140novel投稿(3/3-3/6)「和菓子」「彗星と血と」 | 蟻来たりでスミマセン(´ェ`*)

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ただいま」
母さんはもう家にいた。
「おかえり」
「早かったね」
母さんは早かったら悪いの?と言いながら笑った。
「そうじゃないよ」
僕は母さんを横目で見ながら
「ばぁちゃん、これ」とそっと祖母にお菓子を渡した。
祖母は子供のような笑顔で受け取り隠す。
母さんには止められている甘いお菓子。

祖母には毒だった。




「犯人は僕です」
警官に囲まれた僕は
たくさんのフラッシュを浴びながらパトカーに乗せられる。

祖母が死んだ。
僕の買った和菓子はじわじわと祖母を殺した。

「あなたのせいじゃないわ」
病院で母さんは僕に言った。
「おばあちゃんがあなたのお菓子を食べたんでしょ?」
そして僕はレシートを学校で捨てたんだ。


「という話を聞かされていたの」
よっちゃんは言った。
相手は学生服を着ていたって。
「電話じゃなかったの?」
「うん、マンションにいた」
でも私にはそんな人見えなかった。
よっちゃんはわかってるみたいだった。
「彼はおばあさんが好きだった。
おばあさんは和菓子が大好物で。でも食べちゃいけなくて」


3/3 「和菓子」


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夜こっそり家を出た。
天体望遠鏡を抱えて。
今日は彗星が接近する。
こんなチャンスはそうはない。
公園に入った。
やっぱり滑り台の上がいいかな。
階段を登り宇宙を見上げた。
冬の空気は澄んでいて星がない所がなかった。
他には何もいらないな今は。

「ねー?」
「え?」
「そこいい?」
女の子の声がした。


「あ、うん」
女の子が階段を登ってきた。
どうしたってここは狭い。降りようか。
「何してるの?あー」
彼女が望遠鏡に気付いた。
「彗星が来るんだ」
「へー」
「今日を逃すとあと20年見れないんだ」
「ふんふん」
この子どっかで見たかな。
顔をしばらく見ていたら彼女に気付かれた。
「覚えてた?私の事?」

結局、彗星に思いを馳せて夢の中にいる気分に浸る事はできなかった。
「あー流れ星」
はしゃいでいた彼女。
「願い事しちゃった」
そして次の日から僕と彼女は付き合う事になっていた。
半ば押しきられるまま。
「彼女いる?好きな人いるの?」
「いないならいいじゃん」って具合に。
だけど僕には無理だった。


ある日僕はきっぱりと別れを口にした。
「なんで?私が何かした?」
「そうじゃないよ」
僕は彼女を残してその場を去った。

それから1ヶ月が経った。
夜遅く僕は外に出た。
勉強で疲れた頭に新鮮な空気を入れたくて。
闇に浮かぶ公園。
なぜか人の気配がする。
近寄ると声が聞こえた。

「た、す、け、て」


駆け寄り彼女を抱き抱えた。
「大丈夫か?!」

腹部から血が大量に溢れていた。
「・・くん?」
「どうして?」
僕の手には血がべっとり着いていた。
「刺されたの。若い男」
どうしたらいい?
「そうだ救急車呼ばないと」
僕はポケットを探った。しまった、家だ。
「助けを呼んでくる」
「う、うん」
僕は走った。


「もういいかな。」
「そう?」公園に女の子がもう1人。
「寒いし、帰ろっか」血だらけの少女は立ち上がった。
「いいの?」「もうバカらしくなったよ」
「警察とか救急車とか大騒ぎになるよ」
「いい。帰ってシャワー浴びるわ」
そして二人は公園を立ち去り夜の闇に消えた。

遠くからパトカーの音が聞こえてきていた。




3/5-3/6 「彗星と血と」

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