遊戯王GX 感想 | デブリマンXの行方

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半年くらい前から少しずつ観てきたアニメ「遊戯王GX」を全て見終えた。

全180話という今時のアニメではあり得ない大ボリューム。

一気見しようと思ってもそうはできないだろう。

近年はアニメの内容を把握するために倍速で見る人が多いらしいが、はっきり言ってストーリー自体はそこまで重要ではないし、内容の把握はウィキペディアでも見ればすぐに分かる。

つまり、遊戯王GXは正しくエンタメである。

 

概要として、まず遊戯王GXはアニメの遊戯王シリーズの2作目である。

アニメの遊戯王は初代(東映版ではない)から今現在に至るまで約24年間もの間番組枠を維持し続けている化け物コンテンツである(まさかゴーラッシュがまだ続くとは思ってなかった……)。

わたしは一応GX世代ではあるが、当時のアニメは今ほど自由に観ることは出来ず、テレビ放送中に観るくらいしかなかった。しかも、わたしの家は遊戯王が放送されるチャンネルが映らなかったので、当時小中学生のわたしにGXを観る手段はなく、アニメとは縁遠かったと言える。

それでも、カードゲームとしての遊戯王としてはしっかりと世代で、「アームド・ドラゴンデッキ」と「E・HEROデッキ」は持っていた。漫画版の「遊戯王GX」も愛読しており、未だに遊戯王シリーズの中で一番親しんでいる。

 

遊戯王GXの魅力と言えば、やはり主人公「遊城十代」の存在が圧倒的に大きい。

初代の遊戯王とは異なり、GXはカードゲームとしての遊戯王(通称、遊戯王OCG)と二人三脚で進行したため、ストーリーそのものよりもカードゲームで対戦すること(以下、デュエル)そのものをメインとしている。そのため、とにかくカードゲームを楽しんでいる主人公が誕生したのだと思う。カードゲームアニメ業界を知らない方は「そんなの普通では?」と思われるかもしれないが、この業界の世界観は独特のため、純粋にカードゲームを楽しんでいる(楽しめている)キャラクターは驚くほど少ない。わたしが知る限りだと、「バトルスピリッツ覇王」「最強銀河 究極ゼロ 〜バトルスピリッツ〜」の2作くらいしかない。そして、遊戯王GXは残念ながらそれらの例外には含まれない。そのため、わたしの好きな遊戯王GXは、最初の方だけだったりする(漫画版は全部好きだけど)。

 

より具体的に言うと、アニメ「遊戯王GX」は以下のストーリーで分けることが出来る。

※流れは上から順番。内容について簡単なコメントを入れる。

1.デュエルアカデミア編

主人公が遊戯王の専門学校に入学し、個性豊かな対戦相手とデュエルをする。

1回のデュエルが1話に収まることが多く、テンポが良い。

ゲームバランスを崩壊させるようなオリジナルカードの登場が極めて少ない。

 

2.セブンスターズ編

デュエルに負けると消えたり死んだりするようになるが、キャラクター達が明るいおかげでそこまで陰鬱ではない。癖の強いオリジナルカードが数枚みられるが、ゲームバランスが崩壊するという程ではない。

 

3.白の結社編

色々と大変なことが起こっているものの、そこまで深刻さはない。

未だにカード化されない地味なオリジナルカードが多い。

 

4.ユベル編

とてつもなく大変なことが起こり、常に陰鬱な展開が付き纏うようになる。

ストーリーの内容が深刻過ぎるため、はっきり言ってカードゲームしている場合ではない。

デュエルそのもののテンポも、一部を除いてかなり悪くなる。

ユベルというヤンデレ界のカリスマを産んだことで一定の評価を得てはいるが、わたしの中でカードゲームアニメとして評価は大幅に下がった。

 

5.ダークネス編

ユベルのインパクトが強過ぎて敵キャラの印象が全く残らない。

ダークネスが関わっていない話は序盤のデュエルアカデミア編を意識しており、とても良い。

 

あと個人的に遊戯王GXの評価が高い理由は、デュエルの内容が(比較的)しっかりしており、テンポも良いことである。

遊戯王GX以降のアニメ遊戯王シリーズは、現実のカードゲームに沿った内容で行われるが、遊戯王カードゲームとしては極めて複雑な部類のため、細かい点でルール的におかしいものが散見される。遊戯王GXはルール的におかしいものは多いものの、序盤に関して言えばご都合オリジナルカードは少なく、ソリティア(要するに、強いカードを出すまでの流れ)が短くて話の流れ自体はテンポ良く流れることが多い。事実、遊戯王GXの後番組である「遊戯王5D’s」以降の遊戯王(OCG)シリーズは、1回のデュエルが1話内に収まることが極めて希になっている。

カードゲームとしての遊戯王が好きな自分からすると、1回のデュエルに40分掛けるならそれなりのエンタメを求めたいが、どうでもいい内容に40分はとてもきつい。わたしは遊戯王5D’sについては、それが原因で視聴を打ち切っている。

 

遊戯王GXの最後の長所は名勝負が多いことである。

キャラクター名で言うと、クロノス教諭、万城目(物語序盤とエド戦)カイザー亮、カイバーマン、プロフェッサー・コブラ、覇王十代、ユベル(ヘルヨハン、マルタンを含む)がデュエルしているものはゲームとして面白いものが多い。特に、167話「恩返しデュエル!クロノスVS元祖ドロップアウト・ボーイ」は、実質最終回と言ってもいいと個人的には思う。一応、最後の相手は初代の主人公武藤遊戯ではあるものの、十代がご都合カードをふんだんに使う接待デュエルなので、前作主人公との夢の対決!である以外はそれほど見所はないと感じる(遊戯の方のプレイングは良かったけど)。

 

長々と語ったが、このくらい語れるくらいには遊戯王GXに愛があるということだろう。

いずれ漫画版も読み返して記事にしたい。

そういえば、遊戯王GXのアニメを見終わったので、「遊戯王マスターデュエル」でアニメ版E・HEROデッキを組もうとしたところ、「E・HERO エアー・ネオス」がなかった。

昔からエアー・ネオスは不遇だと思っていたが、わたしが思っていた以上に問題のあるカードらしい。ネオスのコンタクト融合体で最も優れているカードがないのはマスターデュエル的にはファン泣かせ極まりない。

 

以下、全てが完璧な第1話(公式)。

※ニコニコ動画の動画埋め込みを試してみた。しっかりと表示されないこともあるようだ。