「光る君へ」第21話~どん底の中での「枕草子」誕生 | 前世はきっと平安貴族

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歴史大好き!とりわけ平安時代をこよなく愛する私です。
こんなに惹かれる理由はきっと前世で生きていたからにちがいない。
源氏物語ネタをメインに、色々思っている事を書いてゆきます。あらすじとか一切書かずに自分の思いだけを強引に綴ってゆきますので悪しからず〜。

996年

世に言う「長徳の変」。

 

 

一条帝から伊周と隆家への

容赦ない処分

 

 

定子様の落飾

 

 

枕草子の誕生

 

・・・・・・・・

 

これらの事は

史実として既に知っていたから

いざドラマで放送されても

どこか教科書の復習をするような

ものだろうと高をくくっていた。

 

 

ところがどうだ

いざ映像で観ると何倍もの

スケールで胸に迫るものがあり、

とても冷静ではいられなかった・・・。

 

ドラマゆえ、多少の誇張や歪曲表現はある。

 

しかしそれらを差し引いて、ひたすら

事の経緯のみに焦点を当てて

観てみると、

中関白家がどれほど異常なスピードで

没落していったかが分かる。

 

故・道隆の一族だけでなく

母方の高階家や伊周の義兄弟に

至るまで厳しい処分を受けたのだ。

 

全てにおいて絶望した定子様が

自ら髪をお切りになったのも

うなずける気がする。

 

うん、気がする・・・

 

けどね、やっぱりそれは

思いとどまってほしかったなぁ。

 

一条の初めての子を宿していたと

いうのに、あまりにも衝動的な

行動だと感じてしまう。

 

大体、伊周の往生際が悪すぎる!

重病を装ってみたり、出家したと

偽ってみたり、更には母親をダシに

して配流を拒んだり。

 

いや、分かるよ?

大宰府に左遷されるという事は

政治生命を絶たれるも同然。

ひいては人生の幕を下ろすも同然

なのだからね。

 

でも、最初からおとなしく命令に従って

いればあんな大騒ぎにならなかったし

定子様をあそこまで追い詰める事にも

ならなかったのでは?

 

定子様も、一条帝も、

これから生まれて来る子たちも

みんな不幸になった。

 

 

みんなオメーのせいだ!

 

 

生まれて来る子、といえば

定子様がこの時実家の二条北宮に

いらしたのはご懐妊のための里帰り

だったはず。

 

なのにドラマでは、一族の罪で

内裏にいられなくなったかのように

描かれていたし、ましてご懐妊の

事実など一条帝にすら知らされて

いなかった。

 

こんな大事な事を!

 

理由は「呪詛をかけられるのを

防ぐために公にしていない」と。

 

はて?

公にしなけりゃいいんでしょ?

だったら一条にだけこっそり伝えれば

良いのでは?

 

たしかに当時は呪詛を回避する風習も

あったとは思う。

しかし、父親になる一条にさえ

伝えないというのはどうしても

納得がいかない。

 

 

あ、そうか!

 

一条は定子様の懐妊を知らなかった

ゆえに中関白家に対してあそこまで

厳しい態度を取った

 

という風に脚本家はしたかったのか!

 

ならきっと来週は

懐妊の事実を知った一条が

定子様を宮中に呼び戻そうと

するのだろう。

 

って、もちろんこれは私の勝手な

決めつけで言ってるだけなんだけど

「一条が知らなかった」

という設定があまりにも不思議で

あれこれ頭を悩ました結果、

こういう風に考えたというわけです。

 

でもな~、やっぱり納得が

いかないよ。

 

じゃあ子どもが出来たと知っていたら

処分の仕方も変わったの?

って事になるじゃんねぇ?

 

変だよねそんなの。

 

「栄花物語」によると定子様落飾の

知らせを受けた一条は

「可哀想に・・・中宮は普通の身体では

ないのに」と仰ったとか。

 

なのにドラマの一条は、定子様が

髪を切った事に対して

「朕に異を唱える中宮も同罪だ!」

などと酷い事を述べている。

 

ちょっとあんまりじゃございません?

 

そのあと一条は泣いたが、これも

葛藤に耐えながら静かにしのび泣く

ぐらいの感じにしてほしかったな。

 

天皇たるもの、あの号泣はNGでしょ。

 

 

はっ!いかん!

 

あくまでもドラマでありファンタジー

だというのについ色々と口を出して

しまうわ。

 

 

しかしもう止まらない。

 

詮子様、あなた呪詛の狂言までして

中関白家の没落を願ったくせに

いざそれが現実になった途端に

故・道隆に同情するような事を言い

「先のことは分からぬのう」

だと?

 

まったくどの口が言うんだか!

 

そばにいた倫子も倫子で

「あの呪詛は不思議な事でござい

ましたね」

「女院様と殿のお父上は仮病がお得意で

あったとか・・・フフフ」

と、ものすごい事をサラッと言いのける。

 

これ、かな~りの図太さですよ。

今後の道長の影の参謀あるいは黒幕の

素質充分でございます。

 

きっと脚本家は

「欲の無い道長が権力をトップに

立てたのはしたたかな倫子のおかげ」

という事にするのでしょう。

 

話は詮子に戻るけど、

一条の次の后選びをするシーンで

「義子も元子も、定子よりも

ずっと尊い生まれ!」

「帝の子を産むのにうってうけだわ」

と、のたもうた。

 

アンタやっぱり定子様の血筋が

気に食わなかったんだね?

