私は彼に言った。


世の中のあり方として、本当の正解はあなたが彼女の所に戻ることだと思う。

私のことが好きで一緒になりたいと思っても、子ができてしまったのなら、それも経済力のない母親なら、例え好きでなくても家族として住んでいくうちに情がわいてくるように、スタートしてみるしか仕方がないと思う。

世の中、子だけのために一緒に暮らしている人たくさんいるよ、みんな我慢もしている、それをとるのが自然、

私と結婚してもあなたのDNAは残らないかもしれない、

それより確実に残ったDNAを守るのが役目ではないの?

私はそれが正解だと思うから大丈夫、そうしていいのよ、


と言ったら、



『そんなことは僕だって考えたよ、でもそれはできない。

彼女のことがだんだん嫌いになるんだ。

妊娠した時は反対したけど、彼女が産むと決心してしまってからはどうにかこの人を愛せないか?子供ができたんだ、子供だけでも愛せれば一緒にやれるかもしれない。

前妻との子と別れるとき本当に辛かった、その代わりとして愛せないか、

yuriと結婚したら子は望んでいないからもう最後の子かもしれない。

どうにか愛せないのか、と僕も散々考えたよ、ベビー用品を買って送ったりしてみた、でもやはり彼女の子だと思うと、愛情がわかないんだ、

自分でも本当に不思議なんだけど、子供が本当に欲しいのだけれど、この人のこの子にはどうしても、自分の子という気持ちがもてなかった。

だからもう別に生きていくしかないと諦めた。

自分でも本当に不思議なんだ、どうしてだめなんだ?という気持ちなんだ』という。



彼が私と付き合いながらも子供を受け入れられないか努力していたことがわかり驚いた。

が彼も苦しんでいるのがよくわかった。

子供に愛情をもてない親も苦しい。



年末彼は私の親に会いたいといった。

両親は年の瀬に会いに来るという突然の話にも快く応じてくれた。

彼は、『結婚を前提にお付き合いしています』と両親に言った。

両親はよろしくお願いしますと、笑顔だったが、その横で私は複雑だった。

この人達も騙すのか・・・・・・・

いや、この人達にこそ、知られてはいけないのだ・・・・とも思った。


その夜、私のマンションに来た彼にとうとう私は切り出した。


『これから話すことはあなたを責めているわけではない、お互い良い方向にむけるための話だから、正直に全てを話して。

責めることが目的ではないのよ、上手く超えるにはどうしたらいいかなの

と私が言ったら

え?なんのこと?   という顔をした。

私はソファーの彼の隣に座り、手を握って目をじっとみながら、私に黙っていて辛いことがあるのでしょう?

子供が生まれたのでしょ?その子をどうする気なの?というと、


え?なんのこと?とかなり動揺した。


私悪いけどメール全部見てしまったの、全てを知っているの、どういういきさつであーなって、どう思っているのか、私にちゃんと教えて!と言った。


握っていた手はどんどん汗ばんできて、ようやく話し始めた。

『その人ともお見合い会のようなもので出会って、初めて会った日に“帰りたくない”

と泣かれて、一晩を過ごした。もちろん結婚前提で付き合い始めた、しかし付き合っていくうちに、彼女がプロフィールをごまかしているのがわかり、話もあまり合わなかった、やはり自分の求める人ではない、この人ではないとわかった頃、妊娠してしまった、僕は結婚もできない、これ以上付き合いもできない、子供も認められない、とyuriと知り合う前にきちんと彼女に話をした、そして中絶を勧めたけど彼女はどうしても生むの一点張りでどうにもならなかった、一人で生んで育てる、迷惑はかけない、私も問題であなたには関係ないと言った。彼女は大手保険会社に勤続15年、今の職をやめて住み込みの仲居さんをしながらでも一人で育てると現実離れしたことをいうので、職を辞めなくてもすむようにアドバイスをしたり、お金を送ったりはしたけど、全く愛情はない。メールとお金だけの関係で、妊娠騒動の時に会っただけで、その後会ってもいないし、子供もみていない』 

という。



どうしてそんな大事なこと、私に隠して親に会わせたり、婚約しようとしたりするの?

子供が生まれたのは8月でしょう?

と言ったら、メールを見るとは思わなかったんだ、出産しても会いに来てほしいとメールはきたけれど、その後は何も言ってこない、認知しろともいってこないし、このまま僕達の生活に支障がでるとは思わなかった、yuriを失いたくない、隠し通さなくてはいけないと思ったんだ、、、、、





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彼が大阪に帰って1週間、電話がいつもどおりかかっていたが、普通に話すようつとめた。

しかし、心の中ではぶつけた方がいいのか、それとも黙っていた方がいいのか、悩み続けた。


私は一人でも生きていかれる程度仕事もあり、年収も1000万以上楽にある。

こんな思いまでして、隠し子までいて、この人と一緒に居る意味があるのか?

一人で歩いていけばこんなに辛いこともないのだから・・・・・・と思った。

今までだって結婚はする気にはなれなかったけど、付き合っている男の人がいなかった時期はほとんどない。

誰か他にいい人ができたら、また結婚を考えればいいんだ、なにも今ここでこんな険しい道を選ばなくても・・・・・・・と思う気持ちと逆に、

私と会う前のことなんだ、交渉は私と会う前には終わっているし、会っている様子もない、子供も見にいってない。

このまましらんぷりするのか?

もしくは今までの私どおり、白黒はっきりつけないと気がすまないのか?

向こうは私に隠している事が辛いに違いない、ここで責めても子供がいなくなるわけではないし、どうにかこれを乗り越えられないか?

私が知らない振りをしていればこの人が上手く片付けてくれるのではないか?

なにもここで騒ぎ立てなくても彼には私に隠すという苦労をしてもらい、私は知らん振りのお気楽を決め込もうか、とても悩んだ。


私は友人に何気なく相談した。

いつも色んな問題を白黒つけて汚いことが嫌な私を良く知っている男の友人に聞いてみた。

このまま知らないふりを決め込むのはどうか?とたずねてみた。


彼は言った。

大人のおもちゃを見つけたくらいなら、我慢しな、誰にも迷惑をかけるわけではないから。

でも今回のことは大人のおもちゃとは質が違う、人間だよ、これを黙っていられる?

お互い心に闇をもって生活していくのは辛いよ、一生黙って知らないという嘘を突き通せるの?なにかの拍子に出てこない?と。


私もこれを二人で乗り越えないと避けて幸せになる、幸せな振りをするのは偽りだと思った。

ここで二人で成長しないと先はないと思い、1週間考えた後、年末上京する彼に話をする決意をした。






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