水の中。 -15ページ目

水の中。

海外小説のレビューと、創作を。


ある日突然、街中に恐竜が現れた。実体の無い幻はしかし、超古代から古代へ、そして現代へと進みつづける。
この幻はいったい何なのか……? (「午後の恐竜」より)


星新一作品の代表作11篇を9人の作家が完全漫画化。

コミック星新一―ショートショート招待席 (秋田文庫 58-1)/星 新一
   
24                                         
                      
¥590
Amazon.co.jp

おおー、星新一のショートショートを漫画化! するとは、ありそうで無い企画。
すでに何冊か出ている単行本の文庫化だそうですが、「どうやって選んだんだろう」「なんでこの人なんだろう」的な漫画家さんの人選が光る(ようなそうでないような)、不思議な作品集。



せっかくですので、一篇ずつ紹介を。



●「空への門」鬼頭莫宏
宇宙飛行士を目指し、叶わなかった男の物語。
おお、この人は「ぼくらの」の人ですね! あっちは少年少女のお話なので気になりませんでしたが、なんとなくこの方の「リアル」のとらえ方が……イヤなカンジに漫画っぽいような……。確かに主人公は傲慢でイヤな男なのですが、この漫画家さんのフィルターを通すと、また違うふうなイタイ感じになるとゆー、ふしぎマジック。
というわけで感動的なはずのラストも感動できず……。



●「ボッコちゃん」JUN
マスターが趣味でつくった美女ロボット「ボッコちゃん」。常連たちはロボットとは知らずに彼女に夢中になってしまい……?
これは正統派な漫画化ですねえ。原作の展開があまり遊びのない王道な皮肉残酷オチなので、ご本人らしさは出しにくいかと思われますが、それにしてもフツーな……。
ボッコちゃんのまつげが最大のインパクトでしょうか(そこ?)。



●「冬の蝶」
●「処刑」阿部潤
おお! 私は初めて読む漫画家さんなのですが、これ二作ともすごくいいですね~。
原作を何もかも忠実に再現したという「冬の蝶」も、自由につくったという「処刑」もどちらもすごく面白い。星新一作品へのリスペクトが感じられて、読みどころがありました。



●「天使考」木々
なまけものの天使たちに神様が与えた仕事とは……?
えーと。これを読んでいて原作がまったく思い出せなかったのは、もともと未読であるからなのか、あるいは原作を思い起こさせる部分がないからなのか、いまひとつ不明なのですが。
まあ、どちらにしても、たぶん本作は原作からいちばん遠い漫画ではないかと。
漫画家さんの持ち味がそうなので、どうやっても「のんびり明るい天界ライフ」になってしまうのですよねえ。



●「夜の事件」
●「箱」小田ひで次
実は最初は読み飛ばしてしまったこの二作。えーとですね内容はぜんぜん悪くないのですが、なんというか人物のヴィジュアルが幼いというか素朴すぎて、入りにくい絵なんですよね。とくに女の子キャラに華がないのがツライ。


●「ゆきとどいた生活」鈴木志保
こーゆースタイリッシュなおしゃれ系作風というのは、どうも多田由美あたりに起源があるよーな気がします。ふだんあまり興味がない(まんが表現としてはあんまり魅力がない気がする)系統の作品ですが、星新一作品の無機質なクールさにはハマッていて、驚きました。意外にいいなあ。



●「生活維持省」志村貴子
外回りをつづける二人組。生活維持省の大切な仕事とは……?
これもかなりフツーな感じのヒネリのない漫画化ですが、この漫画家さんの漫画表現の上手さのためか、ものすごく読みやすいですね~。


●「宿命」川口まどか
読みにくい……このト書き説明は言葉がよくないですね~。アタマにすんなり入ってきません。原作なしのご自身の作品のほうがいいかも。


●「午後の恐竜」白井裕子
素直な可愛らしい作風ですが、幼いといえば幼いような。私はこの漫画家さんの作品を読んだことはないはずなのですが、まるで読んだことがあるような気になってくるという、ありがちな雰囲気……。



というわけで、なんだか悪口しか書いていない自分ですみません。
アレコレ不満を書きつらねていますが、しかしこういった「お題を消化する力」と「自分の作品をつくる力」とはすこーし違うようにも思いますので、原作つきの企画モノが上手だから素晴らしい漫画家さんである、というわけではないと思うのですよね。
たとえば上記の作品で言えば木々さんあたり、「他人から与えられるテーマ」にまったく興味なさそう……。
  




