菊さん、菊之助さん襲名披露演目!
先ずは舞踊。
『うかれ坊主』
躍動感があるが重力を全く感じさせない、
ブレない体幹が美しく、プリエの行き届いた、本当に綺麗な舞踊。
小道具も多彩、
ユーモアもあって、観応えたっぷりの舞踊なのですが。
のハズなのですが。
目のやり場に大変困るんです。
もう、ヘルベルト(ダンス・オブ・ヴァンパイア)なんです。
あの、シアー上着といい、もう、完全なる和製ヘルベルト。
日本初演、吉野圭吾さんの。
スポンジ持っているのがヘルベルト。
桶持って来るのが源八。
二人ともくるくるまわって楽しそう。
まさかの温泉コラボ(←源八坊主の桶は風呂桶に非ず)が結成された私の脳内(←もう黙れ小僧)。
本日お昼のお席は五列目どセンター。
なので、ほぼ全編真正面で踊られているという最強席なのですけれど、
前のお席の方が結構おおきな方で、足元が若干見辛く、
見えないなーと顔や身体を移動させると、もれなく真正面に菊さんのお褌が。
うん、今回ばかりは最前列でなくて良かったです。
夫のお褌だってまず見ないのに
(うちの旦那様、家の中でも絶対上下服着てますので。実父はぷりけつで家庭内行脚していたが)。
や、菊さんのお褌は見たことありますよ、
本水使いの迫力満点の殺陣、
殺陣まわりのスピード感と外連とアクションが物凄くて、そちらに圧倒されていて、
お褌一枚姿でもそんなに気にならなかった。
ヘルベルトは、いかん。
あの、シアー上着が、いかん。
いっそお褌のみ、パンイチのみの方が自然かもしれん。
その昔スタイリング(わたくし服飾出身)とか心理学でやったぞ、
ダイレクトに完全に見えるよりも透かして見える方がミステリアスを強調する視覚効果がうまれるだのなんだの。
うかれ坊主ならぬミステリアス坊主。
洋式お褌のヘルベルトも相当うかれている場面だった。
なにこのシンクロ。
観劇後はのぼせた様な、
平衡感覚を失いそうになっていた。
ダンスで身体のラインが見えるのは寧ろ嬉しいことなのだけれど、
えっと、もう少々、布、多くなりませんかね(涙目)。
◇
『羽根の禿』
正真正銘子供の踊りなので、等身大で無理なく、
首をふりふり、下駄をカラカラ鳴らして実に愛らしい。
お一人で丸一曲踊られるのは初めてではないでしょうか。
禿ちゃんとミステリアスという、
その全く異なるキャラクターでの組み合わせは、嘗て六代目菊五郎丈が演じ分けて人気を博していたそうで。
それも是非観てみたい。
禿ちゃんを大人が踊る際は、セットや後見さんのキャスティングなどを工夫するそうで。
アナログ舞台ならではの先人たちの知恵盛りだくさん。
⋯⋯
ごめんなさい、菊之助さん。
この幕はお父上のミステリアスに持っていかれてしまいました。
名古屋の二人花子さんで挽回させてください(土下座)。