「もう帰ろう」
少年は静かに言った。
「まだ帰りたくない」
そう言って少女は立ってぶらんこを漕いだ。
「一人で帰れば!」
つい強い言葉が出てしまう。
今日返された模試は最悪だった。
同じだけ勉強してるはずなのに少女は少年に追
いつけない。
少女はぶらんこから跳んだ。
そして月は大きな目を開いた。
9/17 「塾の帰りに」
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目を覚ますとお母さんはベランダにいた。
たくさんの洗濯物。
清潔な匂
い。
「起きた?」
「うん」
でも昨日はなかなか眠れなかった。
心のモヤモヤが邪魔をした。
「ちょっと触らないでよ!」
あいつに言われた言葉が何回も聞こえ
る。
そして黒い思いが胸に蠢く。
「お母さん、心も洗濯したらきれいになるの?」
9/20 「洗濯」
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「クイニーアマンって知ってる?」
おばあちゃんは?な私の顔を見て満足そうに笑った。
「一緒に買いに行こ」私は頷いた。
さわやかな青空。
天気予報も見ずに出かけた。
それはデパ地下のパン屋さんにあった。
「かじるとね、じ
わ~って味がしみてくるの」
いつのまにか私の口の中は唾液でいっぱいだった。
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外に出るとさっきの青空は嘘みたいに雨が降っていた。
せっかく買ったクイニーアマンも濡れてしまう。
それに洗濯物が出しっぱなしだ。
「はい、傘」
え?「持ってきてたの?」
おばあちゃんはにっこり笑う。
でも洗濯物は。
「大丈夫。隣のスミさんが入れてくれてるわ」
そう、それはまるで魔法みたいに。
9/26「くいにーあまん」
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