日本人は日本の女性の地位の低さを理解していないのではないかと思います。というのは、全くの独断ですが、私自身が結構長く住んでいるにもかかわらずアメリカの感覚についていけないことがあるからです。

アメリカに来た当初(前世紀)、新聞の子供向け記事で、中学生くらいの女の子が社会問題について政治記者に質問し、記者が答えるというものがありました。女の子はなかなか立派な筋のとおった質問をしました。記者の返答はこうはじまりました「私はあなたが将来大統領になってほしいと思います。」びっくりしました。日本でそのころ中学生の女の子に「将来総理大臣になって欲しい」と素直に真面目におじさんが言うことなど考えられませんでした。

比較的最近は「アナと雪の女王」を見てまたまたびっくり。すてきな王子様が重要な役を果たすおとぎ話の構図はもう過去のものになっていました。

そして今日、とあるwebsiteを説明してくれる会合で、子供に大統領の仕事を紹介する、イラストによるオンラインの3分間ビデオのさわりを見ました。大統領は性別のわからない人型の影になっていました。同僚が、この影は最初ネクタイをしていたのよ、「子供に向かってなんてことを教えようって言うの!」って指摘したらすぐに直したわ、と笑っていて、皆、笑っていました。日本の総理大臣の影はネクタイしてるだろうな、そして、それを「今まで皆男だったから」と簡単に許すんだろうな、と思いました。性別不明にしろと要求することはすんなりとはいかず、言った人に不適当な冗談を言うおじさんがいるんだろうな、と思いました。

また英語の話です。
月曜日に、オフィスの給湯所のようなところ(シンクがありコーヒーメーカ-が置いてある)に張り紙がありました。

Please clean up after yourself ....

これを見て、文法が間違っていると思いました。 after yourself?!
後で、エディターに「あの張り紙の英語はおかしくない?」と聞きに行きました。
するとエディターは、あっている、文法的にあっていると言うではありませんか。
納得していない顔の私を見て、idiom(慣用句)だから正しいんだと言いました。
私が、idiomじゃなかったら間違ってますよね、と聞くと、そうだね、そんなこと考えてもみなかったけど、そういわれればそうだね、と言ってくれたので私は納得しました。


さっそく、一番いいonline辞書と言われている英辞郎で調べてみると、"clean up after oneself"は出ていません。
"after yourself" は"pick up after yourself”という使い方で出ていました。
意味はclean upの時と同じで、自分で作った汚れ・ちらかりは自分できれいにせよ、ということです。
でも、yourselfでなくてもいいんですよ。My husband does not clean after himselfというように使えます。またまた英辞郎の弱点発見。


ところで、その給湯エリアは毎朝掃除の人がきれいにするので私は特に汚いと思ったことはなかったのですけどね。特定の人がお弁当の容器やコーヒーカップを後で洗いやすいように水に浸けておくためか置き去りにしていることはありましたが。
張り紙は、木曜日にはなくなっていました。
誰かが感じ悪いと文句を言ったのだと思います。
少し残念。


大手新聞のwebsiteに”帝王切開で出産したことを他人に「楽だったわね」と侮辱されたり、自分で責めてしまったりする母親が少なくなく、臨床の現場でのケアが求められている”ことに関して記事がありました。


すいません、これを読んだ時、ごく正直に言って「日本人ってばかじゃないの?」と思いました。自然分娩のほうが偉いという考え方も、帝王切開が楽だったわねと言われて侮辱と受け止め落ち込む考え方も両方。


そんなことまで人と比べて優劣を付けますか。


アメリカで誰かが王切開で出産したと聞けば、(わけもなくおなかを切られたい人はいないでしょうから)帝王切開にする理由があったんだ、大変だったわねー、それだけです。