2024年04月13日(土) 14:00- サントリーホール 赤坂
□シューベルト:交響曲第3番 ニ長調 D. 200
□ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調 WAB 103(1877年第2稿ノヴァーク版)
指揮 :下野竜也
日本フィルハーモニー交響楽団
ブルックナーが見事な演奏だった。
最初は、シューベルト 交響曲第3番。
特に変わったことはしていなくて、オーソドックスな演奏だったが、清潔なフレージングとバランスの良いオケの響きで、シューベルトの初期の交響曲の美しさが味わえる演奏だった。
休憩後は、ブルックナー交響曲第3番。
1月に下野/都響でブルックナー交響曲第一番を聴いて感心したが、今回の3番はさらに素晴らしい出来。下野さんのブルックナーは本物だ。
オーケストラの扱いがとても丁寧で、一音一音丁寧に組み立てられており、勢いにまかせて鳴らすところが無い。個々の楽器間のバランスが注意深く設定されていて、全体の均衡を保つところや。時に特定の楽器を強調するところ、楽器のバランスを変化させて響きを変えていくところなど、とても良く考えられて組み立てられている。
このため、響きに立体感があり、大音量ではなくても聴きごたえある音になる。多分相当楽譜を読み込んでいるのであろう。
第一楽章は金管をあまり強調せず、弦と木管、金管の調和が取れた柔らかい響きがしており、第二楽章の弦、木管の美しさは感動的であった。第三楽章、第四楽章は時に決然とした響きが聴けたし、時々金管を強調する輝かしい響きは、高揚感があった。第四楽章は緊迫する音楽となり、終結部は見事に決まった。
今月は大野/都響でもブルックナー3番の演奏を聴いたが、大野/都響の方が威力はあったものの、曲の美しさを引き出したという点では下野/日本フィルの方に軍配が上がるように感じた。
下野竜也のソロカーテンコール有り。