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水の中。

海外小説のレビューと、創作を。


西武新宿線沿線で起きる謎の連続殺人。
この被害者たちの共通点は、ある朝同じ電車に乗り合わせていたこと――


関連に気づいた青木の前に現れたのは、監察医の三好雪子。
彼女の爪には、何故か被害者たちと同じ特徴があるのだった。



清水 玲子
秘密(トップ・シークレット) 3 (3) (ジェッツコミックス)

(なんで4巻の画像がないのじゃろう……)



「死人の脳を解析して視覚的に再生する」とゆーMRI捜査を行う、科研「第九」の第四弾! です。


このシリーズは警察ものではなく、ましてや推理物でもなく、近未来SF猟奇サスペンスとでも言うのでしょうか。
ショッキングな題材を売り物にした着想にあざとさを感じる部分があったりして、あまり好感の持てない物語だなーという印象だったのですが、今回とても面白く読みました。



「電車内のもめごと」という、ありがちでささやかな事件。
しかし善意と悪意と無関心が絡み合う中で、偶発的な殺人がさらなる凶行を呼んでしまう過程が、説得力があって読ませます。



なにより、青木さんが!


今までただの「使えない新人キャラ」、
かろうじて「死んだ鈴木に似て背が高い」というだけで、
何者でもなかった青木さんが!
ただのホモ要員かと思っていた、青木さんが!
愛する女性を得て、ようやく人格らしきものが芽生えてるではないですか!!(←前置きがひどすぎるのは気のせいです)



うわー、でも冗談ぬきで今回の青木はカッコイイですねえ。
この物語のもうひとつの読みどころは、「死者の脳をのぞくなんて」という世間の非難を受けての「第九」の人々の葛藤にあるのではないかなーと思うのですが、今回の青木はそのへんを突き抜けて

「手段を選んでいる時間はない!」

と一歩もひかない男前ぶり。



いやー、かっこいいです。

一件落着して雪子さんが病院で目覚めるあたり、
彼女でなくてもほだされてしまいそうです(あんなとこで寝られちゃったらなー……)。




というわけで大変楽しく読んだシリーズ4作目でした。が。



うわー、
ま、薪さんがー!!
壊れぎみな薪さんが、壊れかけてるよ!!

こんなことは言いたくないのですが、青木は雪子さんと愛を育むんでなく、
薪さんを救ってやらなきゃならなかったんじゃ……?




八方



どうもこんばんは私です! 皆様お元気でしょうか。


一軒家って寒いのですねえ。
なんだか手が上手く動かないなーと思っていたら、室温が3℃だったり。



ところで、先週ごっそり更新が抜けているのは伯父が亡くなったからなのですが、
それはいいのです(いやよくないけど)!



問題は長野まで通夜に日帰りで行ってきたことです。


なぜ! なぜ日帰りで!



「あの子たちが可哀相だから、帰ってあげて」
「そうだなー、それがいい。可哀相だし」


……というわけで、またしても実家で留守番しております。(あの子たち→犬と姉。姉は病み上がりなので犬の散歩とか行けないのだそうです。ああそう……)


なんかすごい理不尽な気がしますが、よい機会なので、この犬の性根を叩きなおそうと、
強化合宿中です。


「おまえをそんなふうに育てた覚えはない!!」



とか仁王立ちで言ってる自分です。
ああ、あの夫婦はいったいどれほど甘やかして、コイツをこんなワガママ犬にしてしまったのか……。



あまりにも悲しかったので、よその国にいるダンナにメールで愚痴を書き連ねたところ、


(内容) わたしはほんとうは老犬にいまさらきびしくしたくないのにうんぬん


「おまえのうち面白いなー」
という、いっそ爽やかなほど他人事の返事が。


そんなわけで面白い家(どのへんが?)で、いまだ留守番中です……。




崩壊する地下シェルターから脱出した花たち。
ハルのオカリナの音に誘われたかのように現れたのは、謎の7人。
冷たい目をした彼らは、「全体を危険にさらす一般人」と吐き捨て、銃を向けるのだった――




(12巻の画像がないっすよ! というわけで可愛かったころの夏Aのみなさんを貼ろう……)
7SEEDS 7 (7) (フラワーコミックス)/田村 由美
¥410
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おお!
特殊な施設で育てられ、過酷な生き残り選抜を勝ち抜いた夏Aチームの登場です!