ひとり山形からやってきて、母のちがう幸田家の四姉妹の末っ子となった「すず」。
季節はうつり、いつのまにか少しずつ周囲が変化していくのですが……


海街diary 2 (2) (フラワーコミックス)/吉田 秋生
            23            
¥530
Amazon.co.jp



鎌倉を舞台に描く、四姉妹のホームドラマ。
この2巻はほとんど末っ子のすずちゃん視点ですね~。
四話が収録されていて、



●「花底蛇(かていじゃ)」……次女・佳乃(信用金庫のOLさん。そして酒豪)の彼氏・藤井くんは意外にも高校生で? という藤井君バナシ。



この物語の登場人物は「ラヴァーズ・キス」とかぶっている部分があるのですが、両者の雰囲気がまったくちがうので「同じ人物」という気はしないですねえ……これは絵が違うせいもあるかなあ。



●「二人静」……地元サッカーチームに所属するすずは、男子との体格差に悩み始める。そんな時に意外な場所で長女・幸(しっかりモノの看護師。じつは不倫中)を見かけて。


●「桜の花の満開の下」……右足を切断しながらも、チームに復帰してきた裕也。「かわいそう」という言葉に反発をおぼえるすずですが。


二話つづけて、すずちゃんのチーム周辺のお話。それにしても、この物語にでてくる子たちはかしこいなー。「ごめん」「あやまるな。悪いのは俺なんだから」みたいな会話、私がこの年頃だったらありえない……思春期の怒りって、自分の弱さを隠すためであったりするからな~。私は絶対に自分の非を認めませんでしたねえ。




●「真昼の月」……祖母の七回忌で帰ってきた幸田家の母。すでによその家庭の奥さんとなっている母の口出しに、長女の幸はカッとしてきついことを言ってしまう。




吉田秋生作品の登場人物というのは、なんかこうヘンな人が出てきませんよね。
えーとこれは何ていうんだろう。ハッキリしたきっかけや解決がなくても、何ていうのか、みんなちゃんといつの間にか成長しているような。どうしようもない人生とも折り合いをつけて、季節がうつりかわるみたいに、とても自然に。


上質なホームドラマであり、実力のある作家さんにしか描けないタイプのまんがなのですが、やはり個人的には緊張感のあるドラマチックな物語が読みたいなーと思ってしまいますね。



かつて読んだインタビューで「編集者に寡作といわれたけど、でもずっと連載してたのに!」みたいなことをご本人が語っていましたが、確かに寡作なイメージありますねえ。なんでだろ。


何を知っているわけでもありませんが、その私でさえ「この漫画家さんは二作並行して描いたりはできないだろうなー」と思ってしまいます。


なぜだ。





sweets



じょしりょく。



昔から、うすうすそうではないかという気はしていたのですが、
私はこの↑力が低いのでは……? と最近つくづく思うのです。

勝手に名づけてみましたが、この女子力とはどのような能力かというと、


「あたし○○○なんだ!」
「わかるわかる、あたしもー!」


という風に一体化した共感が求められる、まあ早い話が群れの一員となる力――言い換えれば「つるむこと」なわけですが。



これがねえ……男性に分かってもらえる話なのかどうかナゾですが、幼児期はまだいいとして、小学校から「仲良しグループ」というやつに所属しなければならず、ザ・女子世界ではオトナになっても形を変えて、これがえんえんと続いていくわけなのです。
おそろしいことに、たとえどれほど成熟して見える集団にも、この仲良しグループ法則は存在します。



というわけで、ヨソの文化圏のことはわかりませんが、日本社会においてこの「女子力」とゆーのは、女子世界で生き抜くためには絶対に必要な力なのです。



ここまで書いてきて私が何を言いたいのかというと、
「あーもうなんでいちいちベタベタしなくちゃならないんだろめんどうくさい」
というだけのことなのですが。



いまさら思春期の中学生のようなグチ(それもがんばって周囲から浮かないよーにしている女子のようなグチ)で申し訳ないのですが、私などは同僚(たいへん気の利く後輩女子)から誕生日プレゼントをもらっただけで

