・ユーロ周辺国と日本の選択肢+チキンレース
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☆チキンレース
・パニック的な相場の動き
5月の相場は多くの株式市場や商品市場で、何年ぶり、何十年ぶりという「最悪」なものだったが、6月に入っても回復の兆しが見えない。一方、そういったところから資金を吸収している主要国の国債市場は、空前の高値となっている。こちらも、ドイツ2年国債の利回りがマイナス0.01%にまで買われるなど、とても正常な相場とはいえなくなってきている。
荒れた相場の主因といえるユーロの混乱で、ユーロ安、調達金利安の恩恵を最も享受しているはずの、そのドイツも、自国の輸出産業の最大顧客である他のユーロ圏諸国の落ち込みから、さずがに陰りが見え始めている。また、ユーロ安や新興諸国の通貨安のために相対的にドル高となっているアメリカも、堅調だった回復基調に水を差された格好になっている。
為替レートが経済に与える影響は、他の何にも増して大きい。事態の概ねは私の予想通りに進んでいるとはいうものの、株式市場や商品市場での下げ幅の大きさは、予想をはるかに超えて大きい。パニック的になっている。
「ユーロ周辺国と日本の選択肢」を読んで下さっている皆様は、もしかすると、私がドイツ嫌い、アメリカ嫌いだと思っているかも知れない。そう思われても仕方がないような内容が続いている。
ところが、私の世代の多くの日本男児と同様、私にもドイツびいきな面がある。いろいろな理由があるとは思うが、やはりドイツ製品の持つ機能美や完成度に惹かれる面が大きいだろう。そして、多くの日本人と同様、私も何やかやとは言っても、アメリカ文化びいきは否めない。
とはいえ、世界は好き嫌いだけでは動いていない。ドイツ製品が好きでも、高ければなかなか手が出ない。ドイツは労働コストが高いので、通貨安でもないと、それほどドイツ製品が売れるわけではないのだ。その意味では、ドイツ政府がユーロ安を望むのは当然だ。ギリシャやスペインのおかげで、自国通貨が安くなるのだとすれば、いつまでもユーロにいて貰いたいのは納得がいく。むしろ、私が問題だと感じているのは、ユーロ周辺国の政府の方だ。
・頭脳流出が始まったギリシャ
先週土曜日の英語のメルマガでは以下のトピックを取り上げた。
(英語のメルマガ)
(6/2)
In late December, after a day when supporters mobbed him on the street and abusive phone calls reached him at home, his wife told him, “Either enter politics or we must leave the country.” So, as many of his students and professors had already, Varoufakis left.
The bottom line: A brain drain from Greece has begun as more than half of university-age Greeks say they may move abroad.
(Greece's Brain Drain Has Begun より)
そして、以下のような日本語訳をつけた。
「12月下旬、彼が通りでデモ隊にもみくちゃにされ、自宅に罵倒する電話があった日の翌日、妻は彼に言った。『政治家になるか、国を離れるかのどちらかよ』。そして、多くの彼の教え子や教授たちがすでにそうしたように、彼は国を離れた。
結論:ギリシャからの頭脳流出は始まっている。大学生の年頃の半数以上のギリシャ人たちは、海外移住を考えているとしている。」
彼というのは、経済学者のYanis Varoufakisアテネ大学大学院博士課程部長だ。ギリシャでは大規模な頭脳流出が起きているのだ。
米財務省によれば、現在、米国籍を放棄しようとしている富裕層は1700人以上と、2009年の2倍以上となっているようだ。グローバル化は国と国との垣根を低くし、アメリカに移住する人もいれば、アメリカを離れる人もいる。日本や他の諸国も同様だ。とはいえ、国を離れる「事情」が違う。
アメリカの富裕層の場合は、近年は多くが税金対策だそうだ。つまり、祖国に残る気があれば、国を離れる必然性はない。
