原義は、「最もよく響く鐘が壊されて、土器の釜が雷のように鳴る」という意味です。
つまり、才能や人徳のある有能な人、傑出した人が退けられ、能力のない、凡庸な者が権力を持ったり、高い地位に居たり、幅を利かせたりして、得意になってわめきちらすことを喩えています。
出典は、中国の戦国時代の詩人である屈原(紀元前4~3世紀)の作と云われている『楚辞』の卜居(ボクキョ)で、『楚辞』(長江流域)は『詩経』(黄河流域)とともに中国古代の二代詩集とされています。
この時代から二千数百年を経た現代も大同小異ですね。
因みに、端午の節句に粽を食する習慣がありますが、これは失意のうちに河に身投げした屈原を供養するために、竹筒に米を入れて河に投げ入れたのが粽の始まりと云われれています。なお、端午の節句は屈原の命日とされています。