いたエリーズに会っているはずなのです。
当然ながらエリーズは何も告げられず、リチャードは彼女が誰かも知らずにいたのですが。



ああ、このエピソードをいっそ最後に語ってくれたらいいのに!!



なんかこー、こういう時間モノというのは、エピソード自体というより、その並べ方が大事だと思うのですよ。
それによって印象がガラリと変わってしまうという部分はあると思います。


……とかなんとか、自分が納得したいあまりに「この小説をどうしたらいいか」まで考えてしまいましたが(よけいなお世話)。

愛らしいファンタジーの小品(実際には結構長いけど。過去の描写に筆を割いているせいでしょうか)で、マシスンがかかわって映画化もされているそうです。解説によると、そちらも原作のイメージを大事にしてつくられた名作のようで、観てみたいなーと思います。


ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
ある日どこかで

逸刀流VS吐鉤群率いる六鬼団――
過熱する争いは舞台を移し、江戸から水戸へ。
誰もがこの争いに巻き込まれ、旅立つ中で、凛は宿敵であるはずの天津影久から申し出を受ける。


「これが最後の戦いだ。100人斬りを連れて、見届けにこい」

沙村 広明
無限の住人 22 (22) (アフタヌーンKC)


結末へ向けて、ほぼオールキャストで物語がバリバリ動いてます!


女の子も増量中です! 


新キャラ燎ちゃん(↑表紙は彼女です)を始めとして、もう退場かと思っていた百琳姉さんから結婚退職していた(ちがうよ)宗理センセのとこの辰っちゃん、そして英のとこの美女軍団まで登場するとゆー華やかさ!



あれっ、蒔絵さんたら、まだご存命でしたか……。 ←それにしてもさー、この人の背景は知ってますが、なんでこんなに死にたがりなのか今もってワカランのは私がニブイ人間だから?



物語はあいかわらず行き当たりばったりのようですが、
正直そんなことはどーでもよくなるほどに、場面場面がカッコイイのがこのまんが。
この巻の最後なども、
杯をかわして「よし!」と最後の戦いへ赴く逸刀流の四人が、もう本当に震えるほどにイカシてる。



この調子でかっこよく鮮やかに結末まで走り抜けてほしいなーと思う本作ですが、
私としては片腕のままの万次さんが気になる……そんなんで尸良と闘えるのでしょうか。



フツーであれば、不死身の男である万次さんが絶対に有利に決まっているのですが、
なんだか全然そう思えないのは、尸良が――


尸良がヘンタイだからでしょうか(アイツは油断ならん! だって自分の腕の骨を削って武器にしたりするくらいだし)。




というわけで次巻を楽しみにしておりますー。

2012年。
ネヴィル中佐はただひとり、廃墟と化したNYで暮らしていた。
人類を滅ぼしたウィルスの研究を続けながら、感染者の成れの果てである異形の者と闘う日々。
ふとした油断から、唯一の相棒である愛犬サムさえ失ってしまうのだったが――

リチャード・マシスン, 尾之上浩司
アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫 NV マ 6-5)


えーとですね、以下は映画と原作両方のネタバレ的な感想となってしまいますので、
これからご覧になる方は、どうか回避願います!





↓(観る予定のない方、鑑賞後の方はこちらへ)








うわー、予想はしていましたが、映画版は原作とは真逆な結末でしたね。
映画・原作ともに「ネヴィルが死ぬ」という部分は同じなのですが、意味も状況も、これがまるでちがうのです。



映画の場合の「アイ・アム・レジェンド」とは、
ウィルスの抗体を発見し、自分の命と引きかえに生き残りの人類を救ったネヴィルを「英雄である」と讃えてのタイトルなのですよね。
主人公ネヴィルは死んでしまうのですが、これはハッピー・エンドと言っていい結末。



対して原作小説の展開はまったく逆で、
ウィルス感染者たちが集団を形成するようになり、彼らを狩りつづけていたネヴィルが逆に狩られる側になってしまう。
そして「旧人類・地球最後の男」として命を落とす――これが「アイ・アム・レジェンド」なわけです。
(映画版と同じように「生き残りの女性」が登場するのですが、これが実はニュータイプの感染者で、スパイするために近づいてきただけであったり)



この少数派と多数派が逆転する、という価値観の変化と、
それに抗おうとして叶わなかったネヴィルという男の孤独な戦いこそが「アイ・アム・レジェンド」という物語のテーマでもあるわけで、この映画版はそのあたりをまったく無視しているわけなのですが……



