小泉和裕 東京都交響楽団 シューベルト グレート(240427) | クラシックコンサート日記

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2024年04月27日(土) 14:00- 東京芸術劇場 池袋

□シューベルト/交響曲第7番 ロ短調 D.759 《未完成》
□シューベルト/交響曲第8番 ハ長調 D944 《ザ・グレート》

指揮:小泉和裕
東京都交響楽団


最近、小泉和裕の指揮を聴くのが楽しみである。

最初は、未完成。

第一楽章は、小泉和裕らしい重厚感がある響きで堂々たる演奏。未完成としては、もう少し抑えた美しさの方がとも思ったが、これはこれで聴きごたえがある。

第二楽章が素晴らしい出来。これほどニュアンス豊かな美しい演奏は、そうめったには聴けないのではないだろうか。とてもオーディオ装置では聴けない、生の音の美しさである。若手の指揮者では出せない円熟の指揮ぶりだ。都響の演奏も見事。このような演奏で聴くと、未完成はなんと美しい曲だろうかと感嘆する。あまりにもポピュラーな曲なので、定期演奏会ではあまり演奏されないが、何度でも聴きたいと思う曲だ。


休憩後は、グレート。

未完成が素晴らしかったので、グレートの方も期待したが、こちらはもう一歩だっただろうか。

第一楽章が最も良かった。やわらかなホルンから始まり、ゆったりとしたテンポで流れが良く柔らかな音楽がスタートするが、途中から引き締まった快適なテンポになり、波打つような表現は見事だった。どこにも響きが固くなるところがなく、柔らかく変化に富んだ音楽が聴けた。終結部の迫力は、今一歩だったが。

第二楽章、第三楽章も悪くはなかったが、流れの良いややなだらかな表現が続き、僅か単調な音楽に感じた。第四楽章は、一転快適なテンポでの躍動感ある演奏ではあったが、フィナーレのクライマックスはそこそこ盛り上がったものの、もう一歩緊迫感、高揚感が欲しかった。全体的なオケの鳴りも、今一歩だったように思う。

終演後は、盛大なブラボーで、小泉和裕のソロカーテンコールがあり、コンサートマスター2人を携えての登場となった。


以前の小泉和裕の指揮は、先の展開が読めてしまう予定調和型の演奏が多いと感じていてたが、近年の演奏ではそのような印象が見事に消え、毎回いい出来で感心していたが、今回のグレートでは先の展開が少し読めてしまい、わくわく感がやや足りなかったような。。。


以前は、二階前方S席で聴いていたが、今回少し節約し、同じ二階やや後方のA席へ。少し下がっただけであるが、音が以前より予想以上に遠くなったように感じる。前と同じ席だったら、グレートの印象ももう少し変わったかもしれない。値段はS席とたいして違わないので、席を変えたのは失敗であった。来年はまたS席に戻るつもりである。