一方、その事情が、飢饉、その他の災害で、その土地を離れるしか選択肢のない場合は哀しい。また、政治によって、人為的にいられなくなるような場合も哀しい。政治亡命などのように特定少数の場合でも、安全保障や、健康被害、経済的な理由などで住民の何割かに及ぶような場合でも、あるいは防げたかもしれない結果での事情による移住、移転は、哀しいだけで済ませてよいものかどうかが分からない。
オリンピックを前にユーロに参加したギリシャ国民は、まさかこんなに短期間のうちに、世界のお荷物扱いされるようになるとは思いもしなかったことと思う。ギリシャは政治的な選択(ユーロに参加したことで、通貨・金融政策を失い、ひいては財政政策の主導権も失う)が国を滅ぼすことにもなるという典型的なケースだ。いや、国そのものは残る。大半の国民も残ると考える人もいるだろうが、大国に飲み込まれた国々の歴史を見たり、現実に国を離れた人たちにとってのギリシャは、国が滅びつつあると言っても誇張ではないかと思う。
(関連:年金生活者また自殺「孫たちにはギリシャで生まれてほしくない」)
ギリシャは他山の石ではない。1980年代の日本のバブル期は、浪費ばかりしていた印象かと思うが、一方で、明るい未来を信じ、自分たちの可能性を信じていた。通貨高は競争力を奪う。数%のコストカットを、10%の円高が台無しにする。そんなことが20年以上も続いて、まだそれなりの技術力、競争力を保っている日本企業を、私は本物の奇跡だと感じている。もっとも、そのつけはより弱い者にしわ寄せされている。日本もこのまま円高が進めば、ギリシャのようになるかと思う。目の前で日本が毀れていく。政策担当者ならば防ぐことができるのにと思うと、こういったものでも、書かないではいられないのだ。
・チキンレース
さて、チキンレースとは、デジタル大辞泉の解説では、
「相手の車や障害物に向かい合って、衝突寸前まで車を走らせ、先によけたほうを臆病者(=チキン)とするレース」、とある。
先週金曜日の英語のメルマガでは以下のトピックを取り上げた。
(英語のメルマガ)
(6/1)
6 reasons Spain will leave the euro first
One: Spain is too big too rescue.
Two: Spain has tired of austerity already.
Three: Spain has a real economy.
Four: Spain is politically secure.
Five: Spain has bigger horizons.
Six: The debate has already started.
(6 reasons Spain will leave the euro first より)
スペインが先にユーロを離脱する6つの理由
1)スペインは大き過ぎて救済できない
2)スペインはすでに緊縮経済にあきあきしている
3)スペインはリアルな経済を持っている
4)スペインの政治は安定している
5)スペイン経済は世界的な広がりがある
6)すでに離脱についての検討が始まっている。
ドイツと、スペインやギリシャは、チキンレースの状態になっているのかもしれない。どちらも、簡単には降りられないのだ。
そうして見ると、消費税をめぐる日本の政局も、チキンレースなのかもしれない。政治がらみで世界の経済がこんな風になっている時に、日本も国際「政治」に加わって欲しいものだ。消費税よりも、はるかに深刻で緊急な課題が円高だ。政治家のピントはズレている。何度も繰り返すが、実弾介入は最も効果がある。円高に押し戻されるのは量が足りないからだ。
為替レートに関しては、通常、関係国の利害が対立するものなのだが、世界経済の牽引役を失っている現況では、円安誘導で日本経済が立ち直ることが、案外、今の世界経済に必要なことかもしれない。現時点でも、ユーロの買い支えはアメリカやスイス、オーストラリアなどからも支持されるかと思う。それができるのは、大量の累積経常黒字を抱える日本と、中国だけなのだ。
また、相場の最終局面はしばしばチキンレースに例えられる。少なくともプロの参加者ならば、終りが近いのが分かっている。しかし、収益を競い合っている以上、早く降りれば負けてしまう。どこかで降りなければ必ず死ぬのだが、先に降りれば負けるのだ。これは現在の主要国の国債相場が至っている状況だ。では、果たして本当に終りが近いのだろうか?