「うわー! この子の誕生日忘れないようにしなきゃだわ!!」

と、ちょうゆううつになるのですよ。



同僚の女性なども仕事のできるひとほど女子力高めで我が強かったりもして、そのような人々との比較で、
「きみはサバサバしているねえ」(←周りに関心がないことによる誤解)とか
「きみはやさしいね~」(←意地悪するほど周りに関心がないことによる誤解)とか言われると、
「ええあのー、ふつうです……」
と消え入りたくなります。なんとなく。



なんで女子ってこうなんだろ。
なんでだろ。



と考えてみたのですが、やはりアレですかね、自己愛の持ち方の問題なのでしょうか。
自分がヒロインでなければならないとなると、自分と同化した仲間以外はテキ、となってしまうのですかね……。
私にももちろん自己愛はバリバリ強烈にあるのですが、そーゆーふうには発現しないので、よくわかんないなーと思う今日このごろ……。



(結論でないしー)





どうもこんばんは、わたくしです。
ここ数日は日常で唯一のなごみタイムである通勤電車でさえ勉強に追われ(しょせん付け焼刃の学習ですが……)、読書のできない悲しい日々をすごしていましたが、ちょっと復活してきましたよ! ていうか勉強に飽きただけですけどね!! ←ダメすぎ



ところで、先日ちょっとおどろいた出来事が――
実家へ帰り、犬と散歩をしていた時のことです。


22


そもそも、うちのこの犬↑、老犬(11歳)のくせに馬鹿みたいに元気で、台風が来ようがギラギラ炎天下であろうが何が何でも外へ行きたがるのです。
よそさまの繊細な犬は、雨が降ると外に出たがらなかったりする(ありえん……)そうですが、
うちの場合は雨の日も風の日も夏も冬も、とにかく365日年中無休で一日二回の散歩を欠かさず、
そして老犬とも思えない勢いで走ったりするのです。が。



……ここへ来てようやく、老いによる衰えのきざしが!!



「ど、どうしたの……?」
いきなり腰を落とされての「この先は行きませんYO!!」アピールに、驚くわたし。
性格がよくないのはさておき、散歩中にそういうワガママをしたことはない犬です。


行動の意味がわからなかったために、
「ほらー、行くよー?」
とリードを強く引っ張ってみたのですが、しかし何がなんでも動こうとしない。


「? なんなの? 帰りたいの?」
「ワホッ!!」


私が来た道を戻ろうとすると、立ち上がって機嫌よくチャカチャカと歩き始めます。
べつにどこかが痛いとか体調が悪いというわけでも無さそうです。
(なんなんだろう……)



家に戻って母に尋ねたところ、
「ああ、最近そうなのー。この子ねえ、帰りを自分で決めるようになったのよね」
という返事が。
「……そうなの?!」
「そうなの。昔はいつまででもどこまででも遊びに行きたがったのに、トシなのねえ~」
「そ、そうなんだ……」



というわけで、どうやら「自分なりに散歩の折り返し地点を決めるようになった」様子。

子犬のころから育てた飼い犬の老い、というエピソードを迎えに来た旦那に感慨深く語ったところ、
「え?」
足元にまとわりつく犬に目をやって、
「……犬ってそういう生き物か? 疲れたら座り込むとかじゃなくて、自分でそーゆーこと決めるもんか?」
という意外な返事。



「それってさー……」
さらに興奮して自分の足にじゃれかかる犬を疑わしげに見て
「おまえはそーやって愛情にくもった目でなんでもイイ話にするけどさ、要はこいつが勝手なヤツってことなんだろ……?」
と呟きました。



(いまださわらせてもらえずに、自分勝手な犬に一方的にさわられている旦那からの指摘……)




現在はカナダ住まいであるハリー・バーネットは、母の死によって郷里を訪れる。
そこで偶然のように待ち構えていたのは、青春時代の一時期を過ごした空軍の旧友たちとの同窓会だった。
<クリーン・シート作戦>――懲罰逃れと引きかえに集められた、わずか三ヶ月の学習実験での仲間たち。
しかし次々と不可解な事故が起こり、一人また一人と仲間たちは命を落とし始める。


退屈な学習の日々の思い出しか残っていない自分の記憶は、果たして真実なのだろうか?


