世界はとても小さくて | 蟻来たりでスミマセン(´ェ`*)

蟻来たりでスミマセン(´ェ`*)

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そっぽを向いていると見ろと言う。
見ていると何を見てると言って茶碗が飛んでくる。
耳を手で塞いでいると返事をしろと箸を投げられる。

捨てられた子猫の様に縮こまる。
そうしていればやがて父は一升瓶を抱えて眠るだろう。
窓の外夕闇の空を鳥が飛んでいく。
今日もまた一日が終わろうとしていた。

父から鼻息と動物のような鼾が聞こえてきた。
眠ったのだ。
静かにダンボールから這い出る。
座卓の上には数粒の枝豆が残っていた。
お腹はもう減るという感想を言わなくなっていた。
それはもっと痛みにも似ている物。

カタン
ドアの新聞受けに何かが入れられる音。
「おい」
男の声。
「しばらく預かっててくれ」
隣の男のひと?



「学校は?」
顔を上げると男が立っていた。
頬に傷がある。
そこは火傷したように皮膚が爛れている。
首を振る。
「2年生から行ってない」
ことば。
まだ口からそれは音になった。


「いじめられてたから、だから」
父がもう行かないでいいって言った。
嬉しくてその時は父に抱きついた。
でも母は反対だった。
そしてしばらくして母は出て行った。


「お前のせいじゃない」
男はそう言って私の頭を撫でた。
犬になったみたいに何も考えずに
いつまでもそうしていたかった。


玄関には封筒があった。
男が置いていった物。
何が入っているのか
預かって欲しいのだから
きっと大事なものだろう。
父に見られないように
埃のかぶった赤いリュックにしまう。


「んぐ」

父の声に驚いて封筒を落とした。
でも父は寝返りを打っただけだった。
安心して封筒を拾うと中身が出ていた。
それはタオルに包まれていた。
黒い塊。
それが拳銃だというのは私でもわかった。





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昨日140小説に書いて、このままで終わりにしたくなくて書きました。