小泉和裕 新日本フィル チャイコフスキー交響曲第4番(二日目) (240519) | クラシックコンサート日記

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2024年05月18日(土) 14:00- サントリーホール 赤坂

□ベートーヴェン/交響曲第8番 ヘ長調
□チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調

指揮 :小泉和裕
新日本フィルハーモニー交響楽団


小泉和裕/新日本フィル チャイコフスキー4番の二日目。

昨日は、トリフォニーホール 2F 正面席だったが、今回はサントリーホール 2Fの舞台後ろP席で。

最初は、ベートーヴェン 交響曲第8番。

昨日は、第一楽章 出だしが透明感が足りず、曇った音に聴こえたが、今回は最初からいい音で聴こえた。会場の違いもあるだろうが、二日目で演奏がこなれたのであろう。小泉和裕/新日本フィルの演奏は、昨日同様 重厚でくせがなく、オーソドックスな演奏。

昨日と異なり、弦の音が大きな音で聴こえ、特にコントラバスの弦がブルブルと大きな音で聴こえる。オケのすぐ後ろのP席で聴いているためであろう。なので、トリフォニーで聴いた時よりさらに重厚感のある演奏で聴こえ、この曲では聴きごたえがあったが、オケの後ろで聴いているため、木管、金管の音が明瞭に聴こえず、弦も高域部分のニュアンスが聴こえにくいので、表現のニュアンスはトリフォニーで聴いた方が感じることができた。

先月同じ席で、佐渡さん指揮でベートーヴェンの2番を聴いたが、佐渡さんの指揮の方が音が柔らかく豊かで、温かい演奏に聴こえた。人間味豊かという感じだろうか。それとくらべ小泉さんの演奏は、スタイリッシュで端正、より厳格な音楽という感じである。


休憩後は、昨日大変感激したチャイコフスキー4番。

基本的には、昨日同様の演奏で、大変立派な演奏だったと思うが、昨日ほどには感動は得られなかった。

やはりチャイコフスキー4番という曲は、同じ演奏で2日続けて聴くような曲ではないのかもしれない。上岡俊之の指揮で、ベートーヴェンのP協奏曲4番とブラームス2番、シューベルトの8番の二回の演奏を同じ会場で2日続けて聴いたときは、両日とも非常に素晴らしく感じた。チャイコフスキーと古典音楽という違いもあるが、上岡俊之の場合は、同じ曲でも1日目と2日目でかなり演奏が異なり、毎回違って聴こえ、即興性が高い、小泉さんの指揮は安定していて、音楽の造り、全体の枠組みが決まっていて、即興性はやや薄いということもあるかもしれない。

又、昨日はかなり芳醇な輝かしい音で、情感豊かな音楽に聴こえたが、サントリーホールというより大きな空間では、(オケの後ろで聴いていたということも大きく関係していると思うが)、少しさっぱりした音、表現に聴こえた。オケにもう少しパワーがあってもと感じた。

とは言っても、小泉和裕/新日本フィルの演奏は素晴らしく、ダイナミックでかつ美しい演奏であったし、終楽章のキレが良くダイナミックでかつ恣意的な部分がない自然な表現は、他の演奏ではなかなか聴けないレベルであったと思う。正面から見た小泉和裕の指揮は、オケが弾きやすいと思われる明確な指揮ぶりであった。

(佐渡さんの演奏は、サントリーホールで聴いた方が聴きごたえがあるのかもしれない。トリフォニーでは、佐渡さんの志向する音楽では音が飽和ぎみになっているのでは? 秋、冬にはブルックナー7番やマーラー9番で、トリフォニーとサントリーで聴きくらべができるので、楽しみだ)