佐渡裕 新日本フィル チャイコフスキー交響曲第5番(240412) | クラシックコンサート日記

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2024年04月12日(金) 14:00- すみだトリフォニーホール 錦糸町

□チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
□チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調

指揮 :佐渡 裕
ピアノ:角野隼斗
新日本フィルハーモニー交響楽団


いつもの通り、前説で佐渡裕が登場。
春にピアノの角野隼斗と全国10(?)か所を回るが、チケットは即完売だったとのこと。この日も満員御礼。角野隼斗効果もあるだろうが、上岡俊之音楽監督時代では想像もつかなかったことで、喜ばしいことではある。

最初は、チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲を聴くのは、随分久しぶりである。あまりにポピュラー曲であるので、オケの定期ではめったに演奏されない。

ピアノの角野隼斗はTVで見たことはあるが、実演では初めて。

クリアな音で独特のリズム感とダイナミズムがあり、聴いていて面白い。テンポは全体的に速めで、テンポの収縮はあまりないが、一本調子な感じは無く、多彩な表現や音色を持つピアニストのようだ。

佐渡裕/新日本フィルは、第一楽章で少々荒っぽい音がしていたが、第二楽章では弦や木管で柔らかく温かい歌が聴けた。

第三楽章は、ピアノと指揮者/オケがのりまくり。凄まじいスピード感とダイナミズムを持つ爆演となった。会場は大興奮。多分角野隼斗ファンだと思うが、一階最前列に陣取った女性陣が演奏終了と同時にスタンディングオベーションで熱烈な拍手をしていたのは、通常のトリフォニー公演では見られない光景であった。

オケの音がもう少し洗練された音で聴きたかったとは思うが、聴いていて興奮するような演奏であったことは確かである。

アンコールは、ガーシュウィン(角野隼斗編曲)アイ・ガット・リズム変奏曲。これまた多彩な表現でのとても面白い演奏だった。



休憩後は、チャイコフスキー交響曲第5番。

ピアノ協奏曲は面白かったものの、こんな爆演を交響曲でもやられたら、聴いていて疲れてしまうのではないかとやや不安ではあったが、交響曲ではもう少し落ち着いた響きになり、一安心。

第一楽章では、やわらかくメリハリのある表現で、いつもの佐渡さんの指揮とは異なる立体感のある音楽が聴けた。この調子で二楽章以降も続くかと思ったが、第二楽章では少々めんめんとして間延びした感じがあったし、この楽章以降同じような音色、表現が続き、楽章間の描き分けが十分でなく、響きも立体感の欠けるものになり、聴いていて、少々飽きてしまった。

第四楽章は、熱演ではあったものの、勢いにまかせて演奏してしまう感があり、曲の美しさがあまり感じられず、熱演の割に胸が熱くはならない。特に管楽器は、木管、金管ともに一斉に強く吹かせてしまうために、ひびきが濁りべたっとして平面的になってしまう。


佐渡さんは、チャイコフスキーの交響曲は面白く聴かせてくれるのではないかと期待したが。。。
私には、佐渡さんが指揮するR.シュトラウスや、ブルックナー、チャイコフスキーはどれも同じような響きに聴こえてしまう。

満員御礼になるのは喜ばしいことではあるが、演奏がどうも自分の好みに合わないのは困ったものである。