X(旧Twitter)に投稿した、書籍『日本鬼(ヤンプングワイ): 日本軍占領下香港住民の戦争体験』の自己感想の転載です。

 

23)
「日本兵は上官に言われたから蛮行したんだろうし」という理解を見せる意見も若干数は同書に見られたものの、生き返らせることのできない人命はともかく、債権は履行が可能といえば可能なので「両親や祖父母の香港ドルを返せ」発言は多い。「末代まで受け継ぎますからね」という意見も。

 

24)
”知らなかった不勉強な自分”を恥じたもうひとつの案件は「日本軍植民政府下での蛮行の数々に関する正式な謝罪と軍票の償還(香港ドルの変換)」を求める香港人達のデモが日本領事館前で過去に何回となくおこなわれていたこと。このことは肝に命じておきたい。

 

25)
日本軍占領期間中に啓徳空港の拡張工事と海南島の開発に香港居民多数が無理やり動員されていったとのことだが、本書で取材を受けた家族親族知人友人の範囲内では誰一人として帰ってきた者はいなかったそうである。想像に難くない話である😔

 

26)
日本軍による蛮行は香港市街地で日常的に頻繁に起こっていたとのことで、ではそれによって生じた遺体の処理はどうするのかといえば「日本軍に命じられて香港市民がやらされていた」という証言が本書には収められている。市街地での犠牲だとそうなりますよね😭😭😭

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<6>に続きます。(予定)

 

 

X(旧Twitter)に投稿した、ドキュメンタリー映画『娘は戦場で生まれた(原題:For Sama)』の自己感想の転載です。

 

見放題対象が今日いっぱいの映画『娘は戦場で生まれた(原題:For Sama)』を視聴。
『十年』『時代革命』『ナワリヌイ』『娘よ』同様にプロパガンダ創作ではないかと疑って見たせいか、相方と2人で疑問点ばかり指摘する内容にしか思えなかった。

 

 

 

2)
我が家的に違和感等を感じた点を列挙。
・「電気がなくなった、水がなくなった」とナレーションや台詞で繰り返してはいるが、停電に困ってる様子も入浴できてなくて汚れてる様子も監督一家にはまったく見られない。

 

3)
・監督一家を含めてアレッポの住民達の生活水準が高く、身につけている衣料品も部屋の調度品も、何なら建物そのものも品質がよい。以前住んでいたインドで見学したお金持ちの住宅並みだなと感じる。病院の設備も十分に高水準だ。

 

4)
・さんざん空爆されて設備がないと言いながらちゃんとした装備や備品がいろいろ残ってて病院で処置できてる場面がいくつもあるのはなぜなのか。

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<2>に続きます。(予定)

(旧Twitter)に投稿した、書籍『チベット旅行記』の自己感想の転載です。

 

読了日9/26:『チベット旅行記』Kindle版
明治時代に”日本人として初めてチベットへの入国”を果たした僧侶・河口 慧海の紀行作。仏教への飽くなき探究心と執念に基づく行動はすごいが、河口目線による現地状況への蔑視もすごいなというのが通読しての感想...
(;ーωー)

 

2)
著者河口がチベットへと出発したのは明治30年(1897年)、ラサ到達は明治34年(1901年)、当時のチベットは法王領と清朝の領土とが存在しており、法王領のほうは完全鎖国体制を敷いていたので、著者は重複した嘘をついて入境・滞在することになる。「それ僧侶としてどうなのよ」と内心ツッコミつつ読む

 

3)
本書を読んでみた範囲内での、当時の法王領チベットの印象は「賄賂三昧で警察がわりの僧侶が暴力をふるい、僧侶になれば勝ち組だがそれ以外は重税に苦しみ、女性の結婚は本人の意思が無視され多夫一妻、入浴習慣は中世欧州のごとく風呂に入らない人が多数派」...そんな風に読めました。

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<2>に続きます。(予定)