うーん。
確かに、これをこのまま映画にするのは、ムリだろうなーと思います。



原作小説は物語として非常によく出来ているので、このような悲惨な結末を読者に納得させることができるわけですが、これと同じ筋書きを映像ドラマで見せたとしても、果たしてカタルシスが生まれるかどうか。

このあたりが、「映像」と「文章」という伝達方法の違いなのでしょうねえ……。



映像はダイレクトに状況を伝える力があり、

文章には書き手の意図した感情移入に引き込む力がある。




私としては「無人の廃墟と化したNY」という映像がどうしてもどうしても見たかったので、
かなり満足ではあるのですが。
意外にも「ゾンビ化した感染者たち」が、ものすごく恐くて(だ、弾丸みたいにぶつかってくるんですけど! なにあれ!)、うわーやっぱり映画って凄いなーと思いました。



……結論として、映画版は物語としては平凡ではありますが、
見てソンはないかと思われます。



原作を読んだことのある方は、無用にドキドキできていいかもしれません(生き残りのあの二人が、いつネヴィルに襲いかかってくるのかと最後までハラハラした……)。





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どうもこんばんは、私です!


私とゆーのはここのブログの管理(してねえ)人の私です。


忘年会シーズンのために、酒・仕事・酒・酒・酒で今週まったくココへ現れなかった私です。


酔いの醒めた早朝に、下の記事を更新した私です。 ←床で寝てた……




12月もそろそろ終わりとなる今日このごろなので、
今年の総括めいた記事を書いておこうかなと思います。




≪小説レビュー≫



今年は面白い物語にたくさん出会えましたね。自分なりにランキングをつくろうかとも思ったのですが、やはり母数が小さい中で順位付けするのも無意味かと。
印象に残ったものはといえば、ここでレビューを書いた以下の2作。


①「ゴースト・ダンサー」

(うんちく満載で楽しめました。しかし数年後に記憶に残っているかというとそうではない気がする)

ジョン ケース, 佐藤耕士
ゴーストダンサー 上 (ランダムハウス講談社 ケ 2-2)


②「ブロークン・エンジェル」

(上の作品とは逆に、欠点だらけでも魅力のある物語。これはどのへんが違うのでしょうか……)

リチャード・モーガン, 田口 俊樹
ブロークン・エンジェル 上・下巻 2冊セット





≪漫画レビュー≫



漫画については、ここではレビューでなくただのファントークというか感想というか感想以下のことしか書いていないのですが、面白い作品はたくさんありましたね。
あえて挙げるのなら、



①「Real Clothes(リアル・クローズ)」

(自分の仕事でいっぱいいっぱいなので、ひとさまの仕事話を読んで一喜一憂したくないとゆー理由から普段はお仕事系漫画は好きではないのですが、これはスポ根まんがのようで面白いです)

槇村 さとる
Real Clothes 3 (3) (クイーンズコミックス)


②「7seeds」

(夏Aチームの生き残り選抜が凄かったですね。安吾のような、フツーにリーダーぽいキャラクターを主役にすえて魅力的に描けてしまうところが上手いなーと思う)

田村 由美
7SEEDS 9 (9) (フラワーコミックス)


③「ライアー・ゲーム」

(毎回ルールの説明段階では「これでなにがゲームになるんだ?」と思ってしまう、自分の頭の弱さに気づかされる物語。この漫画のキャラクターって、みんな賢いですね……)

甲斐谷 忍
LIAR GAME (3) (ヤングジャンプ・コミックス)


≪創作考≫


私はこれを、読むのも書くのも考えるのも大好きなのですが、
今年はたいして書いていませんねえ……。


上のレビュー総括でも書いていますが、最近では、「魅力的な創作とそうでない創作を分けるものってどこなのだろうなー」と思ったりします。
たとえば下にある「天国への鍵」という作品、私はこれがまったく面白くなかったのですが、レビューを読み歩いてみたら、アレ? そんなにひどく書いているひといないですね……。




≪うちの犬≫



私が実家へ行くたびに太っているコイツ↑が心配で心配で仕方がないのですが、
家族がそろって甘やかしてしまっているので、どーもならんです。


玄関に走ってきて飛びついてくるときなど、
新弟子とぶつかり稽古しているみたいです。 ←いや私が親方とかそーゆーのでなく……


でも太っているくせに、すんごい走るのでビックリ。
動けるデブですね!




……というわけで、何も締まっていませんが、
2007年、おつきあいくださいまして、ありがとうございました!

