サトウユウイチのごすぺる放浪記 -826ページ目

英語と日本語

 「芸術の秋」の名のもとに、
 毎週のように合唱団やブラスバンドなどの演奏会が各地で行われる季節となりましたが、皆様いかがおすごしですか?
 とあるブログによると「上手なテノールは稀で貴重な存在」だそうです。
皆さん僕をもっと大切にしてください。(笑)

☆☆☆☆

 冗談(?)はさておき、先日別のブログで面白い記事を読みました。
 アメリカ在住の女性が書かれているブログなのですが、彼女が好きな日本のシンガーの英語にがっかりしたという話からはじめて、日本人歌手がアメリカで成功するには言葉という大きな壁があるという話でした。
 この話にインスピレーションを感じましたので、今回はこの話題を掘り下げてみたいと思います。

 なぜなら、これは私にとっても切実な問題だからです。

☆☆☆☆

 私の所属している合唱団は平均年齢が60歳。
 みな英語で話したことも、話そうとしたことも無い人達ですが、それでも、この先1年間の間に英語、ラテン語、そしてドイツ語の歌を歌う予定。
 日本では外国語の歌を歌わずに合唱を続けるのは不可能です。

 そればかりでなく、合唱に限らず邦楽以外の歌手はすべて、英語やその他の外国語で歌うことから逃れられません。

 いまから150年ほど前から、日本は国の運営から食べるもの着るものに至るまで、ヨーロッパやアメリカの文明を積極的に輸入し続けて来ました。
 もちろん音楽もそのひとつ。
 日本は音楽の輸入大国なんです。

 ただし、歌詞のある「歌」の輸入にはひとつの問題がつきまといました。
 言うまでもなく、言葉の問題です。

 英語とイタリア語、スペイン語などはすべてラテン語が起源ですから、みんな従兄弟のようなものなのですが、英語と日本語は文法から発音、イントネーションにいたるまで、まったく違う他人のような存在です。
 輸入した歌の歌詞を日本語に置き換えるのは、根本的な部分で無理があるのです。

 そこで、昔から外国の歌を歌うためには2つの方法を取る必要がありました。
 原語のまま歌うか、多少無理でも日本語の歌詞をつけて歌うかです。
 そのため、原語の発音にはうるさいことを言わないのが暗黙のルールでしたし、日本語の歌詞も必ずしも直訳ではなく、全く関係ない歌詞がつくこともありました。

☆☆☆☆

 ラテンやジャズを輸入した頃までは、それでもなんとかやってゆくことができたのですが、ロックが輸入されたときにファンは切実な問題に直面することになります。

 「ロックは不良の音楽」とされ、ビートルズですら聴く人は白い眼で見られたというのですから、当時のロック・ファンがどんな人達だったか、わかりますよね。

 ロックの曲をすべて日本語で歌うなどという野暮ったいことを、格好をつけることに命をかけてた不良たちができるはずもなく、かといって正しい発音を身につけるため地道に勉強するわけにもいかず、かっこ悪い日本語で歌うか、かっこ悪いカタカナ英語で歌うかという、究極の選択を迫られた結果、生み出された日本音楽史に輝く世紀の大発明が、

日本語で歌ってサビだけ英語で歌う

というスタイルだった‥と、言われています。

ファンキー・モンキー・ベイビー/キャロル

¥1,450
Amazon.co.jp

 

☆☆☆☆

 こんな感じで日本語と英語が混ざったスタイルが今日まで続いているわけですが、輸入の点ではさすがに歌詞がすべてのラップを輸入するわけにもいかず、最近は少し様子が変わっているみたいですね。

 最後に、これを読んでくれている合唱仲間にぜひ聞いてみたい。
 原語の歌を歌ううえでの苦労談、失敗談などを教えてください。
 きっと皆、ひとつかふたつはあるでしょう?

それではまた来週。




おまけ

いくらなんでも、この人達の英語ならアメリカでも通用するだろう!

というか、通用してほしいと思っているシンガー2人