2009年
町工場の二階
じめじめして日も当たらない1Kのアパート
このアパートを出た
彼女と同棲するから
夢が広がった
25歳くらいの時から落ち着きたかった。
同世代の第一次結婚ブーム
結婚式に呼ばれるたびに断った
3万も払えないし、払いたくない
正直人が幸せになるのを見たくなかった
こんなヤツが参列するのが失礼な気がした
2007年
世間では藤原紀香と陣内智則が結婚
第一回東京マラソンが開催された
27歳
最後の彼女が17歳の時
いよいよなんか焦りみたいなものがあった
出会い系サイトを漁った
でもなんかピンとこなかった
趣味の合う人を集めた社会人サークルを作った
趣味も充実するし趣味の合う女子とも出会える
一石二鳥だった
我ながら頭良いなとか思った
主催者の自らのアカウントとは別に女名義の裏垢を作った
最初に女が入会すれば人が集まると思った
予想は的中してすぐに人が集まった
女性7割のサークルができた
15人位になったところで飲み会を開催した
裏垢をさっと退会させて、友達を入会させ男性はほぼ友達という布陣で挑むことにした
せこいやり方だけど、こういう狡猾さが必要だと当時は思った
飲み会では使えそうな男性1名
会計係としてしっかりしてそうな女性1名
そして彼女にしたい女性1名を探した
すぐに見つかった
あとは簡単
友達にも協力してもらい何となくリーダーシップを発揮
思いのままにいった
彼女にしたい女性=一番かわいい女のコNさん
とは完全に仲良くなった。
この辺の飲み会での処世術は散々モテない合コンで勉強スミ
後日Nからは頻繁にメールが来るようになった
そのうち仕事の悩みなどを聞くようになり二人で飲みに行くことになった
彼女の家に呼ばれた
そうとう信頼されていた
ただこの時は手は出さなかった
でももうその時にはこのNに心を完全に持っていかれていた
何度か会ううちに「付き合ってほしいと」彼女に懇願する自分がいた
最初は断られた
同じ会社にいる元カレが忘れられないらしい
オレはあきらめられなかった
それほど可愛かった
その後も関係は変わらなかった
ただ二人の距離がどんどん埋まっていくように感じた
同じベットで寝て抱きしめてキスをするだけ
自分が何をしているのか解らなくなった
3回くらい懇願してやっと付き合うようになった
彼女の心をモノにしたと思い込んでいた
彼女は頻繁に俺の汚いアパートに泊まりに来た
彼女の私物が俺の汚い部屋に増えていく
増えていく彼女の私物が幸せの質量だった
反対に彼女はどんどん情緒不安定になって行った
たまに連絡の取れないときがあった
問い詰められない自分
とんでもなく彼女のペース
彼女は会社に元カレがいる
その元カレは同じ会社にいる女子社員にたぶらかされてNと別れた
なんだか恋の螺旋階段だ
この女から逃げるべきだったが
しっかりとハマって抜け出せなかった
気が付いたら会社で傷ついた彼女を癒すだけの役割になっていた
連絡が取れないときは元カレと会っているときだった
振り回されてる俺もきつかったが
彼女が先に壊れた
会社を休み友達の家に入り浸っていた
そんな彼女に別れを切り出された
何度かこれが最後といいつつだらだらと関係が続いた
当時はこんなことばかりだった
知っていた
別れても
フラれても
身体の関係だけ続く関係を
強くならないといけない
自ら勇気を出して関係を絶たなきゃいけない
知っていて出来なかった
最後までこの女のペースだった
何もできない木偶の坊に最後通告してくれた
最後に俺の汚いアパートで一日中動物的な衝動
それでサヨナラした
それでサークルは解散
Nを忘れるために新しい出会いを探した



