日付を遡ぼり、父の闘病記から少し外れたブログになります。
実家帰省の最終日(1月19日)、フライトは夕方だったので、父方の祖母の入居する介護付き施設に寄っていきました。
我がダンナさんが祖母に会うのは2回目だけど、こちらの施設に行くのは初めて。
89歳の祖母はまだまだ元気。
頭はしっかりしているし、自立した生活が可能なので、マンションタイプの個室で暮らしています。
ダンナさんと私がアポなし訪問すると、涙を流して喜んでくれて、1時間ほど積もる話に盛り上がりました。
祖母は自分の息子である父の病状をいたく心配していたけど、私が
「 抗がん剤の副作用がひどいのは変わらないけど、病状は今のところ安定しているよ。 」
と伝えると、安心した様子。
「 孫にこんな素晴らしい旦那さんがいるなら、お父さんも心強いね。 」
と夫のことを褒めまくるので、夫はまんざらでもない顔をしてました(笑)
そして帰り際、施設のロビーに降りていくと、同じ施設に入居しているご婦人が外出先で転び、膝と腰を打ったとちょっとした騒ぎになっていました。
夫はすかさず「 僕、整形外科医なので診ましょうか? 」と歩み寄り、ご婦人を椅子に座らせ診察を開始。
幸いご婦人は痛めたような症状もなく、今後痛みが出てくるようなら掛かりつけの整形外科を受診するように勧め、一件落着しました。
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祖母は父のことを案じ始めると、とことん落ち込んでしまうので(実の息子なので当然でしょう)、両親も病状については詳しく話すことが出来ないでいるほどです。
けど今回、私とダンナさんが訪問して、ダンナさんのいいところ(?)を見れたことで、祖母がパッと明るい気持ちになれたのではないかと思うと、訪問できて本当に良かったと思います。
報告した両親も喜んでくれて、
「 これで当分、施設内で自慢話をするのに一生懸命になって、パパの病気のことから気が反れるかもね(笑) 」
と。
改めて、ダンナさんサマサマの一日でした。
時には、こういう明るい話題もあるものです。
今日は父の内視鏡検査の日でした。
どの程度・・・という詳細な指標はないのですが、前回10月下旬の検査時よりも、若干食道の通りが良くなっているとのことでした。
ただ、父の副作用のひどさは相変わらずで、あまりの体力低下に
「 ある日突然ぽっくり逝っちゃうかも。。。 」
などと縁起の悪い言葉を吐く父。
うーん・・・
この父に前向きな気持ちを持ってもらうためにはどうしたら良いものか。
今日はお買い物に行くのに近所の公園の梅園内を歩いて行ったら、梅の花が綻び初めていました

週末から日本に厳しい寒さをもたらしている冬将軍が去ったら、日が一日一日長くなっていくように、日差しも段々と暖かくなっていくことでしょう。
寒がりの父が嫌いな冬が去ったら、父の体調も良くなっていきますように。
週末、ダンナさんは博多での勉強会に泊りがけで出席しているため、夫婦別々の夜を過ごしています。
・・・というわけで、おひとり様時間の有り余る夜は、実家に電話。
父は相変わらず、タキソテールの副作用による全身倦怠感がひどく、眠れず、立ち上がる気力すら削がれて廃人状態の様子。
電話に代わってもまったく力のない状態で、不安定な気持ちを紛らわせるためだけに、美味しくも感じられないお酒に手を伸ばしているそうです。
そのため、1時間近い電話は母との会話で大半を占めていたのですが、その中で実家お隣のお宅のご主人が亡くなられ、昨日が告別式だったとの話がありました。
我が実家周辺は、まさに両親世代ばかりが集まる住宅地。
亡くなられたご主人は、父より1歳年上の67歳でした。
退職後に病気を患い、自宅療養が難しく、近年は施設にお世話になっていたということですが、お正月明け位に更に体調を崩され、我が父も通う近所の大学病院に入院されていたとのこと。
直接の死因は患っていた病気ではなく、気管への誤飲だったそうです。
同世代の父が、その訃報を聞いて大きなショックを受けたのは言うまでもありません。
と同時に、父も自身が患う食道がんで亡くなることよりも、抗がん剤の副作用(免疫力の低下)から引き起こされる肺炎などによってコロリと命が絶たれてしまうことに、ただならぬ恐怖を感じているようです・・・
昨年末には同じく食道がんを患っていた中村勘三郎さんが、食道がん自体ではなく抗がん剤治療が影響して肺炎を患い、更には急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を引き起こして亡くなられています。
先日の検査でガンの縮小が認められたとは言え、父がナイーブになってしまうのは仕方がありません。。。
それでも父は、抗がん剤治療の道を選択し続けるそうです。
とにかく、1日でも長く生きたいという執着。
もはや、それは執念です。
タキソテールが効いている可能性が高いとは言え、父を廃人同然にしてしまっているタキソテールの副作用。
次回2月8日にタキソテールの4回目の投与を行うことは決定していますが、その後は???
抗がん剤治療を受け続けるとして、このまま副作用の大きいタキソテールを打ち続けるのか、シスプラチン+CTP-11に戻るのか、はたまた第三の抗がん剤を投入するのか。
母とは、今後の見通しを立てるためにも一度、ガン専門病院でセカンドオピニオン外来でも受けようかと言う話をしましたが、今の主治医を300%信頼しきっている父はきっとそれを拒むでしょう。。。
母が電話を切る直前に、
「 あなたが近くに住んでいれば、週末実家に帰って来れるのにね。。 」
とポツリと呟いた一言が、私の胸にズシンと来ました。
夫のいない週末を、手持ち無沙汰に過ごしてる私。
・・・やるせない気持ちばかりが残ります。
