震災と原発を経て達郎が叫ぶ!!『MY MORNING PRAYER』(2011.11.6記) | リーンのガラパゴスサロン~趣味や娯楽の広場

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 達郎 11曲目が、かの「MY MORNING PRAYER」でございます。これも、番組ではずいぶんお話しておりますが、4月から始まりました日本テレビ系の朝ワイドの『ZIP!』という番組のテーマソングで、それのオファーを受けて、当初はぜんぜん別の曲で予定してたんですけれども、それのレコーディングしてる最中に地震が起こりましてですね、それまでの作ってた曲を捨てて急遽全面的に書き直しまして、この曲に差し替えてつくりました。いろいろと世情が不穏なところで六本木のど真ん中で電源の低下に苦しみつつ作ったものなので、いままでのそれこそ自分の作品にしてはすごくシンプル明瞭というか『ミューズ』以上にシンプルかつ直球な1曲でありましてですね、ちょっとなんか恥ずかしい感じもしてどうしようかなあと思ったんですが、まあこれも歴史の1ページだろうと。とにかく電源事情が最悪の状態でレコーディングしておりましたのでですね、テレビで流れているテレビバージョンというのがですね、いまいちその音質面といいましょうかミックス面で不安がありましたのでボーカルとストリングス以外すべて再録音しまして今回のアルバムに収録をいたしました。わたくしごとで変ですけれども、これを聞くとあの地震のときの世の中の空気というのがやっぱりフラッシュバックします。そういう意味では自分のなかではそういう思いがこもってる歌でもあります。「MY MORNING PRAYER」





  MY MORNING PRAYER





 というわけで「MY MORNING PRAYER」、アルバムバージョンであります。今回のアルバム全14トラックでございますけれども、実はシングルのカップリングで入らなかった曲が2曲あります。「ミューズ」と「ANGEL OF THE LIGHT」。なんで「ミューズ」はいれないんだ、というお便りを下さった方がありますが、「MY MORNING PRAYER」が入っているので「ミューズは」同系の曲なので割愛しました。あと「ANGEL OF THE LIGHT」は英語の歌なのでちょっと難解な歌なのでもうちょっと膨らましてですね、あれはシングルバージョンと書いてあるとおもいますが、フルオーケストラでもう一回やりたかったんですが、あのとにかくバラードが多いので、またチャンスがあればもう一回やってみたいとおもっております。今回のアルバム、そういう具合でコンパクトにしたかったので割愛した曲があります。





 リーン 私が山下達郎の曲で1番好きな曲、すくなくとも『Ray Of Hope』のなかではこの「MY MOR
NING PRAYER」です。全作品のなかで好きな曲を5曲えらべときかれたらこうなります。



 いつか(AOMEDAY)



 僕の中の少年



 BLOW



 MY MORNING PRAYER



 そして、そのとき聴いている曲。



 今回取り上げた曲は、最初はポップにメロディーが流れるだけの普通の曲に聞こえたんですけどね。アルバム発売から3ヵ月たった今ではもはやこの曲を聴かない日はありません。朝、ペタをつけながら『ZIP!』のオープニングで達郎さんの声を耳に入れ、出勤の車中でメロディーを全身に浴び、帰りには明日の喜びを信じてまた繰り返す。おそらくスタジオ収録の曲では全作品を通じてもっとも聞いています。どうしてこれほど聞くようになったのかはうまく説明できませんが、やっぱりその歌詞によるところが大きい。恥ずかしがり屋でへそ曲がりな(と御本人は自認しておられる)達郎さんがストレートに、赤裸々に思いのたけを歌い上げる、そんな、もっとも達郎さんらしくない曲だから惹かれました。

 達郎さんが個人的心情を歌った曲に「蒼氓(そうぼう)」がありますが、20数年前に作られたこの曲でも、どこか斜に構えていて、そのくせ顧みられないかもしれない個人的な生き方を、どこかのだれかにそっと伝えたい。やや複雑な心根が見られます。しかし、「MY MORNING PRAYER」は思い切って思いのたけをぶつけ、心身ともに傷ついた人に向かって叫び、寄り添ってくれる。

 今回はこの2曲の歌詞を全文掲載します。本来、音楽著作権としては違反なのでしょうが、営利を目的にしておらず、詩を通して達郎さんの世界とその変遷を知っていただきたくおもい、あえて掲載に踏み切ります。なにとぞ御容赦くださいませ。





 ♪ 蒼氓 (1988)



 遠く翳る空から

 たそがれが舞い降りる

 ちっぽけな街に生まれ

 人混みの中を生きる

 数知れぬ人々の

 魂に届くように



 凍りついた夜には

 ささやかな愛の歌を

 吹きすさんだ風に怯え

 くじけそうな心へと

 泣かないで この道は

 未来へと続いている



 限りない命のすきまを

 やさしさは流れて行くもの

 生き続けることの意味

 誰よりも待ち望んでいたい



 さみしさは琥珀となり

 ひそやかに輝きだす

 憧れや名誉はいらない

 華やかな夢も欲しくない

 生き続ける事の意味

 それだけを待ち望んでいたい

 To find out the truth of life!



