細すぎた。
腕も足も。
自分の足で立てないくらいに。
すぐに折れてしまいそうで。
食べることが嫌いになってた。
食べては吐いた。
何を食べても味がしなくて。
今は階段の途中。
まだ先は長かった。
「大丈夫?」
振り返ると男の子。
私の荷物を持って私の手を取った。
「がんばろう」
そう言って笑顔で私を見た。
5/8 「今はきっと階段の途中だよ」
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夕日はすでに落ちかかり辺りは静かに夜を迎えようとしていた。
「本当にいいの?」
少年がまた聞いた。
少女はぬいぐるみを抱いたまま頷く。
車を降りた少年がトランクから荷物を下ろすと
「ありがとう」と少女は少年に背を向け歩き出した。
「さよなら」
少年は少女の姿が見えなくなるまでそこに立っていた。
「簡単なアルバイトです」
少年は掲示板でそんな書き込みを見つけた。
「私を運ぶだけです。1回限り。ガソリン代込みで5万円。」
高校を出てから何もしてなかった彼にはいいアルバイトだと思った。
タクシーを頼めばいいのに。
なにかあるかな、とも思ったけど。
「やります」そうレスを入れ返事を待った。
木が生い茂った先に少女はいた。
「何してるんですか?」
「キノコをみつけたの。たっくさん!」
少女は嬉しそうだった。
「そうですか」
「食べません?一緒に」
そういえば腹が減っていた。
「もらおうかな」
「うん!」
少年が言うと少女は笑顔になった。
ここに送り届けるまで一度も見せなかった顔だった。
5/9-11 「樹海のきのこ」