「せんせぇ~!」
「ウソってついちゃいけないん
ですよね?」
「誰かを良い人にするために
他の誰かを悪者にするのも
ダメですよね~?」
・・・って思わず言いたくなる。
こんな風にふざけないと
やってられない気分。
何よ、一体
あの描き方はないだろう。
あ~そうですか。
定子様に溺れるあまりに一条は
政務も顧みずイチャイチャばかり
していたと。
そのせいで鴨川の洪水対策が滞って
多数の民が犠牲になったと。
で、その事に心を痛めた道長が
我が身の至らなさに耐え切れなく
なって辞職を申し出たと。
ふ〜ん…。
記録によれば道長の辞職願いは
病気によるものだったのを
一条が「物の怪のせいかもしれない」
と、慎重を期して再三お認めに
ならなかったという話。
実際、その後道長は体調が良くなり
政務に復帰している。
一条は確かに定子様を誰よりも
寵愛していたが、だからといって
帝としての務めを怠ったりはしていない。
この脚本家さんは一体何を描きたい
のか?
「一条天皇はそれだけ定子を愛して
いたのだ」
とでも言いたいのだろうか?
男が女を愛するというのは
こんな形では無いはずだ。
「この人さえいてくれればあとは
何もかもどうなっても構わない」
↑
というのは女の愛し方。
男は常に社会とのバランスを
考えているから、こんな無防備で
自分勝手な愛し方はしないのだ。
まして一条は国の主だ。
トップとしての気概は常人の
及ぶところではないだろう。
このドラマを観た人が
「一条天皇ってこんな人だったんだ」
と誤解したらどうするのか?
確かに歴史というものはどの時代も
本当のところは分からない。
そこが魅力でもある。
だから
新しい解釈が生まれるのは大歓迎だ。
しかし道長をアゲアゲするあまりに
他の人物の名誉を損なうような
描き方をするのは感心出来ない。
どう考えたって道長は藤原氏の
氏長者として娘を帝に入内させる
事を企んでいたはずなのに、
このドラマでは入内の「じゅ」の
字も出て来ていない。
それが何と安倍晴明の勧めに
よって来週は彰子の入内へと
急展開するようだ。
一条の目を覚まし、国の安定を
はかるために
不本意ながらも娘を宮中に
差し出す道長・・・。
うひゃ~!
脚本家さんはよくもまぁ
こんな理由をぶつけて来るものだわ。
この時期、一条の女御・元子が
懐妊したという記録があったのに
そこは全く触れられていない。
あたかも一条は定子様以外には
目もくれなかったかのような
描き方をされている。
これね、現代劇ならいいんですよ別に。
だけど平安時代の宮中ですからね。
もうちょっと時代背景を入れて
お話を作ってほしい。
え?
そんなに文句を言うなら
観なけりゃいいだろって?
いやいや、そういう事じゃないの。
せっかくこの素晴らしい時代を
大河ドラマで取り上げてくれた
のだから、それはものすご~く
ありがたいと思っています。
だから毎回毎回楽しみに観ている。
そして、その内容に手を叩いて
喜んだり、逆にガッカリするのは
この時代を大事に思っていればこそ。
こうして不満を述べるのは
「今後に期待しているから」
なのよ。
心底文句があるのなら
もうとっくに視聴をやめてるわ。
来週はいよいよ彰子の入内。
ええ、見届けますとも!
さ~て、腹が立ったら腹が減った。
今夜は冷蔵庫にある物で
天ぷらでも作るとするか