 たそがれが降りてくる

 歌声が聴こえてくる…



 La La La La …





 ♪ MY MORNING PRAYER (2011)



 夜明けがまたたいている

 あなたを照らすために

 ちいさな想いがある

 あなたに届けるため



 今日という日が

 昨日より

 少しだけやさしく

 あなたを包んで

 くれること祈って

 THIS IS MY PRAYER

 MY MORNING PRAYER



 あふれるその悲しみ

 僕には消せないけど

 せめてこのメロディー

 あなたをはげませたら



 ひとときでも

 耳をすませ

 心をゆだねたら

 かすかな希望の

 音を聴いておくれ

 THIS IS MY PRAYER

 MY MORNING PRAYER



 手と手がつながる

 鼓動が伝わる

 みんな立ち上がる

 ひとりじゃないこと

 確かめるために



 涙がいつの日にか

 途切れるその時こそ

 本当の夜明けが来る 

 全てが生まれ変わる

 

 気高いいのち

 いつまでも

 心に刻みこみ

 明日をかかげて

 僕らは生きて行く

 あなたと生きて行く

 みんなで生きて行く

 THIS IS MY PRAYER

 MY MORNING PRAYER

 THIS IS MY PRAYER

 MY MORNING PRAYER



 この2曲の歌詞をお読みいただいてどんな感想をお持ちでしょうか。私は、やっぱり後者が好きですね。あの山下達郎にここまで寄り添っていただけたら、泣けてきそうです。同じ思いのファンの方もこの日本のどこかにいらっしゃるのではないでしょうか。

 達郎さんは自分のゆれる心情を別の媒体にこう述べています。


 原発が爆発するなどのデマが飛び交う状況下で曲を作りレコーディングしたものなので、出来上がった作品は、あまりに直接的・赤裸々で、装飾性がまったくない。あまりにガチンコでなんとなく恥ずかしいというか。でも、あの時にはこういう形でしか感情を表わせなかった。一時は、アルバム本編に入れるのはやめようとか、シークレットトラックにしようかとも考えたんだけど……。


                           (TATSURO MANIA No.79


 日経新聞のインタビューでは事務所の社長(小杉理宇造氏のことか)から原発のことをいわれたが逆に腹が据わった、ともコメントしている。多数の命が海に飲み込まれ、ひとつの建物の外壁が吹き飛んだだけで電気の供給がそこなわれ、そして一地域の難民が発生する。『Ray Of Hope』は震災後の人々に寄り添う内容としてつくられたと前に書きましたが、この曲には、ひとりのミュージシャンが未曾有の大惨事にどうやって向き合うのか、その答えと思いが凝縮しています。「HAPPY GATHERING DAY」では


 

 人生はそんなに捨てたものじゃない


 

 と肯定的に歌われ、「いのちの最後のひとしずく」では


 

 あなただけを あなただけを あなただけを 愛してる



 と愛情を素直に表現している。その後に来る曲が



 あふれるその悲しみ 僕には消せないけど せめてこのメロディー あなたをはげませたら



 と、やるせなさともどかしさを披歴する。この流れの落差に愕然とする。どうか曲の配列の妙に浸りながらお聴きくださいませ。きっと、達郎さんが、より近くに感じられます。ひとりのシンガーの魂の叫びをじっくりとどうぞ。




 閑話休題


 この記事を書いている2011年11月6日は、山下達郎のコンサートツアー『JACCS PRESENTS TATSURO YAMASHTA PERFORMANCE 2011- 2012』の初日、市川市文化会館公演の日です。今日行かれるファンのみなさま、ワクワクしておられるでしょうね。どうぞ、楽しんできてくださいませ。今回のツアーはまた一段と音がグレードアップしているでしょうね。私の希望は「MY MORNING PRAYER」をぜひとも演奏してほしい、それもアンコールに入る前の締めで聞きたいということ。セットリストどうなるのですかね。このコンサートはネタバレ厳禁ですから2ちゃんねるもほかのブログもシャットアウトしないと大変です。どうか、余韻を胸にきざみましょう。私は12月に中国地方の某市に出向いて楽しむことにしています。ネタばれなしでブログを書けるのか不安ですがそのときには頑張ってみたいと思います。では初日に行かれるみなさま、楽しんでくださいませ。そして、『Sunday Song Book』もお忘れなく。