2008年は新たにブログ小説をやろうかと思うのですが、でもいまさらココにそんなカテゴリを入れたら、
ゴチャゴチャしてしまいそうだなあ……。




マイクル・セントピエールは泥棒稼業から足を洗い、保護観察中の身の上。
つつましく生きていたマイクルだったが、愛する妻メアリーが癌に冒されていることが発覚する。
治療費をかせがなくてはならない彼は、ある男の提案にのってしまうのだったが――

リチャード・ドイッチ, 奥村 章子
天国への鍵 (ハヤカワ文庫 NV ト 18-1)

うーむ。



「悪魔(のようにオソロシイ男、とかでなく本物の悪魔)」にそそのかされ、「天国への扉の鍵」を盗んでしまった男が、バチカンの守護者とともに鍵を取り戻す物語。です。が。



あのー、あのですね。
天国への鍵、とゆー全人類地球規模のアイテムを出しておきながら、
やっていることがいちいち県大会レベルなのは、いったいどうしたら……。



何が県大会なのかというと、スケールが小さいのですよ。
これは現代社会を舞台にしておきながら、組織というものがまったく出てこないせいかとも思うのですよね。
ふつーこういう場合に介入してくるはずの教皇庁が、たったひとりの人間しか送り込んで来なかったり(人手不足なのか?)、対する悪魔フィンスターにしても、たったひとりの警官を殺し屋として送り込むだけだったり(そのくせ自宅を私設軍隊なみの警備で固めている不思議……)。



それ以前に、マイクルのようなアマチュア器用レベルの泥棒ただひとりを盗みに潜り込ませるとゆーのが、大変ショボい。


いや、そもそもですね、主人公マイクル・セントピエールを「天才級の泥棒」と設定してくれてもいいわけですよ。
それくらいのハッタリがなくては説得力も生まれないわけで、むしろそうしてくれたほうがいいのですが、
でも残念ながらそうではないのですよね……(帯と解説には「天才的泥棒」とか書いてますがアレ間違ってる)。



悪魔フィンスターにしても、
「制約があって、人間に直接の危害を加えることはできない」そうですが(なんか矛盾してるな……クラブでナンパして拷問した女の子はなんだったんだ? 執事にやらせたの?)、それならそれで脅したり陥れたり誘惑したりと、いくらでも出来ることがありそーなものですが、この悪魔さんは悪夢に出てくるくらいで、たいしたことはしないのですよね……。
そもそもマイクルが天国の鍵を盗むことと引きかえに、奥さんの癌の治療費を出してくれているあたり、
「もしや、この人いい悪魔なのでは」とさえ思う。



そして、中盤あたりでマイクルとマイクルの親友と司祭シモンが、
酒を飲んで腕相撲やったあげくに打ち解ける(!)とゆー展開を見て、わたくしとっても萎えました……。
な に そ れ 。



後半も何が起こるかと思えば、
やはり県大会クラスの殴り合いと撃ち合いと騙しあい(悪魔フィンスターをだまして教会へとじこめる作戦。それも二回)がつづき、
なんかもう読んでも読まなくてもどーでもいい展開で、
結局のところフィンスターが悪魔である意味も分からず、天国の門があるのか無いのかさえ不明なまま、完。



よくよく考えたのですが、
小説が下手というよりもアレですよ、
結局この作者さんは善良なんだな……。



そしてご本人は、実はこういったホラー・アクションを読んだことが無いのでは?



「悪魔」とか「残酷さ」の解釈が平凡で手ぬるいだけでなく、
善悪を扱っているはずのテーマが掘り下げられておらず、そのあたりも読み甲斐がない。
「まるではじめて書いた小説を読まされたみたいだなー」
というのが正直な感想です。


久しぶりに、「読むのに費やした時間がもったいない」と思わされた作品。

映画化権が買われているそうですが、
ああ、まともな脚本家さんが作り直せば映画にはなるかもしれないですね……。





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ところで先日ちょっと髪を切りに行っていたのですが。


そこのサロンに来ていた女の子が、
「アメブロの公式ブログになったとたんアクセスが5倍くらいになったの! アメーバすごいね!」
と大きな声で語っていました。




どうやらタレントさんらしいのですが、こう言っては申し訳ないのですが、まったく知らない顔でした。
そもそも、ここアメーバの芸能人ブログで知っている芸能人さんなど数えるほどで……。
芸能界の裾野の広さを感じますね。
いつもテレビで顔を見るようなひととゆーのは、実際には超売れっ子なのだなあ……。




そういえば知人の医療関係のひとも、ここアメーバでブログを始めたというので見てみたのですが、
内容うんぬんは置くとして(改行少なくて読みにくい……)、
すんごい無防備に写真やら本名やらがのっていて、ビックリしました。



ううーん。
教えた友人知人だけが読みに来ることを想定している……ようなのですが、
ただの日記であり、特に倫理的に問題があるとかそーゆー内容でもないのですが、
でもそれにしても、


……大丈夫か?


