【公開】
2019年6月7日(金)(インド映画)
【原題】
Padmaavat
【製作・脚本・音楽・監督】
サンジャイ・リーラ・バンサーリー
【キャスト】
ディーピカー・パードゥコーン、ランビール・シン、シャーヒド・カプール
【あらすじ】
13世紀末、シンガール王国の王女、パドマーワティ(ディーピカー・パードゥコーン)は、西インドの小国、メーワール王国の王、ラタン・シン(シャーヒド・カプール)と恋に落ち、妃となった。同じころ、北インドでは、叔父のジャラーウッディーン(ラザ・ムラッド)を暗殺した若き武将、アラーウッディーン(ランヴィール・シン)が、イスラム教国の皇帝(スルタン)の座を手に入れていた。
獰猛で野心に満ちた彼は、第二のアレキサンダー大王との異名を持つほどに、その権勢を広げていく中、絶世の美女、パドマーワティの噂をききつけ、メーワール国に兵を差し向けるが、堅牢な城壁と、誇り高いラージプート族の王であるラタン・シンの抵抗により、パドマーワティの姿を見ることも許されなかった。
一計を案じたアラーウッディーンは、ラタン・シンを拉致してパドマーワティを自らの城におびき寄せるが、彼女の勇気ある救出策によりラタン・シンは奪い返され、遂に総力をメーワール王国に向かわせる。 城を取り囲むアラーウッディーンの大軍勢と睨みあうメーワール王国の兵士たち。 やがて始まる、王と王の誇りと野望を懸けた最後の戦い。
そして、圧倒的に不利なその戦に、パドマーワティは、ある決意をもって臨んでいた…
http://padmaavat.jp/index.html
69点
そりゃもちろんバーフバリの方が好きだけどこういう重厚でちゃんとしすぎててむな焼けしそうな真面目な歴史大作もたまにはいいよね。ちなみにインド映画史上最大の33億の予算らしいけど逆に33億でここまで作り込めるもんなのか。もっとかかりそうな気がするけどね。ハリウッドで100億越えで是より全然しょぼい映画いっぱいあるんじゃないか。
まあ動物のCGはマジかってくらい雑だったけど。
でも画面が軒並み美しいし、パドマーワティも本当に女神のように美しい。
そして主人公側の人たちはちょっとうっとおしいくらいに正しい行動しかしないのが少しむかつく(笑)。
その分俺のような人間が応援したくなるのは暴君アラーウッディーンやそんな彼を愛してパドマーワティに嫉妬するカーフールや変体覗きバラモンのアイツ(笑)。悪役側の話の方が断然面白い。ていうかパドマーワティ中盤まで主人公とは呼べない影の薄さだと思う。
ランヴィールシンさんの濃すぎる顔面、近すぎる目と眉毛が強烈で彼が出てくるだけでワクワクが止まらない。絵にかいたような悪人面だがしっかりイケメンでもある。カーフールの鼻の大きさもキモくて最高(笑)。あいつの卑劣さも話を盛り上げる。
アラーウッディーンがのし上がっていくピカレスクロマンとして前半は楽しい。やりたい放題の悪役っていいよね。おまけに欲しいものは全部自分の実力で手に入れるから悪役だけどカッコイイ。ちゃんと先陣切るし、体バキバキに鍛えてるし、要求されたら一人で乗り込むし、一騎打ちにも乗ってくれるし、悪役で卑劣ではあるけど子狡くはないのが魅力的だった。
中盤のキレキレすぎるアラーウッディーンのダンスはちょっと物語のトーンを安っぽくしてしまったけど、あの激情溢れるダンスとヤバい顔は忘れられない(笑)。
ラストでパドマーワティが燃えてしまって絶望する様も憐れで、すべてを求めて手に入れてきた男が本当に欲しいものは逃してしまう悲劇としても見れる。
逆にカーフールの横恋慕はもっとじっくり描いてほしかったけど。史実もあるから下手にいじれないだろうが、できればカーフールがやりすぎてアラーウッディーンに殺されるという悲劇なんかが見たかったな。
そして正直言えばもっとバトルが見たかった。最後にだけ戦闘を持ってくるのもいいけど、せめてもっと派手にしてほしい。あれだけの大軍勢を見せておきながら生殺しかよ。投石器もあるのに・・・。
その他気になったところ。
モンゴルとアラーウッディーンの闘いがもっと見たかった。
アラーウッディーンのあの上裸での演説はとてもじゃないけど味方を鼓舞できるような内容ではないと思う。
アラーウッディーンを毒殺しようとした甥っ子はなぜまだアラーウッディーンが生きている段階で目の前で種明かしをしたのか。結果殺されたのだがバカなのか。
あとジョウハルを良きこととして描く感覚はやっぱまずいんじゃないかな。バーフバリでインド映画の女性の描き方は進歩したと思ったんだけどな。
ラタン・シンやパドマーワティがなんであんなに慕われているのかもっと描いてほしかった。バーフバリは納得いく描写がいっぱいあったんだけどね。ラタン・シン役の人もなんか当たり障りのないイケメンって感じだったからなぁ。
普通にレベルは高いはずだけど、真面目に作りすぎというか、イマイチ乗り切れない映画。でもそれは主人公から見た場合の話でアラーウッディーンを主人公としてみればもっと楽しめる。
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