還らざる日々 上 (講談社文庫 こ 51-12)/ロバート・ゴダード
¥920
Amazon.co.jp


還らざる日々 下 (講談社文庫 こ 51-13)/ロバート・ゴダード
¥920
Amazon.co.jp



かつての実験場所であった古城での同窓会。
次々と殺されていく仲間たち。



「自分の記憶は正しいのか?」と主人公が自分自身を疑うようなサスペンス――になれば面白かったのですが、本作は何故かそうではなく、「殺人犯の疑いをかけられちゃった!」という方向のサスペンスなのですよね。
それなのに、現れる必要もなさそーな登場人物が事件解決後も再登場して思わせぶりな発言をするために、最後の最後まで


「え、忘れてるだけで、この主人公が犯人じゃないの?!」

と無意味に疑いつづけてしまった自分……。
おかげでエンディングのあたりが上の空になってしまいましたよ(どう終わったんだっけ……)。



そんな誤解もこんな誤解も、この主人公がシリーズ三作目の主人公であると知っていれば避けられたハズなのですが。
出版社が違うので表記できないのでしょうか。



それにしてもなー、私は「蒼穹のかなたへ」(97年出版のハリー初登場作品)を読んでいるのですが、その私でさえ思い出せなかったこの主人公。作者であるゴダード本人にとっては思い入れのあるキャラクターなのかもしれませんが、再び起用するほどの魅力がどこに……いったいどこにあるのだろう。
解説の方が「アンチ・ヒーロー、骨のあるダメ男」と上手い表現をしていますが、前半部分はともかく後半は同意しかねるような……骨のある……そうかなあ、骨のあるダメ男かなあ。事件は勝手にころがって解決したようなものだし、犯人を撃ったのも別の人物だし、このひと何か役に立ってたっけ?



そもそも、ゴダード作品というのは「先の展開が気になって」「長編をグイグイ読ませてしまう」タイプの物語が多いのですが、最後にいつも「で?」と思ってしまうのですよね。
さんざん長い物語を読んできたけど、それで何が言いたかったんだ? と思ってしまう。
これがハデハデな作風のジェット・コースター小説であれば「ああ、そうやって楽しむエンタメなのね」と思うのですが、なまじゴダード作品は全体のトーンが地味でリアリティーがあるので、

「何かもっと語るべきテーマがあるのでは?」→「べつに何も無かった」

という落差に大変な失望を覚えてしまうわけなのですよね……まあ、これは私だけかもしれませんが。



ただ、本作の場合は「主人公の疑いが晴れる」という分かりやすいカタルシスが存在するので、それほどいつものガッカリ感はありませんでした。
設定がたいへん面白い本作。でもなー、これがハリー以外の主人公であったならなあ、としつこく思うわけですが。



それにしてもハリー69歳(しかし新婚で幼い娘アリ!)という年齢設定には、味のある設定うんぬんというより現実の高齢化が物語世界にまで押し寄せているようで、ちょっと恐ろしい気がしましたね……ハリーは携帯電話を持っていないそうですが、らくらくホンみたいなのを持つといいよ! ←アドバイス

 




goldcoast


気がつかないフリでやってきておりますが、
毎日更新が珍しくないブログ界にあって、今月は4回しか更新していないココ。



のぞきに来てくださる方には、ホントーに申し訳なく……すみません、ろくに日記も書かないような愛想のない管理(してないけど)人で。



あのー、私にもやはり「聞いて聞いて!」という乙女心みたいなものはあるのですが、
この「聞いて聞いて!」→「日記をかく」という行為へたどりつくまえに、



「聞いて聞いて!」→「いや聞きたい人なんているか?」→「どうせ日記なんて自慢か自虐の発露でしかないしなー(←なにこの暗さ……)」→「まあいいか、今回はやめておこう」



という逆らいがたい流れがあって、どうにもこうにも向こう岸にたどりつかないわけなのですね。
女子力、というものがあると仮定すると、いますごくその女子力が下がっている気がする……。



そういうわけで、基本的に何の近況報告もないここですが、

もーちょっと復活してきましたら、たのしい日記なども書いてみたいなーと思います。




メール投稿です。こんばんは!

