2回目のプロローグ。
ページをめくりながら意識は回りを翔ぶ。
笑い声が聞こえてきた。
自分と年の変わらない女子高生3人。
「それでお母さんたらさ」
そういえば何日か前の自分もお母さんを話題にしてた。
だけどもう笑ってお母さんの事を話す事はないだろう。永遠に。
「可菜ちゃんへ」
テーブルにあった手紙。
「授業参観の後PTAの集まりがあるの。
なるべく早く帰るからご飯炊いておいてね」
今までこれほど何回も読んだ手紙はないだろう。
ご飯が炊けてもいくら待っても帰ってこない。
もう9時のニュースが始まっていた。
あ!帰ってきた!ドアの音
「なんだお父さんか」
「なんだってなんだ」
お父さんはムスッとして言った。
そして何もないテーブルを見た。
「母さんは?」
「まだ」
「まだって?」
「飯は食べたのか?」
言われて可菜はお菓子を食べただけなのを思い出した。
「PTAの集まりだって」
手紙を見せる。
お父さんはろくに読まなかった。
「なんだご飯は炊いたのか」
お父さんは冷蔵庫から漬け物と塩昆布を出し、ご飯を食べ始めた。
「電話もないのか?」
「うん、ない」
だって
「主婦だから家の電話で充分だ」と
携帯持つの反対したじゃん、と可菜は思った。
お父さんは新聞を見ながら食べながら言った。
「風呂入れてくれ」
可菜にはお父さんが心配してるとは思えなかった。
「お母さんまだ帰ってきてないんだ?」
お風呂から出て可菜は父に聞いた。
「あぁ。そうだ、明日ゴルフだから」
母は12時を回っても帰ってこなかった。
わずかな時間でも母のいない家はいつもより冷たくて寒い気がする。
「連絡もないないんだよ」
可菜は布団に入ったけど気になって仕方なかった。
「ただいま」お母さんの声がした。
可菜はベッドから飛び起きると階段をかけ降りた。
「お母さん!」
しかし姿はない。
「お母さん!?」
トイレ、お風呂、リビングどこにも見当たらない。
「そんな」
玄関は昨日と変わらない。
お父さんの靴がない。
「こんな時にゴルフ行くなんて」
可菜には怒りが沸いてきた。
お母さんの部屋はきちんと片付いてる。
そうだ、スーツケース。
お母さんがもし旅行に行ったんならないはずだ。
あるいはバック。
クローゼットを開けてみる。
あった、そこに。
「お母さんどこにいるの?」
口に出したとき家の電話が鳴った。
お母さんに違いない。
「もしもし?」
「可菜ちゃん?」
その声はまさしく母の声だった。
「お母さんはいません」
「お買い物?」
違います。帰ってこなくて。
叔母さん、お母さんはどこにいますか?
昨日雨は降ってないのに。
可奈の中ではもうずっと降り続ける雨で水は溢れる寸前だった。
「そう、です」
「じゃあ帰ってきたら電話するように伝えて」
唇が震えた。
もうダメだと思った。
つづく
(5/18更新しました)
そうだ、スーツケース。
お母さんがもし旅行に行ったんならないはずだ。
あるいはバック。
クローゼットを開けてみる。
あった、そこに。
「お母さんどこにいるの?」
口に出したとき家の電話が鳴った。
お母さんに違いない。
「もしもし?」
「可菜ちゃん?」
その声はまさしく母の声だった。
「お母さん」
可奈はそう口に出すところだった。
「今どこにいるの」って怒りたかった。
声は本当にそっくり。
でも母は「可奈ちゃん」とは呼ばない。
「おばさん?」
母の妹。声がそっくりで昔はよく間違えた。
「元気にしてるの?」
「う、うん」答えに詰まる。
次に聞かれる事がその言葉が予測できるから。
「お母さんいる?」
可奈はそう口に出すところだった。
「今どこにいるの」って怒りたかった。
声は本当にそっくり。
でも母は「可奈ちゃん」とは呼ばない。
「おばさん?」
母の妹。声がそっくりで昔はよく間違えた。
「元気にしてるの?」
「う、うん」答えに詰まる。
次に聞かれる事がその言葉が予測できるから。
「お母さんいる?」
「お母さんはいません」
「お買い物?」
違います。帰ってこなくて。
叔母さん、お母さんはどこにいますか?
昨日雨は降ってないのに。
可奈の中ではもうずっと降り続ける雨で水は溢れる寸前だった。
「そう、です」
「じゃあ帰ってきたら電話するように伝えて」
唇が震えた。
もうダメだと思った。
つづく
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