「お母さん」
娘がそっとドアを開けて私を呼びました。
中学を卒業するまでは夜一人でいる私に話をしに来ていました。
だからちょっと嬉しかったんです。
「どうしたの?眠れないの?」
ついその頃の話し方をしてしまい自分で笑いました。
だから娘の言葉は聞こえませんでした。
それは怖ろしい言葉でした。
7/18 「告白」
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私の家の裏は森だ。
杉の木がただ鬱蒼と繁り入る人もいない。
ある日私はその森の奥深くにそれを隠した。
学校を仮病で休んだから誰にも見られずに。
空はどんよりと曇り重い空気は少し臭った。
誰かに見つかるのが先か腐るのが先か。
そのスリルは日課だった。
罪悪感?
そんなものなかったのに。
7/20 「秘密」
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「もしもし」
懐かしい母の声。
でも一月前は殺したかった。
『やっぱりさ、ちゃんと家帰って学校行って。
で卒業したらさ、俺頑張るから一緒になろう。
迎えに行くよ。』
彼氏はマトモだ。
私は目に涙を貯めて頷いた。
「は?誰?」
帰るから。
マトモになるから。
だけどその言葉は泡になって宙に浮いただけだ。
7/21 「放棄」
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「ばーか」
「ばかって言う方が馬鹿なんだよ!」
妹が大嫌いだった。
なにかあるとお母さんの背中に隠れて。
怒られてる私に舌を出す。
いつもそうだ。
「お母さん私。帰ってもいいかな?ちゃんと手伝いもするから。」
母は無言だった。
考えてる?
その時妹の声がした。
「あんな事して許されると思ってんの?」
7/24 「電話」
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僕はキャンディを連れて外に出た。
彼女はいつもと同じ場所で鼻を鳴らす。
「雨降るかな?」
違うのは雲が黒かったぐらいだ。
突然キャンディが吠え始めた。
温厚な彼女には滅多にない事だ。
しかも僕の背後に向かって狂ったように。
「どうしたの?誰かいるの?」
しかし返ってきたのは女の声だった。
「はい」
7/24 「誰ですか?」