高階一族の血が入るのが嫌だったん

でしょ?

 

どれだけ本人の人格が素晴らしくても

血筋だけで判断されてしまうのは

やりきれないなぁ。

 

定子様は、半分は摂関家の血が流れて

いるんだからそれだけで充分じゃん!

 

ねぇ?

 

 

その定子様、不運は続くもので

二条北宮が全焼という憂き目に

遭ってしまいます。

 

放火だったという説もあり。

 

落ち目となったこの一族に対して

以前から以前から不満を持っていた

何者かが火をつけたのか、

 

それとも道長の差し金か?

 

定子様はこの時、下男に抱き抱え

られながら避難したという。

 

何という屈辱。

命が助かるためとはいえ

中宮ともあとうお方が下男に身を

委ねなければならないなんて

まるで公開処刑のようだったであろう。

 

あまりにもおいたわしい・・・。

 

 

そして

この悲運の中宮のために

ついに「枕草子」が誕生する。

 

ファーストサマーウイカ演じる

清 少納言からは、心の底から定子様を

大事に思う気持ちが伝わって来た。

 

本当にこの人で良かったと思う。

 

字を書く時の筆の運びもとても美しく

本当に本人が書いていたので驚いた。

聞けば10年間書道をたしなんでいる

という。

芸は身を助けるとはまさにこの事。

 

美しい音楽の調べにのせて

ウイカ納言が枕草子を書き

定子様が横たわっているところに

そっと差し出す・・・。

 

何と美しい場面だろうか。

高畑充希の透明な表情もまた

胸に迫るものがあった。

 

何で女房がウイカ納言1人しか

いないの?

 

という疑問にはこの際目をつぶろう。

 

そのくらいこの場面はただひたすらに

美しかった。

 

 

・・・涙が出たよ。

 

 

 

===まひろと三郎への独り言===

 

まひろと三郎、久しぶりの逢瀬。

 

落ちあう先は例によって例のごとく

あの廃屋(なんでいつもここ?)

 

まひろから文をもらってやって来た

三郎だったが、その表情は冴えない。

 

長徳の変では自分の無力のせいで

誰もかれも不幸にしてしまった、と。

 

10年前のあの時、まひろと逃避行を

したとしても上手くいかなかったで

あろう、と。

 

三郎は過去の自分を冷静に考えられる

ようになっていた。

 

うん、成長したんだね。

 

 

そしてまひろも今回は思いの丈を

正直に伝える事が出来た。

 

「この10年、あなたを諦めた事を

後悔しながら生きて参りました」

 

うん、ようやく言えたね。

 

明日は越前に旅立つというその事が

2人を素直にさせたようだった。

 

 

しかしだからといって時は戻らない。

 

三郎は既に2人の妻を持ち、子どもにも

恵まれ左大臣の地位にある。

 

まひろは

「今度こそ越前の地で生まれ変わりたい

と願っておりまする」

と決意を告げる。

 

 

さてまひろさんは生まれ変わる事が

出来るのでありましょうか?

 

生まれ変わったからこそ

あの宣孝と結婚する気になるのかな?

 

紫式部は本当は越前になぞ行きたく

なかったらしいけど、まぁそこは

見逃す事にいたしましょう。

 

ともあれ、これで当分の間、

2人は距離を隔ててしまうわけです。

 

 

 

しかしこのドラマは

道長アゲアゲ作戦もひどいけど

まひろアゲアゲもたいがいに

してほしい。

 

枕草子誕生の秘話がまひろと

ききょうの会話がきっかけだったなんて

 

枕草子ファンの人達が怒り出すよ?

 

「そんな、そんな軽い会話で!むかっ

ってね。

 

このドラマを観て

「へぇ~そうだったのか」と思う

人がいない事を願うばかりです。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

 

 

越前国へ向かう舟、ちっさ!

あんなんで大丈夫か?

呑気に琵琶など弾いていけど

まひろは船酔いしない体質なのね。

 

乙丸も一緒で良かった。

乙丸が嬉しいかどうかは

分からないけど爆笑

 

為時の任務は大変だね。

何たって宋人70名を自国に帰る気に

させなきゃならないんだから。

 

ここで出て来たのが

松原客館」。

 

まるで旅館のような名前だ。

 

 

 

 

もともとは渤海という国の使節を

もてなす為の施設だったんだね?

 

でもこの時はもう渤海は滅亡して

「宋」に変わっていたので、

宋人が沢山来ていたんですと。

 

あ~、こういう新しい知識を得るの

って本当にワクワクするぅラブラブ

 

 

 

彼らが一体どんな目的で来たのか?

 

それがまひろにどんな影響を

与えるのか?

 

越前編は完全オリジナルストーリーが

展開されると思うと楽しみだわ。

 

 

宋語で話す為時がとにかくカッコいい拍手