何事もなかったような声。
「元気だった?」
「うん」
何日も泣いて。
どうして?って呟いて。
頭の中を灰色のモヤモヤが覆った。
でも声が聞きたかった。
「それでさ」
「うん」
話してたらモヤモヤは消えていく気がする。
楽しい思い出。
そうだ嫌な記憶は消せばいい。
その言葉を言わないでくれたら。
「ごめん」
10/29 「電話を切った」
★★★★★★★★
学校カバンはひとつだけ。
スポーツバックは置いてきた。
なのにどんどん腕が重くなる。
見ると右手にはレジ袋。
ネギが飛び出てる。
左手にはお米の袋。
これって夢だ!
目を開くと天井に私の顔があった。
口が動く。
鏡じゃない。
「おばあちゃん起きた?」
私はおばあちゃんじゃない!
必死で目を堅くつぶった。
11/1「悪夢」
★★★★★★★★
「なぁ。俺たちもう、おわ」
とっさに口をふさいだ。
「終わりにしよう」なんて言わせない。
聞きたくない。
嫌いになったの?
飽きたの?
それとも他に誰か?
ひょっとして友子?
そうだ。
そういえば友子は昨日おかしかった。
「ねぇ友子なの?」
聞けない。
いや、聞いてももう答えられない。
そう、彼はもう。
11/6 「おわり」
★★★★★★★★