医療保険・介護保険 3

医療保険のトレンド

(前編)


医療保険の最近の傾向

 (1)各社の激しい商品競争
 (2)1入院での保障限度日数の短期化
 (3)安価な掛捨てタイプの医療保険が主流に

各社の激しい商品競争

 ひと昔前は、死亡保障に特約として医療保障が付いていましたが、金融ビッグバン以降、多くの生命保険会社や損害保険会社から次々に医療保険(主契約)が発売されてきました。これは、ライフスタイルの多様化や少子高齢化の影響もあって、遺族への高額な死亡保障も大切ですが、自分が病気やケガをした時の経済的な備えも重要視されるようになってきたからです。そこには保険会社が潜在していたニーズを掘り起こしてきたという側面もあります。共済や最近登場したネット型生命保険会社を含めて、今日も保険料や保障内容で他社に対抗するべく激しい競争が繰りひろげられています。

1入院での保障限度日数の短期化

 医療保険には、主たる保障として病気やケガで入院をした時に1日当たり5,000円や10,000円の給付金保障がありますが、ほとんどの医療保険には保障の限度日数(60日や120日等)を設けています。その限度日数が以前と比べて短くなりました。入院日数を推測するには、厚生労働省「平成17年患者調査の概況」が参考になり、それによると、全体での平均在院(入院)日数は37.5日となっています。疾病別にみると、胃がん(悪性新生物)34.6日、大腸がん30.7日、心疾患(高血圧性のものを除く)27.8日、脳血管疾患101.7日、高血圧性疾患41.4日、糖尿病34.4日、肝疾患30.0日となっています。入院日数は年々短くなってきていますが、医療を取り巻く事情を考えると、今後も短くなりそうです。その為、保険会社も入院給付金の1入院保障限度日数は60日あれば十分で、120日や360日のような長期は必要ないと考えるようになってきています。ただ脳血管疾患のように長期入院する可能性の高い疾病もあるので、七大生活習慣病に限っては1入院保障限度日数を長めに設定する商品も見受けられます。ちなみに1入院保障限度日数は短くなればなるほど保険料は下がります。


医療保険・介護保険 2

介護・医療保険料控除が新設

(後編)

介護医療保険料の控除額は所得税最大4万円、個人住民税最大2.8万円

 現在は、一般の生命保険と個人年金保険で、それぞれ所得税(1)で最大5万円、個人住民税(2)で最大3.5万円所得から控除することができます。

1:生命保険料控除(所得税の場合)

支払った保険料

控除額

25,000円以下

支払った保険料

25,000円超~50,000円以下

支払った保険料×1/212,500

50,000円超~100,000円以下

支払った保険料×1/425,000

100,000円超

一律50,000


2:生命保険料控除(個人住民税の場合)

支払った保険料

控除額

15,000円以下

支払った保険料

15,000円超~40,000円以下

支払った保険料×1/27,500

40,000円超~70,000円以下

支払った保険料×1/417,500

70,000円超

一律35,000



 それが税制改正によって、介護医療保険料控除は所得税の場合が3、個人住民税の場合が4の内容で新設され、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除は、新設される介護医療保険料控除と同じ内容へそれぞれ縮小されます。
 つまり、所得税の場合は、最大の控除額が10万円(5万円×2)から12万円(4万円×3)へ拡大されることになります。一方、個人住民税の場合は、現在の最大7万円(3.5万円×2)から8.4万円(2.8万円×3)へは拡大されず、一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除のすべてを合算して最大で7万円の控除となります。

3:介護医療保険料控除(所得税の場合)

支払った保険料

控除額

20,000円以下

支払った保険料の全額

20,000円超~40,000円以下

支払った保険料×1/210,000

40,000円超~80,000円以下

支払った保険料×1/420,000

80,000円超

一律40,000


4:介護医療保険料控除(個人住民税の場合)

支払った保険料

控除額

12,000円以下

支払った保険料の全額

12,000円超~32,000円以下

支払った保険料×1/26,000

32,000円超~56,000円以下

支払った保険料×1/414,000

56,000円超

一律28,000


資料:平成21年度税制改正大綱を参考に作成

新制度は平成24年から適用開始

 介護医療保険料控除や新たな控除額による制度は、平成21年からすぐに適用されるのではなく、所得税は平成24年分以後の所得税について、個人住民税は平成25年度分以後の個人住民税について適用の予定となっています。なお、介護医療保険料控除や新たな控除額による制度は、新制度の施行日以後に加入(契約)する保険のみが対象となります。よって、現在既に加入している保険等は、現在の控除制度をそのまま適用することになります。

今回から6回にわたって、医療保険・介護保険についてアップします!!!


医療保険・介護保険 1

介護・医療保険料控除が新設

(前編)

改正のポイント

 (1)介護医療保険料控除を新設し、生命保険料控除を3本立てに
 (2)介護医療保険料控除の額は所得税最大4万円、個人住民税最大2.8万円
 (3)現在の一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除の枠は減額される
 (4)適用は新制度の施行日以降に締結した契約のみ
 (5)平成24年分以後の所得税から適用
 生命保険料控除とは、配偶者控除や扶養控除、医療費控除等と同様に、所得税等を計算する際に所得から控除できるものの一つであり、保険加入者は年末調整や確定申告で手続きをしています。

生命保険料控除は3本立てに!

 生命保険は健康保険や介護保険等の社会保障制度を補完しており、その重要性を踏まえ、近年加入者が伸びている介護や医療保障の保険料控除枠が新設されます。
 現在存在している一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除は残されるので、死亡保障を主とした一般の生命保険から、介護や医療保障の保険(特約も含む)を分離独立させると言えます。