パリ手稿A64r_月とは何か? | レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの活躍を紹介していきます。

月と地球が19年ぶりに最接近している。
この現象は「スーパームーン」とも呼ばれているが、今回はおよそ35万6500キロメートルと、1992年以来19年ぶりに最も接近中。

NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、今回は月と地球が最も遠くなった時に比べて、大きさでは14%大きく、明るさでは30%も明るく見えるらしい。

パリ手稿Aの64rには、レオナルド・ダ・ヴィンチが月について記しているが、月の軌道によって明るさが変わるところまでは気付いていない。

それよりも、レオナルドは「発光体は遠ざかるにつれて大きくなる」という間違いを述べている方が気になるところだ。月が頭上にあるときよりも西空にあるときの方が大きく見えるのは「西空にあるときのほうが約3500マイル(約5600km)ほどわれわれから遠くになる」って?それじゃ正反対だな~。
望遠鏡もない時代の研究なので、その考察について空想的になっているのもしょうがないかな。


レオナルド・ダ・ヴィンチのノート-パリ手稿A64r_月とは何か
パリ手稿A64r_月とは何か?


月とは何か、月は自分ひとりでは光らず、鏡や水その他のキラキラ光るもののように光の性質を受け入れるによく適している。

そして太陽その他の遊星と同じく東空と西空にあるとき大きくなる。この理由はあらゆる発光体は遠ざかるにつれて大きくなるということにある。あらゆる遊星も恒星も[このページの]横に証明しておいたとおり、頭上にあるときより西空にあるときのほうが約3500マイルほどわれわれから遠くになる。

もしお前が太陽か月かすぐそばの水に映っているのを見るなら、水の中でも空にかかっているのと同じ大きさであるように思えるが、もしお前が1マイルも遠ざかったなら、それは百倍にも大きく見えるであろう。

そしてもしお前が正に沈まんとする刹那海に映っているのを見るなら、その映った太陽は10マイル以上もの大きさに見えるであろう。それはこの反映に当たって10マイル以上の海をおおうからである。またもし今お前が月のあるところにいるとすれば、お前にはその太陽が日々の運行に当たって照らすかぎりの海の上に映っているように見えるし、そういう水の間に陸地が月にある暗い斑点と同じように見えるであろう。

地上から眺める場合月が人間にみえるのとわれわれの地球が月に住む人々に見えるのとは全く同じ姿を呈する。

月の性質について。

月のわれわれに見うる部分全部が照らされるとき、われわれはその最大限の光を見る。そしてその場合月に当たってわれわれのほうに跳ね返される太陽光線の反射によって、その光を見る。そしてその場合月に当たってわれわれのほうに跳ね返される太陽光線の反射によってその[月の]海はわれわれに乏しい湿気を投げかける。そして光が乏しければ乏しいほど有害である。