先週、主要国の国債価格が急騰、ドイツ2年国債の利回りが初めてマイナスとなった。リスク回避と言われているが、債券のマイナス利回りは償還まで持ち切ると確実に損をするものだ。プロの投資家が、絶対に損をするものなど買わない。彼らが買うのは、まだ値上がりすると期待しているからだ。
ところが、相場の上げ下げなど誰にも分からない。分からないが、これまで上げてきたものは、まだ上げるだろうとの期待が膨らむ。理詰めに投資物件を探すなら、他に投資物件はいくらでもある。ただ、それらの物件は値下がりしている。だから、上げているものを買っているだけだ。つまり、リスク回避どころか、常軌を逸したリスクを取り始めている。これがバブル末期の典型的な特徴だ。
もちろん、すべての投資家がバブルにつかまる訳ではない。分散投資をしているところは、主要国の国債は忘れて、高配当の株式を買い集めている。本物のプロの投資家は理詰めだ。ところが、バブルの末期には必ず、無理が通って道理が引っ込む期間が訪れる。その時期には本物のプロの投資家が結果を出せずにしばしば職を失ってしまう。そのような時には、チャートにも特有な兆候が現れる。パニック的な値動きは転換点の暗示でもある。そして、バブルが崩壊すれば、最後までチキンレースを続けていたプロも消えていく。
下のセミナーのトピックは、株式や円の調整幅を大幅に見誤ったために、いかにも間の抜けたものになった。とはいえ、私の経験では債券バブルはこの第3四半期前後に崩壊する。その時には、「円安、株高トレンドに、いかに対応するか?」が役立つかと思う。せっかくなので、「バブルの形成とその崩壊のメカニズム」を、理屈と、実体験とで解説しよう。まだ、十分に空きがある。乞う、ご参加!
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☆ギリシャ、アイルランド
「ユーロ周辺国と日本の選択肢」
この連載の元原稿を書き上げたのは2010年後半だが、ここで取り上げた事柄は正に今進行中で、ユーロ周辺国の債務問題も、アメリカの住宅市況も、円高も、日本の苦境も、ここに書かれた通りに進んでいる。逐次、数値はアップデートしていくが、数字に拘らずに、何が起きているか、そして日本がユーロ周辺国のような状況から抜け出すためにはどうすればいいかを読み取って頂きたい。
政策提案を含む内容なので、皆さんの友人知人にもすすめて広めて頂ければ幸いだ。日本が復活するには、これしかないと思う。
第31回:第1項;タペストリー第1理論(Tapestry #1 Theory)
・売り買い同数でも相場は動く
市場での出合は必ず買い手と売り手とが1対だ。あなたが市場で何かを100円で1単位買うと、誰かがそれを100円で1単位売ったことになる。その時の出来高は1だ。
この時、出来高が100になろうが、200となろうが、必ず買い手と売り手とは同数だ。にもかかわらず、市場価格は上げ下げをする。どうしてなのだろうか?
この疑問が、私がタペストリー第1理論に行き着いたきっかけだ。私は同僚のディーラーや、ファンドマネージャー、エコノミストたちなどに機会があるごとに聞いてまわった。しかし、誰からも、あるいは書物からも満足な答えは得られなかった。エコノミストやアナリストたちからは、むしろ、こちらが聞かれるくらいだった。
私自身、毎日売買していたので、どうすれば市場価格を上げることができるかは分かっていた。大量に買えば上がることは上がるのだ。この時、顧客の大量の買いに、自分も乗せて買うと、もっと大きく上がる。この辺りに、何かのヒントがありそうだった。
・市場介入と米の貿易赤字
1985年9月22日に、当時のG5(日、米、英、仏、西独)のプラザ合意で、米ドルが高過ぎるとして、主に対円、対マルクで、ドル売りの協調介入がなされた。そして、1987年までに、ドル円は半分ほどにレートを下げた。
この時、外為市場のディーラーや、エコノミストたちは、ドル円が下げたのは、協調介入と、当局の意向だと説明した。納得のいく説明だった。私も疑問は感じなかった。
ところが、1985年9月、10月には大量のドル売り円買い介入を行ったものの、ドル円が240円ほどから170円を割り込んでくるにつれて、早くも1986年3月からは、今度はドル円を買い支える介入が行われる。にもかかわらず、1987年末にかけてドル円は120円台にまで下落するのだ。
