明石の姫君の早過ぎた入内と出産~紫式部の隠された想い | 前世はきっと平安貴族

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歴史大好き!とりわけ平安時代をこよなく愛する私です。
こんなに惹かれる理由はきっと前世で生きていたからにちがいない。
源氏物語ネタをメインに、色々思っている事を書いてゆきます。あらすじとか一切書かずに自分の思いだけを強引に綴ってゆきますので悪しからず〜。

光源氏はあれだけ女遊びを

していたのだから、子どもがわんさか

いても全然不思議ではないのだが、

実際に授かったのは

たったの3人だけである。

(どうやら隠し子もいないようだ)

 

 

その中で唯一の女の子が

明石の姫君だ。

 

 

このお姫様は将来のお后候補として

それはそれは大切に育てられ、

12歳にしてめでたく東宮への

入内が実現した。

(第三十三帖 「藤裏葉」)

 

 

そこで読者としては

奇妙な一致に気がつく。

 

 

へ?12歳?

それって彰子姫が入内したのと

同じ年齢じゃん。

 

あらま!現実に起こった事が

物語の中でも展開してるわ?

 

 

そう。

藤原道長の長女彰子が一条天皇に

入内したのは西暦999年11月の事。

 

 

時に彼女は数えで12歳。

 

 

早婚が当たり前だった当時としても

これはあまりにも幼いという事で

当然世間の話題になっただろう。

 

 

まして紫式部がその事実を知らない

はずがない。

 

 

そこで私は思う。

 

 

これって・・・

 

紫式部の忖度

 

だよなぁ、と。

 

 

一体誰に対して?

そりゃ、道長と彰子の両方に。

 

 

紫式部は、源氏物語の評判が

良かった事を見込まれて

彰子付きの女房として出仕したと

言われている。

 

 

これは私の推測なのだが、

式部が出仕した頃はまだ

「藤裏葉」以前までしか

話が進んでいなかったのでは

ないか?

 

 

で、いよいよ明石の姫君が入内

する話になった時に

あえて「12歳」という

年齢にした、と。

 

 

それは「裳着の式を急がせて

無理矢理彰子を入内させた道長」

への忖度にほかならない。

 

 

道長にとっては、明石の姫君が

12歳で入内した事がまるで

世間の批判をかわす援護射撃の

ように感じたのではないだろうか?

 

 

だって「12歳」だなんて

どう考えても偶然とは

思えないもんね。

 

 

しかも明石の姫君は入内して

まもなく懐妊し、翌年13歳で

第一皇子を出産している。

 

 

これまたびっくりだよ!びっくり

 

 

いくら何でもそれはちょっと。

 

 

たった12歳の女の子が受胎する

こと自体可能かどうか疑わしいのに

ましてや出産なんて。

 

 

帝王切開などなく、自然分娩しか

選択肢が無かったあの時代に

13歳の未熟な身体が出産に

耐えられるとは思えない。

 

 

出産経験のある紫式部ならば

そんな事は想像できたはずだ。

 

 

しかし、式部が何故このような

無理のある展開にしたのかというと

 

 

それは

「願い」

だったからだ。

 

 

主人である中宮彰子様が

何としてもご懐妊、そして

皇子誕生という慶事に

恵まれますように

 

 

という願いを込めて

式部は物語を執筆したのだ。

 

 

紫式部が出仕したのは

西暦1006年または1007年頃と

言われている。

 

 

その頃、彰子はほぼ18歳。

 

 

入内して既に6年が経過しており、

懐妊の兆しを今か今かと

待ちわびていたに違いない。

 

 

そんな中で、式部は明石の姫君を

通して道長と彰子の夢を実現

させたのだった。

 

 

そして彰子は2008年、

待望の第一皇子(敦成親王)を

出産する!

 

 

式部もさぞかし安堵した事だろう。

 

 

物語の中でフライング気味に

明石の姫君に出産させた手前

ずっとヒヤヒヤしてたのでは

ないだろうか?

 

 

なので無事皇子が生まれた時は

「ひぇ~~!良かったよぉぉ~!」

と腰の抜ける思いだったに

違いない。

 

 

それが一体どれほどの喜びだったかは

「紫式部日記」に詳しい。

 

 

わざわざ書くぐらいだから

並々ならぬ感動があったのだろう。

 

 

上差し

と、ここまでが私の推理だ。

 

 

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どう思う?

なかなかいい線いってると

思うんだけどな?おねがい

 

 

もしも

同じ事をとっくに誰かが発表

していたら「何を今更!」では

あるけれど・・・。