佐良直美
室井滋
柏原芳恵
岡村孝子
ジョン・レノン
河合奈保子
假屋崎省吾
これは私が今までに人から
「似ている」と言われた
有名人たちである。
よくもまぁこんなに脈絡の無い
方々が揃ったものだ。
ジョン・レノンと河合奈保子の
顔の共通点って一体どこよ？
その上、假屋崎省吾まで参入しているし！
今、これを読んでくださっている方々も
私の容貌について全く想像できずにいる事だろう。
断っておくが、上記の有名人たちは
あくまでも私が「そう言われた」だけであり
決して自分から吹聴しているわけではない。
私のことを河合奈保子に似ていると
言った人はきっと物が良く見えないほど
その日の体調が悪かったのだろう。
そうね～
個人的には、光浦靖子。
そして最近では阿佐ヶ谷姉妹の江里子が
とても他人とは思えない。
つまりはまぁそんな感じの顔だと
想像していただければ幸いだ。
ところで私は父親にそっくりだと
言われて育ち、自分でも父親似を
自覚していたのだが、ここにきて
どうも母親に似てきたような気がして
仕方がない。
例えば、ふと鏡に映った
油断した時の顔など、一瞬母かと
見間違うほどだ。
そして実際、近所の人などから
「うわ～お母さんとそっくりだね」
などと言われる事が多くなった。
正直言ってこれは嬉しくない。
大体、「似ている」と簡単に言うが
それは一体どういうつもりで言っている
のだろうか？
言われた方が喜ぶとでも？
仮に母が絶世の美女だったとしても
そもそも年齢差が30歳近くもあるし
そんな年上の女性と「似てる」と
言われてもなぁ。
親子なんだからもちろん似ている部分は
あるだろう。
しかし、基本的には「別の人間」なの
だから、あまりにも「似ている」とか
「そっくり」とか言われるとムッとして
しまう。
しかも、私の母は決して美女ではない。
私にとっては子どもの頃から嫌いな顔だ。
だから余計に不愉快になる。
昨年、久しぶりに会った後輩の
女性が「私、母親そっくりでしょう？
昔は父親似だったのに」と話していた。
彼女の家で会ったのでアルバムを
見ながら「これが母なの」と
教えてもらったが、たしかによく
似ていた。
彼女自身はその事をあまり嬉しくは
思っていないようだった。
私の周囲にも「ああ、この人だんだん
お母さんに似てきたなぁ」と思う知人が
増えてきたように思う。
（言わないけど）
女の子はある程度の年齢になると
母親に顔が似てくるものなのだろうか？
子どもの頃は違ったのに、年をとったら
母親そっくりになったという人がどれだけ
いるか統計をとってもらいたいほどだ。
さて、先日母をかかりつけの病院に
定期健診に連れて行った時の話。
杖をついて歩く母に私は
「ほら、そこの空いている椅子に
座ってたらいいよ」とか
「呼ばれるまでちゃんと待っててよ？」
とか声をかけていた。
そうして無事診察も終わり、会計を
待っている時に母が何やら窓口に
行こうとしたので
「いいから！私が行くから
ここで待ってて！」
と言ったのだが、
たまたまそばを通りかかった看護師
さんがジーッとこちらを見ている。
しかもその表情がどうも
いぶかしげだ。
「はて？」と思ったが、次の瞬間
私はある事に気づいた。
その日の私の服装は
上が紺のポロシャツ
下はベージュのパンツだった。
そう、このあたりの介護施設では
職員がこのようなユニフォームで
ある事が多いのだ。
だからきっと看護師さんは
私を介護職員と間違えて
「あらら〜！この人ずいぶん
乱暴な口の聞き方をするわ」
と思ったのだろう。
看護師さんと目が合ったので
軽く会釈をしたところ
突然、
「あのぉ〜、もしかして
娘さんですか？」と訊かれたので
「あ、はいそうです」
(介護職員じゃありませんよ
というつもりで答えたら）
「ですよね～～
そっくりですもんねー！」
ぐわぁ〜〜〜！
似てるって言うなぁぁぁぁぁ〜‼️
これだから母と行動を共にするのは
嫌なんだ。
今度からはジョン・レノンの
変装でもしようかと
本気でそう思っている・・・。