公園には誰もいなかった。
ぶらんこも滑り台も空いていた。
だが砂場は自転車が占領していた。
そこに倒れていた。
かごには黒いバック。古ぼけたスポーツバック。
「ねぇ。開けてみよっか?」
しぃちゃんはまるで許可を求めるように聞いた。
「だめだよ」
かなちゃんが答えるより早く彼女はチャックを開けた。
3/30 「黒いバック」
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その子供はよく似てると思った。
「へい、いらっしゃい」
「ネギマと皮とナンコツ」
「たれ?塩?どちらにしましょう?」
「うーん。タレで」
ずっと見ている。どこかで見た顔だ。
この主婦の客じゃなく俺を見てる。
「お待ちどお」
俺が客に言うのとその子に母親がかけるのが同時だった。
そうか。お前の子か。
3/30 「やきとり屋のおじさん」
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「ただいまー」
「おじゃましまーす」
智ちゃんに誘われた。初めて。
「あ、誰もいないから気にしないで」
すっごい物見せてあげるって。
それは智ちゃんの部屋にあるって。
「これ?」
「うん」
それは壁に空いた小さな穴。
500円玉くらいの。
「覗いて見てよ」
「うん」
ドッキンドッキン胸の音が大きくなる。
3/30 「穴を覗くと何が見えますか?」
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部活の帰り道。
後輩の美代と一緒だった。
「先輩聞きたいことがあるんです」
「なに?」
「先輩と健二先輩って付き合ってるんですか?」
「え?」
突拍子のない質問に答えに詰まる。
付き合ってはいない。
ヤツは親友だけど。
「じゃ、あたしにもチャンスありますね!」
なんでだろう。聞きたくない言葉だった。
4/1 「これから暑くなる」
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「忘れた!」
さっきから鞄の中を探してたミチが叫んだ。
「何を?」クミが聞く。
「○×π!先に帰って!」
もうミチは走り出していた。
「何言ってるかわかんないよー」
クミは笑いながら困った顔をした。
(あれはまずい。誰かに見られたら。)
ずっと走って学校に戻り、肩で息をしながら教室の戸を開けた。
4/1 「わすれもの」