ヴァルチュハ 読響 マーラー交響曲第3番(240521) | クラシックコンサート日記

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2024年05月21日(火) 19:00- サントリーホール 赤坂

□マーラー:交響曲第3番 ニ短調

指揮:ユライ・ヴァルチュハ
メゾソプラノ:エリザベス・デション
合唱:国立音楽大学、東京少年少女合唱隊
読売日本交響楽団

ヴァルチュハを初めて聴く。
ヴァルチュハは、1976年生まれのスロヴァキア出身の指揮者。今期から読響の首席客演指揮者になった。

各楽器に対し彫りが深い、結構凝った表現を作り込む指揮者で、単調な表現がどこにもない。弱音での各楽器のバランスは非常に注意深くコントロールされていて、平凡な指揮者ではないことが分かる。

一方、全奏での強い音では、オケの特性もあると思うが、オケ全体の響きの一体感に乏しく、やや荒っぽい押し寄せてくるような大きな音に聴こえてしまう。

全体的に特に恣意的な表現は感じないが、なんとなく表現に自然さが感じられない。

マーラー3番は、マーラーの曲では一番前向きな明るさと、雄大でかつ自然な伸びやかさがあり、好きな曲であるが、その良さを十分感じとれる演奏ではなかったような。。

それでも、第一楽章は全奏での響きの美しさは十分ではなかったものの、様々な表現、響きが聴けて、まあまあの出来。

第二楽章は、弦の美しさを感じ一番良かった。第三楽章は、ポストホルンも含めもう一歩精緻な表現が聴きたい。

第四楽章のメゾソプラノ エリザベス・デションは深々とした美しい歌唱だった。
第五楽章の合唱は、きびきびとした表現でなかなか良かった。

聴きものの第六楽章は、今まで8回ほど聴いたこの曲の実演の中で最も激しい演奏で、私にはやや人工的な表現に聴こえ、感動はできなかった。

凝った表現で面白い部分はあったものの、胸が熱くなるようなところはあまりなかったというのが全体的な感想。

終演後は、満員の聴衆から盛大なブラボーと熱烈な拍手が起きた。読響の聴衆はボリューミーな大きな音、激しい演奏が好きなのだろうか。。。まあ、その方が一般的だとは思うが。