ところで本日ショックな出来事が。


高速道路のサービスエリアで、ひとさまの連れている犬を見た旦那が
「わー、あの犬なんだろう!」
と言うので、
「バセンジーだよ」
と教えてあげたところ、「そういうの犬飼ってると誰でも知ってるもの……?」と聞かれました。

なんだろう、このそこはかとない変質者あつかい。

えー!!
ふつーだと思います。犬飼いとしては。

高野部長をねらう美人シェフ葵に「やり方がずるいんじゃないですか?」と立ち向かう蛍。
しかし彼女に「自分の立ち位置もはっきりさせずに、あの家に居座るあなたのほうがズルくはないの?」と切り返されて――

ホタルノヒカリ 12―IT’S ONLY LITTLE LIGHT IN MY LIFE (12) (講談社コミックスキス)/ひうら さとる
¥420
Amazon.co.jp



おお、そうですよねえ。
葵さんの言うことはごもっとも。
蛍ちゃんはですね、要先輩もあっさりと指摘するとおり

「部長とハッキリ恋愛関係になる覚悟もなく」

「居心地のいい場所にとどまりたいだけ」

なわけで、「そーゆー女に男を縛る権利はないわ」なのですね。
私もこのあたりはふんふんと同感するところで、しかし「手に入れるつもりはなくても他人に渡したくない」というワガママな独占欲も分かるなーと思っていたのです。が。



この先が超展開!!



ええっ……いまさら……いまさらそんな。
今になって、部長がかがやいて見えるよーになっちゃうって、蛍ちゃんそんな!!
あげくに「この気持を自分の一番苦手な『恋』と名づけるのがこわかった」って、蛍ちゃんいまさらアンタ何を?!



ちょちょちょ、ちょっと待ってくださいよ。
なんだそりゃー。



一見おかしくない理屈のようですが、なんかすんごいだまされたような納得できないものを感じるのは私だけですか。
いまさら高野部長のことを好きでしたと言われても。
マコトくんが去り、グダグダな同居生活に舞い戻った今になって言い出されても。
なんだそりゃ。




いえ、現実問題としては、身近にひとり残った男性を見直して「スキかもv」となることはあると思いますよ。
人間て弱い生き物で、愛情をそそぐ対象が欲しいわけで、べつにキラキラかがやく一目ぼれだけが恋ってわけではないと思いますよ。



でーもーさー、
この物語のテーマはどうなっちゃうので?
今まで語ってきた物語は何だったので?




やはりですね、この物語の場合、
王子様のよーな年下彼氏・マコトくん(←干物な自分をムチ打って無理をしてでも一緒にいたい相手)と、こうるさい上司・高野部長(しかし思いやりがあり、自然体で暮らしていける同居人であったりする)のどちらを選ぶ?
というのがキモであったと思うのですよねえ……。

なんだかねえ……それが消去法で高野部長がただ残ったかのような、読み手としてはそういう印象を受けるわけですよねえ。



それにしても、蛍ちゃんは今後どうするんだろう。
同居人には同居人なりの距離感が大事なわけで、「勇気を出す」のなら、まずその家を出て行くべきではないかと思うのですが。
と思う私のアタマがカタいのでしょうか(だってさー、同居人にとつぜん迫られたら困るよなー……)。



1991年、ニュージャージー沖で発見されたUボート。
艦内の遺物を引き上げても、戦時中の記録を探しまわっても、沈没した潜水艦の艦名を特定することは出来なかった。

この海域で撃沈されたUボートは存在しないはずなのだ。


海底に横たわるその巨体は、何者なのか?


シャドウ・ダイバー 上―深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち (ハヤカワ文庫 NF 340) (ハヤカワ文庫 NF 340)/ロバート・カーソン
¥735
Amazon.co.jp

シャドウ・ダイバー 下―深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち (ハヤカワ文庫 NF 341) (ハヤカワ文庫 NF 341)/ロバート・カーソン

¥735
Amazon.co.jp


 
本作は、レック・ダイバーたちの6年にわたるUボート(大戦で活躍したドイツ海軍の潜水艦)追跡を扱ったノンフィクション。


そもそもレックダイビングとはなんぞやと言うと、通常の「もぐって水中を楽しむ」タイプのダイビングではなく、難破船(wrecked ship)を探索するためのダイビング。とうぜん深く深く潜り、危険な場所へと入り込むわけで、死ととなりあわせのハードな世界。
観光用のツアーなどもあり、ポイントにより難易度はピンキリではありますが、本来は「よくそんなアホーな真似を……!!」という、ものすごく危険なスポーツなのです。



