ロマン・ポランスキー「Rosemary's Baby」(1968)137min.
「ローズマリーの赤ちゃん」ー。昔映画館で観た時も<恐怖>よりも<不安>についての映画だと思った。ポランスキーは現代の不安を生きてきた男である。ロマンは34歳だった。
DVDの特典映像に「Rosemary's Baby A Retrospectine」(2000)がついていて、それが面白い。
ロバート・<ボブ>・エヴァンスRobert Evans (Producer And Former Worldwide Head of Productino Paramount Pictures)がポランスキーの前作「袋小路」と「吸血鬼」をかっていて、監督に推挙した事実が語られる。
ドリス・デイの映画のように始まる・・・と美術監督ディック・シルバート。彼はNYの“ダコタ・ハウス”を見に、ロマンを連れてった。不気味な建物は冒頭から活かされてる。
ロマンにとって原作がある初めての映画。そして初めてのハリウッド進出。
ローズマリーの妄想かどうか最後まで明かさない。ロマンの脚本が素晴しい、筆力があるとボブ。
(WRITTEN FOR THE SCREEN AND DERECTED BY Roman Polanski)
Mia Farrow を推薦したのはボブだった。テレビでアメリカ中に愛されてたミア。神秘的な資質をボブは見て取ってた。
ジョン・「暴力波止場」・カサベテスはロマンの推薦だった。
トニー・カーチスが電話の声の出演ででてる。これはロマンのイタズラ心から。
映像技術に精通してる、キャメラマンよりレンズに詳しい、とロマンは美術監督ディックに語られる。
「彼こそ本物の職人(クラフツマン)よ」ーもう一本のメイキング「Mia and Roman」でミアは語る。
そのメイキングには、故シャロン・テート夫人も一瞬姿をみせていた・・・。
ポランスキーの「戦場のピアニスト」を再見
劇場公開の時に観て、感動した。昨日、何年か振りにDVDで再見した。
スピルバーグの「シンドラーのリスト」を観た後、この映画を再見したくなった。
ロマン・プランスキーは饒舌ではなかった。寡黙といていい。演出やキャメラのオペレーションが抑制されている。決して華麗ではない。
しかし静かにクレーンで上昇し、破壊されたワルシャワの街並みを映し出す場面など、息を潜めて見る気配を感じさせる。固定ショットも多い。エドリアン・ブロディ演じるシュピルマン(ピアニスト)の隠れてる部屋から見下ろされたシーンの時間的な推移の中に、街が戦火で荒廃してく様が描かれる。決してドラマティックでもなく、鼠のように逃げ回る。生きるとは喰うことだと言わんばかりに。
ポランスキーといえば、「水の中のナイフ」以来、テクニシャンだった。
彼にとって両親の悲劇を追体験するこの映画の製作過程は、苦痛の伴う場面が多々あったに違いない。
しかし七十歳台にして、彼は歴史の悲劇を映画に定着した。
ショパンの音楽がここでは世界言語となっている。
悲しみは語りえない。
しかし語らなければ、後世に残せない。
死して語りえない者たちが、如何にして殺されていったかを、語る執念がそこにはある。