この辺りの介入額やドル円レートの数値は1995年に上梓した「円高を止める方法、活かす方法(東洋経済新報社)」に詳しいので参照して欲しい。
(中古本)
本当に当局の介入や意向だけでドル円が下げたものならば、当局の介入や意向が上げる方向に向かえば、ドル円も上げるか、少なくとも下げ止まるはずだ。しかし、ドル円は下げ続けていた。このことは、ドル円が下げた要因に、少なくとも当局の介入や意向以外のものがあったことを示唆している。
その頃のエコノミストたちの説明は、当局の介入や意向には一切触れなくなっていた。当時のドル円の下落要因は、米国の貿易赤字によるものだと説明されていた。外為ディーラーたちも概ね同じ意見だったが、当局がドルを買うから余計に下げるのだという連中も多くいた。買いがあるから売れる。売れるから下がると言うのだ。
では、プラザ合意の後に、当局のドル売りで、ドルが下げたのは何故なのか? また、米ドルは対円や、対マルクでは下落していたものの、対南米通貨などでは上昇していた。米国の貿易赤字でドルが下がるのなら、ドルはどの通貨に対しても弱くていいはずだった。
・前提を受け入れてから理論を構築する人たち
私はその頃から、外為市場の他のディーラーやエコノミストたちは、世間一般に言われている後講釈を受け売りで話しているだけで、自分自身でドル円の変動要因に疑問や興味を持ち、調べようとはしていないことに気付いた。
少し時代は前後するが、私が以前勤めていた会社には、ノーベル経済学賞受賞者や、後に世界を代表する国際機関のチーフ・エコノミストになった人、著名なファンドマネージャとなった人、その時点でのトップディーラーなどが数多くいて、それなりの接点もあったので、尋ねる人には事欠かなかった。
ところが、ディーラーを除いては、現場で毎日価格変動に曝されている訳ではないので、そういったことに疑問が生じることがないようだった。あるいは疑問に思っても、直接損益に関する支障がないためか、実感としてピンと来なかったのだろう。ほとんど誰も真剣には考えていなかった。また、仮にピンときても、値動きをつぶさに観察する機会など、ディーラー以外には望めなかっただろう。
一方、現場で毎日価格変動に曝されているディーラーたちは、余計なことを考えるよりは、与えられた公式を素早く解くことで、収益に結びつけようと考える人たちだった。誰に聞いても通り一遍の答えしか得られないので、私は自分自身でドル円の変動要因を考え始めたのだ。
私は、同じようなことを高校の数学でも経験している。中学の時までは得意だった数学が、高校に入ってからきし駄目になった。私は文科系だが、行きたかった大学の入試科目には数学があったので、数3まで学んだが、数学に関する劣等感は今も残っている。
理由は、定義、定理を完全に理解することなしには先に進めなかったからだ。後になって、友人の数学博士から聞いた話だと、数学の天才が見つけ出した定義、定理を理解しようとすると、どこかで躓いてしまう。定義、定理は覚えてしまって、数値を当て嵌めていかないと先に進めない、というものらしい。
相場でも同じだった。何故、ドル円が米国の貿易赤字で売られるのかを、誰1人として真剣には考えてはいなかったのだ。そのことを公式として受け入れてしまい、赤字拡大、それ売りだと叫んでいた。もちろん、同僚の中にさえ博士号を持っていたり、後に大学教授になったような人が珍しくない世界だったので、定義、定理として受け入れた後の理論の構築は完璧だった。
私は性分なので、価格変動の本質を考え続けた。というより、日々の売買の中で、市場価格の動きを、様々な要因と重ね合わせて観察し続けた。そして、タペストリー理論に行き着いたのだ。1980年代の後半だった。
・価格が上げる構造的な要因
私の著書を読んでくれている人たちには繰り返しになるが、大事なところなので、ここでも皆さんに質問しよう。
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・「エスチャートが可能にする山越え谷越えトレード」など、他
市場での出合は必ず買い手と売り手とが1対だ。あなたが市場で何かを100円で1単位買うと、誰かがそれを100円で1単位売ったことになる。その出来高は1となる。
この時、市場価格を上げたければ、どうすればいいだろうか?
図表49:どうすれば、価格は動く?
