2026年09月20日(日) 14:00- 東京芸術劇場 池袋
□グラズノフ:演奏会用ワルツ第1番 ニ長調 作品47
□チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
□ラフマニノフ:交響的舞曲 作品45
指揮:ユライ・ヴァルチュハ
ヴァイオリン:金川真弓
上岡敏之のブラームス4番と金川真弓のチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲を聴きたかったので、読響マチネーシリーズの上期のみの会員になった。今回は、上期最後の公演。
最初は、グラズノフ 演奏会用ワルツ第1番。
グラズノフはヴァイオリン協奏曲がいい曲だと思うが、交響曲はいずれもあまり面白くない。。演奏会用ワルツ第1番はちらっとYoutubeで聴いてみたが、グラズノフらしい甘い旋律だが、何か安易な曲想である。
しかし実演で聴くと、それなりに美しい曲であった。ヴァルチュハ/読響は、弦が艶やかで厚みがあり、管楽器は華麗ないい音がしていた。
次は、期待の金川真弓のヴァイオリンでチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲。
金川真弓のヴァイオリンは、いつ聴いても伸びやかでいい音である。透明で美しい音が伸び伸びと出てくる。
第一楽章は、美しいヴァイオリンの音を聴いているだけで気持ち良くなるのであるが、チャイコフスキーぶしが無い上品な表現で、全く粘らずに、時に軽やかに弾く。あたかもメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いているような感じがあり、ちょっと意外であった。チャイコフスキーの音楽にしては、品が良すぎるという感じだろうか。一方、ヴァルチュハ/読響の伴奏は、ロシア音楽に相応しい表現と響きであった。
第二楽章は、上品で淡い情感が漂う非常に美しい出来。第二楽章でこれほど美しいヴァイオリンは、初めて聴いた。そして、ヴァルチュハ/読響の伴奏が素晴らしい。絶妙な音量で金川真弓のヴァイオリンをサポートし、後半の音量を抑えたオケの響きは、金川真弓のヴァイオリンと共に、夢心地の響きであった。
第三楽章は一転、金川真弓のテクニック全開の演奏。速いパッセージでも全ての音がスムーズに出てきて、全くかすれが無い。ボーイングや指使いはしなやかで、全く力みが無く、全てがスムーズである。
体を少しゆらゆら揺らしながら、しなやかに、スムーズに、弓を使いきって弾く姿は、非常に美しい。こんなに弾く姿が美しいヴァイオリニストは、今までいただろうか。そして、弾く姿と出てくる音楽が、ぴったりと一致している。洗練されていて、しなやかでスムーズ、そしてスピード感と緊迫感がある白熱のヴァイオリンであった。
また、ヴァルチュハ/読響の伴奏の伴奏が見事である。時にはテンポを落としたりテンポを上げる金川真弓のヴァイオリンにぴったり付け、かなりの音量でオケを鳴らしながらも、独奏ヴァイオリンの音をかき消すことなく、熱い演奏で、万全のサポートであった。
こうして聴くと、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、あたりまえではあるが、聴いていて胸が熱くなる本当にいい曲である。
熱い拍手の後のアンコールは、プロコフィエフ 無伴奏ヴァイオリンソナタ 第二楽章。
休憩後は、ラフマニノフ 交響的舞曲。
実演で聴くのは、初めてではないだろうか。
Youtubeで少し予習したが、あまり面白い曲ではない。
実演を聴くと、アルトサクソフォーンや木管楽器、弦楽器が哀愁あふれる旋律を奏で、美しい。
ヴァルチュハ/読響の演奏は、マーラー6番と同様、全体的にはカチッとした音楽造りであるが、個々の楽器は情感のある表現で、あまり乱暴な大音量を出さずに、オケから節度ある美しい響きを引き出していた。
第三部は、もう少し華麗で幻想的な表現でも良かったのではないかと思う。曲になじんでないので、適切な感想かは分からないが。
読響は、何故かサントリーホールで聴くより、東京芸術劇場で聴いた方が、いい音で聴けるように感じる。