と、心配になりました。



いつもお世話になっている発掘屋さんブログで
「ネットと日常の境界について」の記事 を読んだばかりですが、
私としてはそれらは承知の上でブログというツールを利用している(そもそもろくなブロガーではないというのもある……)わけで、発掘屋さんがお書きになっているような危惧(個人のプライバシー保護と、ネットという架空世界にひたる危険性)については、特にピンとくる部分は無かったのですが――



そうか、アレはこういうことでもあるなー、と
その人の情報たれながしな日記を読んで、あらためて考え直しました。



タレントさんのようにビジネスとして顔を売る必要のある存在にとっては別ですが、
個人が名前つきで日常を公開するというのは……あんまりいいことない、ように思いますね。

でもなー、

それらのリスクを回避しようとアレコレ手段を講じると、そもそもの目的である「発信する」という楽しみから遠ざかってしまう気もするので……。


われわれがこういう道具を上手に使えるようになるのは、まだまだ先のことかもしれません。






「魚が嫌いで水が嫌い。仕事をするなら晴れの日がいい」

という、風変わりな暗殺者。


城ノ内が海外から買い取ったこの人物の素性を知っているとして、強請り屋の高須が接触してくる。

彼は二年前にホームステイ先から行方不明となった高校生だというのだ――

高口 里純
暗殺者は魚を嫌う (オークラコミックス アクアコミックシリーズ) (オークラコミックス アクアコミックシリーズ)



「汚い奴」という作品に出ていた高須が主要人物として登場します。


私はこの高須というキャラクター(元ボクサー、現在ゆすり屋)がハードボイルドでとっても好きなのですよね。

で、この物語もそういうヤクザ物なのだろうと思って読んでいたら……アレ?



そうか、そっち系だったのか!



八雲というキャラクターを「なんかこのゲイゲイしい子が邪魔くさいなー」くらいに思っていたのですが、
そりゃゲイゲイしい(そんな日本語はない)わけですね……。



そうか、そもそもこの子が主人公なのか。



でもなんというか、イッちゃってる殺し屋の少年と、非情な組長の腹心という組み合わせ、
よくない意味でボーイズラブ的ではないような印象でした。


うーん……なんというのでしょうか。ハードなピカレスクロマンをうたってますけど、その「ハードさ」が嫌悪感を感じるたぐいのハードさなのですよね。



その昔、夢枕獏とゆー作家さんが自著の後書で
「物語では泣かせるのが一番カンタンで、笑わせるのは難しく、勃たせるのは更にムズカシイ」

のようなことを書いていたのですが、
ああそうかも、結局はエロが一番難しいのかも……と思いました。



この作者さんの、ふつーのヤクザ物が読みたいです。



ジェネオン エンタテインメント
姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション

先日、映画館で予告編を見たのですよ。
京極夏彦原作「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」の予告編を。

私はこの予告編というものが大好きで(いいとこどり構成なので、下手をすると映画本編より面白いですよね~!)、いつもとても楽しみにしていて、
感動モノなどに涙したりするのですが(5秒で泣けるいいかげんな客……)。



これも良くできた雰囲気が伝わってきて、面白そうでした。
映像もきれいですね。
ああ、あの例の建物はイメージどおりだなあ……。



このシリーズで物語としての完成度が高いのは、この「魍魎の匣」と「鉄鼠の檻」ではないかと思うのですが、
私が読んでいてもっとも楽しかったのは、もっとも長い(たぶん)物語である、「絡新婦の理」でした。



京極作品を「長すぎる」というひともいるのですが、アレは長さがひとつの売りになるという稀有なスタイルで、「語りの多さを楽しむ物語」なのですよね。
ああ、そうですね。ジャンルは違いますが、この長編スタイルといい、テーマの選び方といい、実は島田荘司センセイとよく似た作家さんであるように思います。



そして気がついたのですが、私はこのシリーズの最新作(2006年発行)の「邪魅の雫」を読んでいない……。


あれっ、読んでいない……?


表紙イメージがいつもわりと同じなので、読み損ねたものなのか、

あるいはこの長編スタイルに興味を失って読まずにいたものか、



……えーと、自分でも記憶にありません。


京極 夏彦
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)
京極 夏彦
邪魅の雫 (講談社ノベルス)

(そんなに似てないか……。「おんもらき」まではここでレビューを書いていたようですが)