デュトワ 新日本フィル ペトルーシュカ ダフニス(240608) | クラシックコンサート日記

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2024年06月08日(土) 14:00- すみだトリフォニーホール 錦糸町

□ハイドン/交響曲第104番 ニ長調 「ロンドン」
□ストラヴィンスキー/バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1911年原典版)*
□ラヴェル/『ダフニスとクロエ』第2組曲

指揮:シャルル・デュトワ
ピアノ:阪田知樹 *
新日本フィルハーモニー交響楽団


期待のデュトワ/新日本フィル、
ハイドンとラヴェルが超名演であった。

最初は、ハイドン 交響曲第104番 ロンドン。

これほど面白いハイドンを聴いたのは、初めてである。
新鮮、溌溂にして、品位高く、生き生きとした若々しい演奏だ。

ビブラートを抑えた現代風の響きであるが、やせた感じは全くなく、豊かな響きで、絶妙のオーケストラバランスだ。多彩なフレージングは、今まで聴いたどのハイドンの演奏より魅力的で、心がはずむ思い。第一楽章の主題は、品位の高い絶妙な歌いまわしで、今も頭の中をぐるぐる回っている。

次々と繰り出される変化に富んだ語り口は、全く唖然とするほどで、一瞬たりとも聞き逃せない。
終楽章の変化に富んだスピード感あふれる表現は、聴いていて手に汗握るほどスリリングだった。

シャルルデュトワは御年87歳。指揮姿だと50台60台の指揮者と言われても違和感がないほど若々しく、躍動感あふれるダイナミックな指揮ぶりで、信じがたい若々しさだ。


休憩後 第一曲目は、ストラヴィンスキー ペトルーシュカ。

3年前にもこの曲を振る予定だったが、デュトワがコロナにかかってしまったので、代わりに井上道義の指揮で演奏された。できれば、別の曲をやって欲しかったが、デュトワはこの曲を得意にしているのだろう。ずっと前にTVで聴いたN響とのペトルーシュカは、素晴らしい演奏だった。

前半は、オケの音が透明度が足りず薄めの音で聴こえたので、ややがっかりしたが、中盤あたりからオケの響きに輝きが出てきて、一安心。この曲では、デュトワの攻めたアグレッシブな表現が意外であった。

この曲は、金管が課題の日本のオケでは難しそうだ。個々の金管奏者の技量がもろにあからさまになってしまう。今日の新日本フィルの金管 特にホルンは、最近ではめずらしいくらいにぽろぽろミスが目立ってしまい、聴いていてはらはらしたが、デュトワの要求が厳しすぎたのだろうか。

サイトウキネンとの春の祭典や、昨年の新日本フィルとの火の鳥は、素晴らしく調和した管弦楽の響きが聴けたのだが。。

デュトワの表現自体は、非常に面白いものだったので、火曜の2日目の演奏ではもう少し安定した聴きごたえのある演奏になるのだろう。


最後は、ダフニスとクロエ 第2組曲。

この曲では、新日本フィルは全くあぶなげない演奏。やはり新日本フィルのフランス音楽はいい。
しなやかで明るく透明、輝かしく壮麗な響きとデュトワの絶妙の表現は、今まで聴いたダフニスとクロエの演奏の圧倒的Best。デュトワ/新日本フィルの今までの演奏での最高の出来。

このようなフランス風の柔らかく広がりのある響きと色彩感豊かな音楽を作れる人は、今後現れるのだろうか。最後は固くならずにどこまでも伸びていくような圧倒的なクライマックスであった。

これ以上のダフニスとクロエ 第2組曲を聴くことは、生涯無いだろうという思いで聴いていた。

幸いにも、火曜にサントリーホールで二日目の公演を聴ける。オケの後ろのP席であるのが、やや残念ではあるが。。。非常に楽しみだ。


終演後は、ブラボーと熱烈な拍手。
当然ながら、コンサートマスターを携えてのデュトワの一般参賀有。