「これ持って行きなさい」
母さんに渡された物を持って家を出た。
美貴
ちゃんは校庭で待っていた。
「いつ引っ越すの?」
「・・あした」
言葉が浮かばない。
「これつまらない物だけど」
何言ってるんだろ。
「開けていい?」
美貴
ちゃんの笑顔。
「うん」
開けられた物を見て顔が青ざめた。
「なにこれ、海苔?」
10/20「さよなら」
「ぷっ」美貴ちゃんが突然吹き出した。
私はビックリして顔を見る。
その様子がおかしいのかまた美貴ちゃんは笑った。
私もつられて笑いたくなった。
「だってさ海苔だよ、海苔」
「だよね」
笑顔で言えた「さよなら」って
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「ただいま」
声に出してみる。
誰も答えない真っ暗な部屋。
そのまま立っ
ているとやがて見えてくる。
机の上の白い紙。
「お母さん!?」声に出してみる。
いるわけないのに。
家中の明かりをつけて全ての扉を開いた。
「いるわけない
よね」
白い紙には「旅行にいくね」とだけ。
かすかにお母さんの香りがした。
10/22「またひとり」
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少しずつ降り始めた雨が髪を濡らした。
小屋にはウサギの姿はなかった。
鍵が掛かっていたのに。
「どうしよう」
餌を持ったまま悩んでても仕方ない。
教室に入るといつも遅刻する二人がいた。
「おはよう」
返事もない。
「あの
さ・・・」
言いかけた時ひとりが立ち上がった。
「兎の事なら知らないよ」
「え?」
10/26「それって知ってるって事だよね」