ヴァルチュハ 読響 チャイコフスキー悲愴(240525) | クラシックコンサート日記

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2024年05月25日(土) 14:00- 東京芸術劇場 池袋

□リャードフ:魔法にかけられた湖 作品62
□ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
□チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」

指揮:ユライ・ヴァルチュハ
ヴァイオリン:周防亮介
読売日本交響楽団


ヴァルチュハの指揮、先日のマーラー3番ではいまいちしっくりこなかったが、ロシア音楽では同じスラブ系の出身であるためか、非常に見事な演奏であった。

最初は、リャードフ 魔法にかけられた湖。

実演含めて初めて聴く曲。静かで美しい曲だが、ヴァルチュハ/読響の演奏も緻密かつ幻想的で素晴らしい。やはり、並みの指揮者ではない。

次は、ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲。

実演では、初めて聴く。学生時代、FMなどで何回か聴いたと思うが、CDも持っておらず、最近殆ど聴いた記憶が無い。実演含めて、多分数十年ぶりに聴いたが、とても面白い曲でもっと演奏されても良い。

ヴァイオリンの周防亮介は初めて聴いたが、想像したよりはるかに素晴らしいヴァイオリンであった。
男性ヴァイオリニストだが、女性ヴァイオリニストのようにしなやかで伸びが良く、かつスピード感、すさまじい緊迫感があり、迫力あるヴァイオリンである。(どうでもいいことだが、髪は女性のように長いし、歩き方やしぐさなど、外見はほぼ女性だ)
 
音は輝かしくかつ艶っぽい。ごくわずかに荒っぽい響きがすることがあるが、気になるほどではない。

ヴァルチュハ/読響の伴奏は、二楽章は弱音部分が情感豊かで美しく、かつ劇的な高揚感のある音楽が聴け、第三楽章は独奏ヴァイオリンと共に、緊迫感のある音楽になっていた。

アンコールは、シュニトケ ザ・パガニーニ。これまた凄まじい緊迫感のある音楽、演奏だった。


休憩後は、チャイコフスキー 悲愴。

これほどスラブ的な情感の濃いい、かつ劇的な迫力のある悲愴を聴いたのは初めてである。今まで実演で聴いた悲愴では、ベストではないだろうか。第一楽章でのこれほど情感豊かな演奏は初めて聴いたし、引き締まった迫力ある表現も素晴らしい。第二楽章がこれまた豊かな表現でほれぼれとする美しさだ。第三楽章は単に突っ走るのではなく、様々なニュアンスが聴かれ、これまた驚き。終楽章の緊迫した沈痛な表現は素晴らしく、終盤のクライマックス部分は、まるで地の底に引きずり込まれるかのような壮絶な音楽になっていた。

凄い指揮者だ。

読響は、厚みのある迫力ある響きで、この曲にはぴったり。弦はうねりが凄かった。
強い響きの部分で多少混沌とした響きになっていたが、これは舞台右横近くのRBD席で聴いたためだろうか。正面の二階席で聴いていれば、もう少しすっきりした響きに聴けたのではないだろうか。