米国のマネーストックの伸び率が凄い! | 真の国益を実現するブログ

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米国のマネーストック(M1:現金+預金通貨)の伸び率が凄いことになってます。
「tradingeconomics.com」から
https://jp.tradingeconomics.com/united-states/money-supply-m1

コロナ禍以前の2020年2月から6月にかけて、金額では約1200憶ドル、なんと31%の伸び率です。

過去5年間と25年間の推移グラフも貼っておきます。

上の5年間の推移グラフで一目瞭然ですが、コロナ禍以降の伸び率がいかに大きいかが分かるかと思います。
下のグラフは25年間の推移グラフです。2001年のITバブル崩壊時、そして2008年のリーマンショック時をはるかに上回る通貨供給量になっていることも、よく分かるかと思います。ITバブル時で約15%、リーマンショック時で約10%の伸び率だそうです。

マネーストックですが、マネタリーベース(MB)と異なることについて注意が必要です。マネタリーベース(MB)とは、中央銀行の負債のことで、現金と民間の金融機関が中央銀行に保有する当座預金の合計です。
いわゆる量的金融緩和と言われているのは、民間金融機関が保有する国債等を日銀が購入し、民間金融機関が中央銀行に保有する当座預金量を増加させることで、これによりマネタリーベース(MB)は増加します。
単に、民間金融機関保有の有利子債権が、付利のある中央銀行の当座預金に振り替わっただけのことですね。したがって、直接的には市中への通貨供給、つまり預金通貨が増加するわけではありません。

では、コロナ禍以降、なぜこれほどまでに、マネーストック(M1)が増加したのでしょうか。まあ、当然といえば当然なのですが、米国はコロナ禍に対する経済対策として、総額1兆ドルとも言われる財政出動を執行中です。
『米、経済対策100兆円検討 現金給付も―新型コロナ』
現状どの程度執行されているかは不明ですが、日本円換算で言えば既に数十兆円が、現金給付含め、直接国民や企業に支出されていると推測されます。
また、民間部門への貸付金も増大しています。
https://jp.tradingeconomics.com/united-states/loans-to-private-sector
コロナ禍以前の2020年2月から6月にかけて、金額では約700億ドル/月、約30%も伸びています。


要は、1兆ドルものコロナ禍の経済対策としての現金給付や融資拡大で、マネーストック(M1)が激増したのですね。

わが国はどうでしょうか。
日銀の統計データサイトから、マネーストック(M1)の推移グラフを作成してみました。


2020年3月あたりから急増している様子が分かるかと思います。ただし、伸び率は8%程度でしょうか、米国との伸び率比較ではかなり劣ります。我が国も空前の規模の財政出動を行っていますが、米国の足元程度ということでしょうか。


いずれにせよ、いわゆる量的金融緩和と異なり、直接国民の懐に実弾打ち込むのですから、そりゃ現金や預金通貨は増えますよね。改めて量的金融緩和の無意味さが理解できるかと思います。(リフレ派、息してるかな?)

今後ですが、トランプ米政権は、さらに1兆ドル(約107兆円)に近いインフラ計画を打ち出しているようです。
『トランプ政権、景気てこ入れで1兆ドルのインフラ支出検討-関係者』
わが国も、予備費の10兆円の支出、そして第三次補正予算編成の可能性も十分にあるので、両国ともに今後どんどんマネーストックは積みあがっていくと思われます。

ここで問題となってくるのが、積みあがった預金通貨なりが、国内消費に回るか否かです。おそらく少なくない金額が貯蓄と投機に回るのではないでしょうか。
特に米国においては、コロナ禍の状況にもよりますが、株式市況なりが、回復を通り越して、再度バブル化するように思いますね。。。。



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