しかし「一般人」発言はスゴイな。
スゴイ選良意識だな~。


あの感じ悪いエリート臭をはなつ秋チームのお蘭さんたちさえ善良に見えてくる、夏Aチームのダークぶり。

まあ、彼らがああなってしまった責任は、要さんにあるんでないかなと思うわけですが。
その要さん、未来に来ていることはまだバレてない様子。
そして夏Aのみなさんは、あとから付けたしのよーに作られた「落ちこぼれ夏Bチーム」の存在は知らないのですね……。



生き残った(生き残らされた?)数少ない人間たちが、まったく協力しあえないというのが、
それらしくていい。



この巻は久しぶりに夏Bチームに視点が戻ってきて、いじめられっこであるナツが主人公ぽい展開です。
うーむ、やはり王道ヒロインである花にはいろいろな意味でかなわない彼女ではありますが、
頑張ってイイ女になってもらいたいものです。



それにしてもコレを読むとつくづく思うのですが、
私は旧文明とともに滅びたい人間だなあ……。


交通事故で命を落としたクリス。
彼がふたたび目を覚ました場所は、「常夏の国(サマー・ランド)」と呼ばれる死後の世界。


穏やかで素晴しいこの場所にいても彼が気がかりでならないのは、
残された妻アンのことだった。


リチャード マシスン, Richard Matheson, 尾之上 浩司
奇蹟の輝き (創元推理文庫)


なんてことのない物語、なのです。
主人公クリスが死後の世界を見てまわり、自殺してしまった妻を救いに行く物語。



天国も地獄もない。
原題の「What Dreams May Come」のように、
どのような夢を見るのか、それは自分しだい。
だから必要以上に恐れたり、悲しんだりする必要はないんだよ、というお話なのです。



この作品の素晴しいところは、
なんてことのないこの物語を読んでいくうちに、
漠然と抱いている死の恐怖のイメージが、優しいものになっていくことでしょうか。



まあ、実際のところ私などは「死後のこと」などは考えたこともなく、
死にまつわるイメージが恐怖であるのは、死の直前の苦しみや、死に別れることの辛さによるところなのですが。


……でも、死んだあとは、こんなだったらいいな。こうではないという根拠もないし。


と思わされてしまうのだから、不思議です。


物語自体は意外にも「それで二人は天国で幸せに暮らしました」には、ならない(!)のです。
しかし、この結末そのものはテーマにはあまり関係がなく、
死者であるクリスのほうが、残してきた妻アンをものすごく心配しているのを読んでいくうちに、
「そうかもしれないなあ。あっちのほうが生きているこっちを心配しているのかもしれないなあ」
という気がして、あまり悲しんでばかりいたらダメだな、と思ってしまう、そのあたりが主題ではないかと思われます。

現実に死の間際にいて苦しんでいる人に読ませたい、とは思いませんが、
残されて生きていくひとには、こういうファンタジーが必要なのかもしれません。



ところで実はこれ、1998年にロビン・ウィリアムス主演で映画化されているのですね!

へえー、知らなかった。

なかなか映像の美しい作品であるようで、機会があったら見てみたいと思います。





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私には、愛する深夜営業の酒屋さんがあるのです。



ここのご主人の酒センスは素晴しく、
基本テーマは「安く美味く」。



あらゆるジャンルでフツーはありえない私の好きな銘柄ばかりが! あるので!
いつも大変楽しく通わせていただいていたのですが……。



ある日、ヘンな二十歳くらいの若者が店にいるのです。
そいつが言うのです。


「なんでこんなに品目あるんだよ?! 効率悪くねえ?」

どうやらコイツ、ここのご主人の息子である様子。
おまえに何が! 商売の何がわかるよ!!
と腹を立て、つい高額商品を二本も購入してしまいました(安い酒で欲しいのがあったのに……)。



でもなー、そんなつまらん酒屋には人は集まらんですよ。
ビール買うだけならスーパーでじゅうぶんですよ。

だから息子よ、変わっておくれ……

と思いながら店を去る私でした(酒瓶重いです)。



その重い酒瓶を持つ私の前で、女の子がトラックに轢かれる(しかし無事)という事件が起きるのですが、
その話はまた今度。 ←するのか?


孤児院に馬車がくる。
ブラッドハーレー家の養女に選ばれた少女は、憧れである歌劇団の舞台に立てるのだ。


しかし少女たちが馬車に揺られて行く先は、華やかな舞台とは似ても似つかない場所だった。

沙村 広明
ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS) (Fx COMICS)


こ、こここ、こわいです。
猟奇サスペンス並みにコワイです。


さすが残酷さでは右に出るもののいない、この作者さん。
「ブラッドハーレーの馬車」にまつわる物語を、一話ごとにまったく違う仕掛けで語ってくれるのですが、
どれもコワイ。
いえ別に幽霊が出たりするわけではないのです。しかし、いっそ幽霊話のほうがマシではないかというほどの、残酷物語。
このような目に遭う少女ばかりではなく、実際に歌劇団のメンバーに選ばれるコースをたどる少女もいる、というのが、より皮肉で残酷であったり。



特に私がこわかったのは、二話目の、「隣部屋の親友と励ましあう少女の物語」でしょうか。
うわー、特に珍しい仕掛けではないのですが、この絶望的な状況下でというのが、もう物凄くコワイ(←感想こればっか)。



しかしですよ、この最後の一話。
残酷物語シリーズの結末を、なんとこの一話で全てをきれいにまとめてしまい、
なおかつちょっと読後感までキレイにしてしまうとゆーのは、いやー、スゴイ技ですね!



