確か2003年頃だったと思うが、友人から薦められて読んだ本が「ダ・ヴィンチ・コード」と「天使と悪魔」だった。どちらもダン・ブラウン氏によるベストセラーで、暗号を解読していくそのスピード感が心地よく、一気に読んでしまった記憶がある。
「ダ・ヴィンチ・コード」は世界的なダ・ヴィンチ・ムーブメントを巻き起こし、パリのルーヴル美術館も協力して映画にもなってしまった作品だが、レオナルド・ダ・ヴィンチの話はどちらかというと前半のみで、後半は「レンヌ=ル=シャトーの謎」を彷彿とさせるエンターテイメントとなっていて、あれれ?という印象だった。
岩窟の聖母や最後の晩餐の斬新な解釈も興味深いが、事実とはだいぶ違う内容だ。秘密結社についての記述もダ・ヴィンチのノートには出てこないし。
「天使と悪魔」はセルン(欧州原子核研究機構)とヴァティカンを舞台に繰り広げるストーリーで、個人的にはこちらの方が好きだ。「ダ・ヴィンチ・コード」同様、書き出しに「すべて事実に基づいている」と謳っているわりにはフィクション要素が強い作品だが、007のようなサスペンスものだと思えば気楽に楽しめると思う。
↓セルンの反物質研究者が書いた興味深いサイト
物理学者とともに読む「天使と悪魔」の虚と実 50のポイント