奇跡的な成功率を誇る、桐生医師率いる東城大学付属病院バチスタ・チーム。
立て続けに起きた術死は、
医療過誤なのか、それとも殺人なのか?
外科オンチであるはずの神経内科の万年講師・田口が、何故か内部調査を依頼されるのだったが――
おおー、さすがのベストセラー、文句なしに面白いです。
よく練られている物語なのですが、読者にそのような計算を感じさせない一流のエンターテイメント。
「このミステリーがすごい」の第四回大賞作品だそうですが、
このような賞で、 「よく出来た作品」ではなく、このレベルの「読み手を楽しませる作品」が発掘されることは珍しいのでは。
素材は医療ネタですが、構造としては人間分析もの。
容疑者と目される人物たちの聞き取り調査がメインで、しかもこれが二回行われます。
一回目は田口医師の、受身での聞き取り。
二回目は白鳥技官(異常なほど頭のよい人物ですが、それでいて善意の人であるところが珍しい……)による、組み合わせを変えた攻撃的な訊問。
この「単なるインタビュー」を面白く読ませてしまうのが、本作のスゴイところ。
ただ、あー、そうですね。
これが謎解きの推理モノかというと、そうではないですね。
推理できるほどの材料もなく、推理して楽しむような内容でもなく、
やはりサスペンス寄りのミステリー。
あえて文句を言うのなら、
終わりがちょっとしまりがないというか、ダラダラしているところでしょうか。
「えっ、まだあるの?」
「え、まだ続くの?」
「あれ、まだ続くみたい??」
というカンジで、エピローグ的なエピソードが最後にズラズラと並んでしまうのですが、あれは不要ではないかと(桐生センセーと白鳥さんの手紙だけでよかろう……)。
作者の登場人物への思い入れゆえなのだろうとは思うのですが、「その他おおぜいのその後」などは、地の文の説明で充分ですね。
いやー、それにしても楽しく読めました。
しかし私のサラリーマン的感性からすると、白鳥という型やぶりなキャラよりも、理解と良識のある高階院長という上司のほうがファンタジーな存在だなーという気がしますが……。
ところでコレ、来年二月に映画が公開されるのですね。
田口医師を女性にして(!)竹内結子、白鳥を阿部寛、だそうで。
それはまた、よく考えたなあ……映画は画面に華がほしいところなので、おっさ……いえ、歳のいった男性ふたり主演とゆーのもキツイかもですね。
これなら恋愛要素も入れられるし、ナイス変更かもしれないです。












