医療保険・介護保険 6

介護保険のトレンド

(後編)



保険会社は介護保険で新たなマーケットを開拓

 要介護(要支援)者を介護するのは、配偶者や子、子の配偶者の場合がほとんどであり、何年もの間、自由な時間がなかったり、経済的負担が大変だったりして多くのストレスを抱えながら介護しなければなりません。しかも少子化や核家族化によって介護する人の負担はより重くなってきています。将来もし介護が必要になった時は、まずは公的介護保険制度に期待したいところですが、あわせて自助努力による経済的備えも重要であり、介護保険への期待が大きくなってきています。また、生命保険会社にとっては、医療保険やがん保険、変額個人年金保険等で新たなマーケットを開拓してきましたが、次のターゲットとして介護保険に力を入れ始めています。今まで介護保険(主契約)の取り扱いが無かったような保険会社でも新商品を出してきています。

要介護1から給付対象も

 介護保険(特約も含む)の主な保障は介護一時金と介護年金になりますが、各保険会社の支払い事由は公的介護保険の認定によるか、保険会社所定の要介護状態によるかのどちらか、または両方を基準としています。公的介護保険を基準とした場合は、要介護2以上~4以上を基準としている介護保険が多いですが、中には要介護1以上を基準としている介護保険も登場してきています。支払い基準は緩ければ緩いほど保障対象になりえるので、加入する人にとっては重要な比較ポイントになり、保険会社にとってもセールスポイントになります。

保障は終身が主流に

 介護保険の商品内容は保険会社によって大きく異なります。
主だったものを挙げると、

1.

介護の支払い基準に該当している限り一生涯介護年金等を受け取ることができる死亡保障付きの介護保険で、死亡の時には支払った介護年金等を差し引いて死亡保険金が支払われる。

2.

終身の介護保険だが、介護一時金等が支払われたら、その段階で契約が消滅する。

3.

介護の支払い基準に該当している限り一生涯介護年金等を受け取ることができ、介護年金が支払われているときは保険料の払込が免除される、掛け捨ての介護保険。


 以上に挙げたような介護保険があります。中には介護保障として使わずに、将来解約すると、支払った保険料以上の返戻金がある商品も存在しています。

 介護保険はこれから多くの保険会社が力を入れて商品開発してくると思われます。介護保険を選ぶ時は、支払い基準や保険料設定、保障期間、貯蓄性の有無等を十分に確認した上での選択が大事と言えます。また、将来の介護が心配でも、必ずしも介護保険に加入しなければならないことはなく、貯蓄等で対応することも十分に可能です。
介護保険の内容は保険会社や商品によって異なるので、各保険会社に確認して下さい。

医療保険・介護保険 5

介護保険のトレンド

(前編)


公的介護保険の現状

 日本は早いスピードで高齢社会へ突入しています。人口約12768万人(平成2041日現在総務省調べ)に対し、65歳以上が約2751万人(平成203月末現在厚生労働省調べ)と、既に約21%65歳以上となっています。そして、公的介護保険の要支援・要介護認定者数は約460万人にもなります(表参照)。

区分

要支援
1

要支援
2

要介護
1

要介護
2

要介護
3

要介護
4

要介護
5

総数

第1号
被保険者

551089

619141

753822

779417

696115

566493

485787

4452753

そのうち
65
74

87724

102112

104584

123489

99700

73128

64894

655749

そのうち
75
歳以上

463365

517029

649238

655928

596415

493365

420893

3797004

第2号
被保険者

9480

21599

20897

34645

27078

18797

20317

152841

合計

560569

640740

774719

814062

723193

585290

506104

4605594

資料出所:厚生労働省平成207月分介護保険事業状況報告(暫定)
経過的要介護を除く


 65歳以上(第1号被保険者)に限って言えば、約16%もの人が要介護(要支援)認定を受けており、年々増えています。今後もこの傾向が続く可能性は高く、公的介護制度の運営はより厳しくなっていきます。もし将来介護が必要になった時は、公的介護保険制度に期待したいところですが、あわせて自助努力による経済的備えも重要になってきています。



医療保険・介護保険 4

医療保険のトレンド

(後編)

安価な掛捨てタイプの医療保険が主流に

 医療保険には貯蓄性のあるタイプと掛捨てタイプが存在しています。貯蓄性があるタイプは、解約した場合に返戻金があったり、一定期間生存していた場合には生存給付金があったりします。掛捨てタイプはそれらの機能がない分、保険料が割安になります。最近発売される商品は掛捨てタイプが多くなっています。これにはいくつかの理由が考えられます。

1.

景気の停滞
現在の世界的金融危機や、その前の所謂「失われた10年」もあり、多くの家計で支出を抑えたい傾向が強まっています。医療保険についても保険料を抑えるために掛捨てタイプを選ぶ傾向が強まっています。

2.

保険会社のリスクコントロール
保険会社は将来の給付金支払や解約返戻金等の為に、資金的な準備をしておかなければなりません。その為に債券を中心に運用していますが、運用にはリスクも伴います。掛捨てであれば運用する資金も減り、リスクをコントロールしやすくなります。

3.

不払い問題の反省
特約が沢山付いていたり、仕組みが複雑だったりしたことで、多くの不払い問題が発生したことを踏まえ、保障内容は貯蓄機能も省き、極力シンプルでわかりやすい内容へと変わってきています。


 他にも最近の傾向として、入院給付金保障開始日の早期化(従来の5日以上入院で5日目から保障等が日帰り入院や12日から保障へ)や、入院給付金日額の増額が挙げられます。入院給付金保障を日帰り入院等も対象にすることは、保険料を上げる要因になりますが、圧倒的人気に支えられて現在の主流となっています。入院給付金日額の増額は、高齢化の進展や医療技術の進歩等にともなう医療費の自己負担増の可能性もあって、以前よりも入院給付金保障日額を増やす人が増えています。

 医療保険は将来への備えとして長期間加入するものです。将来魅力ある新商品が登場しても、その時の健康状態によっては加入できないこともあります。医療保険のトレンドを確認しておくことも大事ですが、既契約内容や健康状態等も踏まえた慎重な対応が必要です。
医療保険の内容は保険会社や商品によって異なるので、各保険会社に確認して下さい。