長袖のシャツ、長ズボン、それに軍手。
完全武装したにも拘らず蚊に刺さ
れた。
まだ10分とたってない。
「ったく」
これも全部あいつのせい。
「後、頼むな」
あいつはそう言って出かけていった。
どうせまたパチンコだ。
ガサガサ。
音に驚いて振り向く。
「なんだ猫か」
だが猫の視線は私を捕らえて離さない。
6/7 「穴と猫の視線と」
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クニコは単車に跨るとエンジンをかけた。
ひさしぶりの感覚だ。
ミリが家
に住むようになって半年が経っていた。
寂しがり屋で泣き虫で。
でも礼儀はわかってるやつだった。
なのに挨拶もなしに「消えた」。
残ったのは1通のメールだけだ。
「ありえないよ」
クニコの呟きはエンジンの音に吸い込まれていった。
6/7 「感想文」
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安売りのチラシが目に入った。
隣町へ自転車をこぐ。
約15分。
ちょうど
雨はやんでお店の中もすいていた。
クーラーの風が心地いい。
目当てはお刺身。
たった100円。
「普通買うわよね」
見知らぬ人が話しかけてきた。
「はい」笑
顔で答える。
支払いを済ませて外に出る。
しかしそこに自転車はなかった。
6/11 「末路」