「本当か嘘かは試さないとわかんないんだ」
ケンちゃんは大事そうに抱えたやかんを置いた。
僕は口の端がピクピク動くのを必死で抑えていた。
だってこの薄汚れたやかんが魔法のやかんだなんて言うんだから。
しかもお年玉全部使って買ったんだって。
「僕は信じる」
そしてケンちゃんはやかんを擦り始めた。
1/20「魔法のやかん」
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「ただいま」
声が聞こえた
帰ってきたんだ
嫌だ悲しい憎い殺したい死ね
黒い感情が白かった雲ばかりの空を埋める
でも動けない
そして
なにこの気持ち認めたくない感情愛しいの私?
ミルクがお皿に入れられて
目の前に置かれる
「ただいま」
「鳴かないの?」
「ニャー」
これがこいつの魔法だ
2/4 「監禁」
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外から声が聞こえた。
聞いた事のない声。
お母様とも婆やとも違う低くて太い声。
子供の頃に聞いたお父様の声に似ている。
窓を少し開けて下を見ると見たことのない人がいた。
「君は」
黒い大きな目が私を見ている。
私は急に怖くなって窓を閉めた。
そうだお母様が言っていたっけ。
外には怖い人がいるって。
2/7「外の世界は終わりを」
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「あの人がこないんだ」
口に出すのが怖かった。
寒くて寒くてコートを着ても何枚服を着たって震えは止まらない。
「誰だよ?」
温度が違う。
男はダメージを受けないんだ。
「人じゃない」
言っても何も変わらない。
欲しい物はそんな物じゃない。
でも悔しくて言葉が勝手に飛び出すの。
「男にはわかんないよ」
2/14「お腹が痛くなるの」