というわけで、ここに登場するレック・ダイバーたちも、以下のとおり、ちょっとアレでイッちゃってる男たちばかり。



まず、伝説のレック・ダイバー、しかし今は酒びたりのビル・ネイグル船長(ダイビング用のチャーター船で生計をたてているとゆーのに、、素人な客をののしったりする問題児)。
 


ネイグルを慕う職業ダイバー、チャタトン(イケメン硬派ダイバー、事実上のリーダーで、この物語の主役的存在)。


マジメなチャタトンと衝突する、情熱系暴れん坊ダイバー(なにそれ)コーラー。




いいですね~いい配置ですね~この人間関係。
この三人だけでハリウッド映画ができそうだ。
しかし本作はフィクションではありませんので、彼らの行く手にはネイグルの死という、残酷な結末が待っていたりするのですが……



「あの男はビル・ネイグルじゃない」
チャタトンは葬式に出たがらず、こう言うのです。
「あの男が、おれの友人を殺したんだ」


尊敬していた偉大なダイバー、とうとう立ち直ることのなかったネイグルに対する、やりきれない思い。

……というのはあくまでサイドストーリーで、実際のところはUボートをめぐるナゾがメインなのですが(忘れてた……)。




しかし、本作のUボート探索などを見ても思うのですが、どのような世界であっても、よろこびの一瞬を支えているのは、ながーい地味ーな作業なのですよねえ……。
Uボートの正体をさぐろうと、とうぜん実際に潜って艦名の記された遺物は無いかと探し回ったりもするわけですが、大部分は戦時中の記録を調べまわったり、過去を知る人物と連絡をとりあったりとゆー、すんごい地道な作業に労力がついやされるわけなのです。

それこそ、何年も何年も。
そういった惜しみない努力のできる人だけが、何かに到達できるのかもしれません。




本作は発見されたUボートの謎を追うミステリであると同時に、彼らダイバーの人生の物語であり、Uボート乗組員たちの青春の物語でもあるという、一粒で三回おいしい構成の、小説よりもよくできたノンフィクション。

この6年にわたる調査をよく再現したなーという、大変な労作です。


「すごく会いたい」諦めきれずに達也の部屋へ向かう絹恵。
笑い声とともに帰ってきた達也は、新しい彼女を連れていて――

どうして私だけがボロボロなの?


REAL CLOTHES

Real Clothes 5 (5) (クイーンズコミックス)/槙村 さとる
¥440
Amazon.co.jp




自分ばかりが相手に合わせている。がまんしている。○○してあげている。



……というのは、ふたりの仲がダメになってしまった今だから出てくる恨み言であって、
要は衝突するのがイヤで、勝手に相手の無言の欲求(これもなー、彼氏にしてみたら「我慢してくれなんて言ってない!」と言いそうな)に合わせていただけなのですよね。
私はわりと自分がそういう人間なので、このあたりの気持ちは分かるつもりなのですが……、



嫌われるのがこわい。
いらないと言われるのがこわい。



臆病な人間にとっては、「自己主張する」よりも「じっと我慢する」ほうが、ずっとずっとラクなのです。


小さな不満をしまいこみ、相手にはいい顔をして見せて。



でもなー、そんな関係はつづかない。

まあ女性にかぎった話ではないのですが、恋愛話などでよく「こんなことをされた」「あんなこともあった、ひどいでしょう?」とパートナーの傍若無人さを友達相手に訴える人がいるけれど、それはさー、相手が悪いというよりも、そんな振る舞いをされるような関係を築いてしまった自分に責任があると思う。
その「ひどいでしょう?」は相手に言うべきなのだと思う。



陰でグズグズ文句を言うような、誇りのない女はダメだ。



……というわけで、私はこの主人公の別れた彼氏である達也が「ひどい男」であるとは、まったく思えないわけですが。
そしてこの主人公が言うように「いつか自分にぴったりな人があらわれる!」のかどうかも疑問ですが(その考え方そのものが、すでにダメな気がする……)。




しかしようやく本来のテーマである「お洋服のおはなし」に戻ってくれるようなので、ホッとしたしだいです、という5巻。


(ところでこの作品はドラマ化するみたいですが、えーとアレは連続ではなくて単発のドラマなのかな?)