ハクルさんと、SUKEのリレー小説の第7集です。
前回の(第6集)はこちら↓
卵型の時計もどきとドキドキする僕ら(6)―「僕ら」と「巡る時空事件」―
★=SUKE ☆=ハクルさん です。
それではどうぞ~
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☆
「見つけたぞ、貴様ら…ちょこまかしやがって!!」
「田中!!」佐藤さんのお母さんと僕の声が重なる。
「佐藤、この裏切り者が…。待ってろ、
その迷惑なネズミ坊主と一緒に処分だ」
田中の手には何か光るものが。
それを前に突き出してこっちに駆けてくる。
「危ない!」なんとか避けた。
逃げなくちゃ。
★
「こっちです!」
佐藤さんのお母さんの手を取り走った。
階段をかけ上がる。屋上の扉をあけた。
どこか隠れるところは?
だが奴の声がした。「もう逃げられないぜ」
田中の手にあるのは銃だった。
「最後だから教えてやるよ。この穴のおかげでな、俺は不老不死だ。
だから閉じさせるわけにはいかないんだ」
☆
「ならば、なおさらこの空間を封鎖しないとね」
佐藤さんのお母さんが負けじと言葉を返す。
「ふん、お前達はこれで終わりだ」
「1つだけ聞きたいんですけど」
「なんだ坊主」時間稼ぎに放った言葉。
ふと面白いことが頭に思い浮かんだ。
「この穴のおかげで不老不死なら、もしかして僕たちも?」
★
「ククク」田中は堪えたように笑った。
「そうだな、そうかもな。撃たれても死なないかもな」
そして田中は銃の引き金を引いた
。なぜか僕にはそれがスローモーションのように見えた。
銃から発せられた爆音。
一瞬目をつぶる。
僕は撃たれたはずだったのに。
「逃げろ!!」田中と格闘する男、佐藤刑事だ。
☆
あなた!」佐藤さんのお母さんが叫ぶ。
「大丈夫だ、なんとかなるさ。お前は先にその子と元の世界に戻っててくれ」
「…でも!…わかったわ」
佐藤さんのお母さんが僕の手を引いた。
「あっ…」僕は後ろを向いて刑事さんと田中を見た。
二人が見えなくなるまで佐藤さんのお母さんは振り返らなかった。
★
ドアを開けると光が差していた。たくさんの光。
「お母さん!」佐藤さんがお母さんの胸に飛びついた。
「よかった無事で」鈴木が笑顔で迎えてくれた。
その時だった。研究所に放送が流れた。
「警察より連絡いたします。この研究所からただちに退避願います!
爆弾が仕掛けられています!」
☆
佐藤さんのお母さんが素早く佐藤さんを離し、顔を引き締めた。
「あなたたちを安全な所に届けるまでが私の役目。逃げるわよ、行きましょう」僕
達は廊下を駆けていく。
警察と研究者の争いがあったのだろう、
様々な色の液体がぶちまけられ、壁に傷がついていたりした。
「もう少しで外よ!急いで!」
★
外に出た瞬間、地面がグラグラと揺れた。
「きた」鈴木が言った。
「早く遠くへ離れるんだ!」鈴木のお父さんが叫ぶ。
だけど僕はあの人が気になって仕方なかった。
佐藤さんのお父さん。
「ダメよ!」佐藤さんのお母さんが叫ぶのも構わず僕は来た道を走った。
なぜかあれ以降地面が揺れる事はなかった。
☆
僕たちは逃げてきた。あの、研究所から。
「そろそろいいかしら。一旦、止まりましょう」
息は上がっているし、研究所で色々なことが起こりすぎた。
僕の頭の中はまだ状況の整理が出来ていない。
僕は研究所の方をぼんやりと見る。
まだ黒い煙が上っている。
「終わったのかな」
口から言葉が零れ出た。