非通知。
普段は出ない。
でもなぜだろう。
「もしもし」
「・・・私はあなたを信じます。
だから公園に夜9時に来てください」
なんだ?
「誰?」
切れた。
約束の時間。
わかんないけど家を出た。
信じたわけじゃない。
そして誰も来なかった。
消防車が横を走る。
胸騒ぎと一緒に焦げくさい匂いが漂ってきた。
10/4 「非通知」
**********
やり直し。
またやり直し。
ただ歩くだけじゃん。
どこがダメかわかんないよ。
「ママみたいになりたくないの?」
なりたい。
そう言わないとママが離れていくって思ったから。
足が棒になっても歩くから。
だからママずっと居て。
私を捨てないで。
「やっぱりダメだったのね」
ミス日本には簡単にはなれないね。
10/5 「ママの夢」
*************
相変わらずNは痩せていて目だけが鋭く暗い。
「できた?」
Sが言うとNは楽譜を取り出した。
Sは手に取り指で机を弾く。
「いいねこれ」
Sが言うとNは指を見ながら言った。
「倍にしてくれますか?」
Sは楽譜をNに投げつけた。
「甘えんじゃないよ」
いつもは諦めていた。
俺だって。
Nは手に力を入れた。
10/8「聞こえない作曲家」
******************
公園の木のそばのベンチ。
そこに午後3時にバックを置け。
バックには50万円の入った封筒を入れろ。
「なんでそんなことしなくちゃいけないの?」
お母さんは私じゃないとわかったのに封筒にお金を入れた。
バックも用意してる。
「あなたじゃなくても誰かがさらわれてるのよ」
もう2時半を過ぎていた。
未発表 「誘拐」
******************