クチナシの花が狂ったように咲き乱れた朽ち果てた洋館が建っていた。
栗色の髪をした少年の首筋を汗が伝う。
「苦しいよ」
「しっ。口を閉じて」
彼の髪を櫛でとかしていた少女が彼の唇にそっと指で触れると
暗くなっていた彼の心にクリームを一杯塗ったみたいな気持ちが満ちた。
「クダラナイね、こんなの」
(7/19)”くちなし"(く)
**************
雷がからっきし駄目な彼。
雷が鳴ると机の下に隠れる。
体は大きいのに。
この前も驚いて階段からカラシ色の傘を落とした。
「母さん、僕いつから雷が苦手なの?」
「そうね。母さんのお腹にいた時からね」
そんな彼だが怪獣相手には華麗な攻撃を見せる。
雷が鳴りさえしなければ今日も地球は守られるのだ。
(7/20)"雷きらい"(か)
*******************
キモい黄色の寄生虫が大量発生。
キャンプ場に危険な生命体が現れた。
緊急出動した金曜日。
戦い終えて帰ってきて気が付いた傷だらけの自分。
きちんと決めた決まった道。未知の事なんか嫌いだった。
なのになんで?あの記憶がそうさせたのかな?
禁じられたキス。
綺麗に着飾った奇妙な戦闘機械。それが私。
(7/20)"黄色のキャミソール"(き)
********************
こないメール。
何度も手に取る携帯。
もうあれから1週間がたった。
壊れた拗れた関係。
意地悪な木霊になる言葉。
バカな私。
もう二度と聞けない「大好きだよ」。
小雨に打たれて道端に転がってた子供だった。
だだをこねた私。
困らせるつもりなんてなかった。
「ごめん」そんな言葉じゃもう取り戻せない。
(7/20)"これで終わりにするね"(こ)