さすが沙村広明、
そのへんの大学生のラブコメなどを描くと、なぜかどうしようもなく貧乏臭い(すみません)のですが、こういう派手な時代物はハマッていて、ドラマチックにかっこいいですねえ……。



(ちなみにいつもどおりのヘンなあとがきですが、内容が内容だけに、ちょっとホッとしました……)






1845年。北西航路の発見を目指し、英国を出発したサー・ジョン・フランクリン探検隊。
2隻の砲艦「HMSエレバス」そして「HMSテラー」。



3年分の食料を積み、134名を乗せたこの2隻は、北の果てで消息を絶ってしまった――


ダン・シモンズ, 嶋田 洋一
ザ・テラー―極北の恐怖 (上) (ハヤカワ文庫 NV (1156))
ダン・シモンズ, 嶋田 洋一
ザ・テラー―極北の恐怖 (下) (ハヤカワ文庫 NV (1157))


うわー、すごいです。すごい力作です。



最近のダン・シモンズの作品は「ああ、よく調べているなあ……」と感心はすれども心動かされるような物語ではなかったのですが、本作はその「緻密な調査」が良い結果を生んだようで、いやー、大迫力ドラマです。これは素晴しい。


この作者さんらしく、ご当地神話とともに「北極の白い怪物」が登場するのですが、
正直なところ、アレあまり必要なかったんじゃ……というくらい、他の部分が読ませます。


後半はその怪物もそれほど活躍することもなくなり――というより、
活躍する必要がないくらい、飢えと病気(栄養不足による壊血病ですね)と裏切りが猛威をふるい、
身も凍るような展開になっていくのです。


おそろしいです。


絶対に北極に行きたくありません(←と決意するくらいコワイ)。




題材となった北極探検は有名な史実(遭難→全滅。しかもこの遭難の事実をつきとめるのには14年ほどもかかり、数々の捜索隊が送られて、この探検隊以上の犠牲者を出してしまったという悲劇)なので、
この探検隊の誰ひとりとして助からないのだと、頭では分かっているのですが。



ちょっとした希望が見えては、打ち砕かれ、
ちょっとした希望が見えては、また打ち砕かれ。



これがなかなか辛くて、なんでもいいから助かればいいのに!! と思ってしまうのですよね……。
まあ、とはいえこれは物語であるので、ダン・シモンズは判明している事実を動かさずに、あるマジックを使ってくれるのですが。



いやー、読みどころのたくさんある物語でした。
確かに、ここで描かれているのは「極北の恐怖」なのですが、これが「ホラー」かと言われると違うような……。
このジャンルづけでは読み手を限定してしまいそうで、ちょっと勿体ないように思います。



主人公であるテラー艦長クロウジャー(フランクリン隊長は物語の導入部ですでに亡くなっている)は、酒びたりで有能で恋愛ベタでしかもシャーマン体質(?)な不屈の闘志の持主という、なかなか複雑な魅力のある人物で、他の隊員も個性豊かに描かれています。



……この物語、別の媒体でも見てみたいなあ、と思いました。
映画がいいなあ、寒そうで。





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ここで書くつもりではなかったのですが、

どうやらしばらく自宅へ戻れそうにない(伯父が危篤だとかで、いきなり留守番役を与えられて実家から帰れなくなり……)ので、

えーとつまり何かと言うと、


パスワードが分からないので、FC2ブログに入れない


わけであります。

どうにか書庫の更新は出来たのですが、

更新情報が更新できないとゆー、なんだか間抜けな事態に。


こちらで書く話ではないのですが、

掌編の最終話をアップしてます。どうもお付き合いありがとうございました!


余力がありましたら、

明日にでも、書庫にあとがき風な文章でものせられるかもしれませんので、

どうぞよろしく。




どうも私です!

年明けからこっち、ここをあまり更新しておりませんが、

書庫だけはひっそり更新中です。


掌編(じぶんなりに)を。



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夜長彦と別れ、朔ら彦たちと行動をともにする鉄壱智。


謎の多い朔ら彦一行だったが、都の名家の出である恒ガシャが言うには、
彼らは「地図なき西の民」という、都に滅ぼされた国の生き残りではないかというのだ――


なるしま ゆり
鉄壱智 (4) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)


すす、すごいです!



物語は実際のところ、まったく前進しておりません。
このまるまる1巻分が、「わけありでガードの固い朔ら彦が、鉄壱智をやや認めはじめるの巻」となっております!




すーごいなあ……。




フツーは、物語の流れの中で展開すべき人間関係の変化のような気がしますが、この作者さんはマトモにコレだけを描いてしまい、そしてそれがわりと読ませるのです。
フツーは成立しない技ですねえ……。




やはり作者さん本人に「これ」という確固たるテーマが存在しているので、
語り口はどうであっても中心がブレないという、そういうことかもしれません。




これはもうすでに構成うんぬんではなく、個性の領域ではないかと思われますので、
つべこべ言わずに、この展開を見守りたいと思います。



(いまだ何の物語であるのかがおぼろげに見えかけているとゆー段階ですが……)