質問の答えは、「買い手は売り手よりもポジションを長く保有する」だ。この条件1つだけで市場価格は上昇するのだ。下げたい場合は、「売り手は買い手よりもポジションを長く保有する」となる。
ポジションとは、買ったもの(ロング)や売ったもの(ショート)を保有している状態だ。反対売買して、損益を確定した状態をスクエアという。
買い手が売り手よりもポジションを長く保有することの例として、買い手はロングポジションを1年間保有できるが、売り手は翌日までの1日だけしかショートポジションを保有できないことにしよう。条件を切実化させるために、これを売り持ち(空売り)規制とし、守らねば罰せられることとする。
どの市場でも、買い手には買い手の事情や意欲があり、売り手には売り手の事情や意欲があって出合っているので、その日の相場は見合ったままで動かない。
しかし、翌日には売り手は与えられた条件(=1日しか持てない)によって、ショートカバーをしなければならない。どんなに売り持ちを保有していたくても、買い戻さねばならないという切実な事情があるのだ。そこで昨日の売り手はビッド(買い指値)をいれたり、オファー(売り呼び値)をとったりして、今度は買い手にまわることになる。無事に買えればスクエアとなり、ポジションはゼロとなる。
当初の買い手は1年間持てるのだから保有したままだ。当初の売り手は買い戻せたのでスクエア(何もない状態)だが、今度はそのショートカバーに付き合った新たな売り手が存在することになる。この売り手もまた規制により1日しかポジションを持てないので、翌日にはショートカバーを行うことになる。
こういったショートカバーの連鎖は、当初の買い手が1年後にポジションを閉じるために売り戻すまで続くのだ。つまり、この市場には今後1年間、毎日、どんな値段ででも買い戻さねばならない切実な買い手があらわれることになる。
毎日切実な買い手があらわれる市場では、売り手はいやいや売り向かうことになる。その売り手も翌日にはなんとかショートカバーしなければならないのだから、損せずにカバーできるような値段、つまり随分高いオファーを提示するようになるのだ。こうして当初のたった1件の出合が価格の高騰を生んでしまうことになる。
図表50:価格が上げる構造的な要因
このようなことは顧客相手にレートを建て、売り買いされたポジションをカバーしている現場のディーラーにとっては、実感として理解していることだ。私は現場たたき上げの人間なので、純粋な理論のための理論とは無縁で、あまり興味もない。タペストリー第1理論は現場での実体験から辿りついた理論なのだ。
(次回に続く)
★ギリシャ、アイルランド「ユーロ周辺国と日本の選択肢」バックナンバー
(第1回:「序章1;北風と太陽」、「序章2;先の見えない日本」)
(第2回:「序章3;代官政治」、「序章4;ターニングポイント」)
(第3回:「序章5;いまだに冷戦構造下の日本」)
(第4回:「序章6;自立している国々は元気だ」)
(第5回:「序章7;日本の選択肢」、「目次」)
(第6回:「第一章 ユーロ問題」、「第1項;ユーロの誕生」)
(第7回:「第2項;通貨とは情報の信用度、安全で機能的な流通システムがキー」)
(第8回:「第3項;変動相場制度と統一通貨」)
(第9回:「第4項;ユーロの金融政策・その1」)
(第10回:「第4項;ユーロの金融政策・その2」
(第11回:「第4項;ユーロの金融政策・その3」)
(第12回:「第5項;アイルランドの憂鬱」)
(第13回:「第6項;The Inconsistent Trinity」)
(第14回:「第7項;広域通貨の可能性」)
(第15回:「第8項;通貨統合は必要か?」)
(第16回:「第二章 サブプライム・ショック」)
(第17回:「第1項;サブプライム住宅ローン」、「第2項;米人口の推移と持家比率」)
(第18回:「第3項;全米住宅の中心価格とアフォーダビリティ」、「第4項;住宅着工」)
(第19回:「第5項;新築住宅販売」、「第6項;サブプライム・ローン証券化商品」)
(第20回:「第7項;2つの流動性リスク」、第8項;ファンダメンタルズ(実需)と市場価格との関係」)
(第21回:「第三章 円相場」)
(第22回:「第1項;為替市場における経済のファンダメンタルズ」)
(第23回:「第2項;売り買い同量でも相場は動く」)
(第24回:「第3項;自動車会社の円買い」「第4項;ポジションの保有期間が相場の方向を決める」)
(第25回:「第5項;経常収支」「第6項;外貨準備高」)
(第26回:「第7項;資本収支」「第8項;直接投資」)
(第27回:「第9項;その他資本収支」「第10項;証券投資等」)
(第28回:「第11項;金利差と為替」)
(第29回:「第12項;介入は自由市場の妨げか?」)
(第30回:付録 タペストリー・プライスアクション(TPA)理論)
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